2018年12月、HDVの組入銘柄の入れ替えがありました。
新しくトップ20にランクインしたのが、
ブロードコム
ロッキード・マーティン
以上、2銘柄。
巷では、「HDVは組入銘柄の入れ替えが多い」と言われていますが、実は入れ替えが多いのは組入比率が少ないモブ銘柄で、全体の約8割を占めるトップ20銘柄の入れ替えはそれほど多くないんです。
過去記事参照
ETFリーグではダメな選手(銘柄)はトレードされる「ETFリーグ」には、若手をじっくり育てるチームがあれば、フリーエージェントで有名選手を連れてくるチームもあります。 成績が芳しくない選手は当然トレードの対象になります。それが群雄が割拠している「ETFリーグ」のルールです。 HDVはすぐに選手(銘柄)の首を切るチームそんな多くの猛者が集まるETFリーグでも異彩を放っているのがチーム「HDV」正式名称は「iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF」 HDVはどんどん選手(銘柄)を入れ替えることで有名です。「そこ... HDV銘柄入れ替えの基準、その真実を探る!前編 - 2024年にFIREするぱたるの米国株ブログ |
HDV銘柄入れ替えの基準、その真実を探る!前編からの続き 除外された15銘柄のEPS推移と配当率、騰落率では、後編に進みます。 以下、除外された15銘柄の表です。それぞれ、EPS(※1)推移と配当率、騰落率(※2)を記載しています。(※1 EPSとは、1株あたりの利益。希薄化とは新株発行、増資などにより、株式数が増えて1株あたりの金額小さくなること)(※2 騰落率とはある期間の始めと終わりで数値がどれだけ変化したかをプラスマイナスで表す率) HDV除外リスト17銘柄一覧(スマホは横向きにすると右側も見られます)№... HDV銘柄入れ替えの基準、その真実を探る!後編 - 2024年にFIREするぱたるの米国株ブログ |
では、今回2018年12月の入れ替え銘柄を見てみましょう。
左の列が前回銘柄、右の列が今回の新銘柄と組入比率です。
2018年9月 | 2018年12月 | 比率 | |
1 | エクソンモービル | エクソンモービル | 9.7 |
2 | ジョンソン&ジョンソン | ベライゾン | 7.57 |
3 | ベライゾン | ジョンソン&ジョンソン | 6.52 |
4 | シェブロン | シェブロン | 6.37 |
5 | ファイザー | ファイザー | 5.98 |
6 | P&G | P&G | 5.39 |
7 | シスコシステムズ | コカコーラ | 4.43 |
8 | コカコーラ | アルトリアグループ | 4.32 |
9 | メルク | シスコシステムズ | 4.18 |
10 | ペプシコ | ペプシコ | 3.8 |
11 | アルトリアグループ | メルク | 3.76 |
12 | 3M | 3M | 2.35 |
13 | マクドナルド | ブロードコム | 2.24 |
14 | シュルンベルジェ | ブリストル・マイヤーズ スクイブ | 1.99 |
15 | ブリストル・マイヤーズ スクイブ | デューク・エナジー | 1.94 |
16 | デューク・エナジー | シュルンベルジェ | 1.93 |
17 | ユナイテッド・パーセル・サービス | ユナイテッド・パーセル・サービス | 1.89 |
18 | イーライリリー | ドミニオン・エナジー | 1.61 |
19 | ドミニオン・エナジー | ロッキード・マーティン | 1.53 |
20 | ウィリアムズ | ウィリアムズ | 1.19 |
合計 | 78.69 |
トップ10はあまり入れ替えはありません。
太字は入れ替え銘柄です。
以下はOUTとINのデータです。
【OUT】
順位 | 銘柄 | ティッカー | 配当率 | セクター |
13 | マクドナルド | MCD | 2.64% | 一般消費財 |
18 | イーライリリー | LLY | 1.99% | ヘルスケア |
【IN】
順位 | 銘柄 | ティッカー | 配当率 | セクター |
13 | ブロードコム | AVGO | 4.23% | テクノロジー |
18 | ロッキード・マーティン | LMT | 3.39% | 資本財 |
OUTした銘柄も全然悪くありませんが配当率が低く、INした銘柄の配当率は1.5倍ほどあります。
やはり、高配当が売りのHDVなので、配当率の高さが入れ替えのポイントになったかもしれませんね。
ブロードコムは、前回はランク外で一応組み入れられていましたが、今回初めてランクイン。
ロッキード・マーティンは2014年、2015年以来の復活銘柄です。
このように、HDVでは同じ銘柄の出入りが多く、トップ20に初ランクインする銘柄は多くありません。
下図は現在のセクター比率です。
エネルギー
生活必需品
ヘルスケア
の3セクターで60.16%を占めています。
あれ?ヘルスケアの比率減ってないか?
次は前回と比較して見ましょう。
2018年9月 | 2018年12月 | ||
セクター | 比率 | セクター | 比率 |
エネルギー | 21.68 | エネルギー | 21.23 |
生活必需品 | 21.17 | 生活必需品 | 20.68 |
ヘルスケア | 21.04 | ヘルスケア | 18.25 |
公益事業 | 7.94 | 資本財 | 9.54 |
コミュニケーション・サービス | 7.67 | 公益事業 | 8.82 |
資本財 | 6.73 | コミュニケーション・サービス | 7.57 |
テクノロジー | 5.48 | テクノロジー | 7.32 |
一般消費財 | 4.76 | 金融 | 2.93 |
金融 | 2.28 | 一般消費財 | 2.47 |
素材 | 0.87 | 素材 | 0.84 |
不動産 | 0 | 不動産 | 0 |
エネルギー
生活必需品
ヘルスケア
のHDV3大セクターは変わりませんが、比率が結構変わっています。
やっぱりヘルスケア減っている。う~ん、そうか・・・少し不安だな。
アスベスト問題のJ&Jが下がったのかな。
ジョンソン&ジョンソン
前回 6.78%
今回 6.52%
ほとんど変わらんな。
どうせならエネルギーが減ってくれてもいいんだが。原油安だから。
【HDV3大セクター比率】
2018年9月 : 63.89%
2018年12月 : 60.16%
3.73%下がっています。
他には、
テクノロジー : 5.48⇒7.32%
一般消費財 : 4.76⇒2.47%
このあたりも地味に気になるところか。
原油安でエネルギーセクターは激落ちしているのに、エクソンモービル、シェブロンあたりは不動なんだよな~。
『こういうところがETFのデメリットなんだ』
と言う人もいるでしょうが、私は大きなデメリットでなければ許容の範疇と考えています。
それに、エネルギーの落ち込みを資本財とテクノロジーでカバーすると考えれば、バランスは取れています。
『いやいや、だからベターはVYMなんだ』
って言う人もいるかもしれませんが、私にとってVYMは、上昇率でS&P500に負け、配当率でHDVに負ける「中途半端」とも言える存在なんです。
このあたりの考えは堂々巡りになって結局は、
「VOO(IVV)とHDVの2本柱がベスト」
と思うのですが、なぜか買う順番は、
HDV
PFF
VYM
VOO
になっちゃうの(笑)
やっぱり配当命なんだよな~。
配当に関することもそのうち記事にしたいですね。
私が、配当金の再投資が良いとされる投資信託にあまり金を掛けず、あえてETFに拘る理由もまさに配当にあるのです。