4月からの新生活に向けて、賃貸物件を探している人は増えているのではないでしょうか。
早い人で12月から、遅い人で3月から探す人もいますが、できれば2月くらいまでに契約を決めたいところです。
理由は2つ。
デメリットは、早く賃貸の本契約を結ぶと、前家賃が早く発生してしまうところです。
このあたりのさじ加減は性格によっても変わると思うので、あらかじめシミュレーションするのをおすすめします。
さて、誰もが願うのは「いい物件を安く借りる」こと。
『別に新生活じゃないけど、更新時期だから引っ越そうかな』
なんて言う人もいますよね。
ではここで、「引越し歴10回オーバー」ア~ンド、「マンション・アパートの仕事に長年携わった経験」がある「ぱたる先生」より物件選びのポイントをアドバイスしていきます!
・・・
と、言ってはみたものの、賃貸物件に関わる範囲は広すぎる・・・
例えば、選定要素は、
・・・
など。
上記に加えて、
などの要素が絡んでいくと、語りつくすのは難しい・・・
そこで、今回はタイトルにもあるように、「マンションの角部屋はおすすめしないよ」っていう話にフォーカスしたいと思います。
話を引っぱりましたが、マンションの角部屋はおすすめしない理由は以下の4つです。
① 冷暖房の効率が悪い
② 結露が起きる
③ 家賃が相対的に高い
④ 外の音がうるさい
『わかるわ~』
と思ったあなた、賃貸生活のベテランですね?
さて、順番に説明しましょう。
当ブログはお金にまつわる話を紹介していますが、「冷暖房の効率が悪い」というのはお金に直結しますね。
想像してみてください。
角側(外壁側)は外気にさらされています。
部屋の向きにもよるでしょうが、夏は外壁側からガンガンに熱を吸収します。
・・・
冬もぎゃんぎゃんに冷気が伝わります。
そりゃ、エアコンの効きが悪くなるのも当然です。
さらに、居室の外壁側には窓があるはずです。その窓がやっかいなポイントなんです。
西側だったら夏の西日は強烈です。
東京で、角部屋じゃない部屋は夏の17時ごろでも室温30℃くらいになりますが、西日が当たる角部屋だと35℃くらいになったことがあります。(昼間はもっと暑い)
ペットを飼っている場合も危険温度です。
冬場もその窓から冷気が流れるんです。目に見えそうなくらい冷気って窓からくるんですよね。
窓の下のほうに手をかざすと分かります。普通の壁面と全然違うのが。
気になるエアコンの電気代ですが、正直言って機種によって上下します。
ただ、私の経験則だと、角部屋は夏冬いずれもプラス1,000~2,000円くらいでした。
耐熱シートとか、いろいろ便利グッズが売ってますので、対策はある程度できますが限界があります。(対策しても上記の金額がプラスされる)
2番目は「結露が起きる」
これは冬場限定の現象で、前述した「外壁側に窓がある」ことも大きく影響しますが、なんと「窓がなくても」影響するんです。
まず、必須の対策は24時間換気。
浴室かキッチンの換気扇を回しっぱなしにすることです。
しかし、それでも結露がひどく、壁紙や壁近くに置いてある家具がカビる物件も多いんです。
これね、ひどい部屋はほんと悲惨です。
なんか汚らしい感じで、入居者は清潔好きでも来客者には印象悪いはず。
窓には結露防止シートとか、耐熱シートを貼ると多少軽減もできますが、窓がない箇所は何も出来ないんです。
管理会社に相談しても解決できないことも多いです。
例えば、
玄関
扉付きの洗濯機置き場
洗面所
トイレ
このあたりは換気してもダメなら、もうあきらめるしかありません。最終手段は引越しのみです。(室内に給湯器があればさらに結露はひどい)
24時間換気で改善することも多いですが、今度はその換気扇代を気にする人もいるかも。
(エアコン代と比べたら換気扇代は大したことないけど)
3番目は「家賃が相対的に高い」
隣の部屋より500~1,000円家賃が高いことがあります。
これは絶対ではないですが、高い場合はあえてデメリットが多い角部屋を選ぶのは考え物です。
最後は「外の音がうるさい」
単純に外に接している面が多ければ、外の音は聞こえやすくなります。
さらに、窓は大きければ音は漏れやすい。
ただ、周りの環境に大きく左右されるので、全く気にならない物件もありますね。
内見したときは、外の気配に耳を傾けてチェックしてください。
改めて、以下が角部屋マンションのデメリットです。
① 冷暖房の効率が悪い
② 結露が起きる
③ 家賃が相対的に高い
④ 外の音がうるさい
多くに共通するポイントとして、「窓があるせい」が挙げられます。
窓があるから冷暖房の効きが悪い。
窓があるから結露が起きる。
窓があるから外の音がうるさい。
など。
あと、地味に「カーテン代がかかる」のもデメリット。
私の個人的な経験だと、「① 冷暖房の効率が悪い」が最もデメリットだと感じています。
あなたは1人で飲食店に行った時、カウンターの席は端を選びますか?
『うん』と言ったあなたはカドズキストであり、カドベヤストの可能性があります。
いや、カドベヤン、カドベリャー、かど・・・コホン、失礼しました。
・・・
角部屋って魅力的ですよね?
