前回記事で、
「投資で成功するためには、正しい知識と正しい失敗、自分を知ることなど、多くのスキルを身につける必要があります」
と書きましたが、今回はそれを受けた続きを。
期せずして前々回の記事から計3回連続の続き物になり、それぞれ単体でも完結していますが、よかったら過去記事もご覧ください。
前々回
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前回
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上記、「正しい知識と正しい失敗、自分を知る」をそれぞれ掘り下げれば量が膨大になります。
前々回の記事で「積立をやめている現状」があって思ったのが、「みんなそんな簡単に積立やめていいのかい?」ということです。
そこで、今回は上記の「正しい知識」の中から一部、「積立投資のやり方」について書いていきます。
『積立投資のやり方だって? そんなの言われなくても分かってるよ』
と思う方もいるでしょう。
もちろん証券会社でのWEB設定の話ではありません。また、銘柄のことでも金額のことでもありません。
そのあたりは各自で考えてください。
今回、「積立投資のやり方」としてポイントに上げるのは以下の2つ。
1 ドルコスト平均法の正体
2 積立の真価
順番に説明します。
1つ目は「ドルコスト平均法の正体」から。
よく、「時間分散をすべし」と言われることがあります。これは合っているとも間違っているとも言えます。
仮に資金1千万円持っていて、一括投資するのと、毎月10万円ずつ100ヶ月ドルコスト平均法=積立する場合のリターンの「期待値は同じ」です。つまり、時間分散がいいとも悪いとも言えないわけです。
むしろ、S&P500指数やNASDAQ指数のファンドに注力している方なら、「歴史を見ても、このファンドは右肩上がりになりそうだ!」と思っている方が多いのではないでしょうか。
その場合は一括投資がかなり有利になり、積立はリターンで負けます。
その上で言いますが、ドルコスト平均法=積立はベターな買い付け方法です。
じゃあ、なんで積立はベターなのか?
それは、一括投資後に急落した場合に精神的ショックが大きいこと。しかも、私を含めて多くの人が「でかい買い付けしたとたんに下がるのはなぜだ!?」という経験をしているためです。
実際はスピリチュアルでもオカルトでもなく、負の経験が強く印象付けられているだけと思いますが、現実にそれは起こるんです。
投資において、精神の安定を損なうのは最も危険な状態であり、自分は正しいと思いながら誤った判断をしやすくなる状態なんです。
『ふーん、そう・・・ そう聞くと一括投資は不安があるけど、別に積立もベストな買い方じゃないんだね・・・ 場合によって一括投資に大きく負けるのか・・・』
と思うかもしれませんね。
「ベストじゃなくマシな方法を選ぶ」ことは勇気や根気がいることであり、特に暴落時に自分の投資スタンスを試されることになります。
「ドルコスト平均法の正体」の続きです。
『時間分散をすべしって聞いたけど、とりわけ良いわけでもないようだし、なんかドルコスト平均法ってビミョーだね』
と思うかもしれませんが、それでもやはりベターな投資と言えます。
それは、順調に上昇するときに買いそびれ(機会損失)を防いでくれるんです。
『いやいや、オレは正しくタイミングを見計らって買い付けできるさ』
と思っている人で、実践できている人は果たして何割いるのか。きっと少数派だと思います。
なぜなら、技術と自分を律する精神とが高いレベルにある必要があり、自分もその1人になれると思うのはいささか傲慢では?
だから、積立のいいところも悪いところも知った上で受け入れることが、ぶれない長期投資を成功させる鍵なんです。
特にこれは、2つ目のポイントとセットで知ってることによって、『ほー、なるほど。積立ってベストに近いベターじゃん』と思うかもしれません。
では次にいきましょう。
最後2つ目のポイントは「積立の真価」について。
先ほどの、一括投資が魅力的に見える方もいるでしょう。『なるほど、分かった。でも自分はタフだから一括投資をするよ』と。
実際、過去のチャートを見たら「一括投資しておけば良かった~」と思うこともあります。
しかし、私がドルコスト平均法=積立がベターだと思うのは、精神的ショックや機会損失の回避だけが理由ではありません。
なぜなら、現実のチャートはきれいな右肩上がりになることのほうが少なく、上下に動いていくものです。
そして、景気後退が長引いたり、暴落がきたりした場合でも積立を続けた場合、なんと一括投資をはるかに凌ぐ高リターンを叩き出すのが積立投資なんです。
例を上げましょう。
下図に、とあるファンド①、②、③に投資した20年チャートがあります。(3商品いずれも