私は初めて1人暮らしした時も、2回目の時も角部屋を選んだもん。
なんか落ち着くんだよな~、角って。
うんうん、角部屋にこだわる気持ちは分かります。
しかし、私は経験値を上げることによって、角部屋のメリットよりもデメリットのほうがはるかに多いことを学んだんです。
逆に、角部屋のメリットを挙げてみましょう。
特に、女性で物件選びのポイントに多く挙げるのが「日当たりの良さ」
たしかに、春とか秋に内見すると角部屋って気持ちいいんですよね。
『うわ~ステキ!』となるのです。
しかし、夏冬と実際に住んでみると印象は変わるものです。
「落ち着く」と「角側には隣の部屋がないので、そこからの生活音はない」は近い事柄でしょう。
この2つに関しては、「アパートタイプ」の建物だと特に関係があるんです。
実は、アパートとマンションは呼び方が違いますが、明確な定義はありません。
不動産会社、管理会社によっても微妙に違いますし、もしかしたら地方によっても違うかもしれません。
ただ、東京で一般的なのは、以下の構造で分けられています。
【アパート】
木造
軽量鉄骨造(S造)
【マンション】
重量鉄骨造(S造)
鉄筋コンクリート造(RC造)
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)
上の5種類の構造は下にいくほど丈夫で「遮音性が高くなります」(遮音性=音が漏れづらい。一般論なので絶対ではありません)
それと「S造」という単語が2つ出てきましたね。S造はアパートにもマンションにもあります。
Sはスチール(STEEL=鉄)の意味ですが簡単に言うと、軽量鉄骨のほうのS造は「音が漏れやすいけど、木造よりマシ」
重量鉄骨のほうのS造は、全体の真ん中くらいの遮音性と考えてください。
一応マンションのグループに入ってはいますが、本当に中間の存在です。生活音を気にする人は、コンクリートで遮音してくれる※RC造かSRC造を選びましょう。
(※RC造=Reinforced Concrete(補強されたコンクリート)での工法)
「入居してから隣(上)の階の生活音が気になる」ということはよくあります。
できれば部屋を内見した時に、遮音性の良し悪しを判断したいですよね?
本当は建物の工法や材質の種類を確認できればいいのですが、そこまでは期待できません。
あくまで参考程度にはなりますが、以下「壁編」と「床編」の見極め方を紹介します。
【壁編】
ノック : まず壁をノックします。中身が詰まっているような、鈍い音なら悪くない。
掌底打ち(弱く) : ノックで音が響いたらそこは「石膏ボード」です。コンクリートではないので軽く掌底(手のひらの付け根)で叩きます。音が大きく反響するなら遮音性は低い。
掌底打ち(強く) : ノックで鈍い音がするなら少し強めに掌底打ちをしてみましょう。(石膏ボードになっていたら穴が開くので注意!)ここでも反響具合を確かめます。
耳を壁につける : これが良いと言う人もいますが、どうなんだろう(笑)
隣の人が留守だったら意味ないですね。
(※RC造かSRC造で、壁が石膏ボードになっている場合は、GL工法(二重壁にする)という工法を採用していることがありますが、一般的に遮音性は低くありません。しかし共振作用があるため、コンクリートに石膏ボードを貼る直貼りのほうがやや良いと言われています)
【床編】
CF : CFとはクッションフロアのこと。フローリングの柄が多いですが、材質は厚手のビニールです。安価ですがクッション性があるので下に音が響きづらい特徴があります。特にフカフカしていたら2枚重ねの可能性があるので、遮音性は高まります。
ちなみに、ビニールなので家具跡が残りますが、通常使用による損耗なので、退去時に入居者過失を迫られても強気で反論しましょう。
フローリング(直貼り) : コンクリートの上にクッション材を敷き、そこに板を敷く工法。縦のサイズは90センチ。かなりフカフカしている場合は遮音材が入っています。その場合は床材の中でも遮音性が高い物件です。
フローリング(根太組み) : フローリング(板)を敷く前に、木枠を組んで下地にし、そこにフローリングを貼る工法。縦1枚のサイズは180センチ(サイズで直貼りか根太組みが判断できる)
木造や鉄骨造(S造)の物件だと音が響くかも。
カーペット : これは色々な種類があるので何とも言えません。フローリング(直貼り)と同じか、少しいいと思ってください。(ペラペラなのは良くない)
畳 : あ、これが一番遮音性高いな。忘れてた(笑)
遮音性の高い順番は、
かな(あくまで一般論で、物件の構造や防音材の有無などで変わります)
今回の主旨は「マンションの」角部屋はおすすめしない4つの理由です。
勘のいい人は気付いたかもしれませんが、アパートタイプに住むなら、音が漏れても我慢しやすい角部屋も悪くないんです。
アパートで中間階の角部屋なら、
上
横(片側)
下
の3方向の隣人が静かならラッキー。
それが角部屋でないと、
上
左
右
下
の4方向の人の生活音と向き合うことになります。
仮に、隣(上下)の人の生活音が大きめの確率が12.5%だとします。
うるさい確率は、
角部屋 : 37.5%(12.5×3)
中部屋 : 50.0%(12.5×4)
このようなイメージでしょうか。
・・・
あれ?びみょうだ。どっちでもいいや(笑)
私ならちょっと駅から離れても、鉄筋コンクリート(RC造)を選ぶな。
昔、ボロアパートに住んでいた人が、「よく上の人のオナラが聞こえるんだよね」と言っていました(笑)
さすがに、最近の木造もマシにはなってきましたが、木造は木に虫が住み着きやすいですし、特に古いアパートに住むには覚悟が必要です。(私が神経質なだけ?)
今回の記事は、お金の節約に関することだけでなく、心の平穏に関わる部分も紹介しました。
衣食住と言いますが、住居は服を着替えるように簡単に変えることはできません。
自分が大切にしているポイントを見定め、そうでない部分は切り捨てるのが良い物件を速やかに決めるコツです。
・・・
普段は投資関連の記事が多いですが、マンションに関することもちょいちょい書こうかな。
例えば「入退去時の心得」なんて興味あるかな?
次回は未定ですが、ぱたる先生のマンション講座、略してぱたマンがまた登場するかも。
ん?
なんかア○マンみたいだから、このネーミングはやめておこうww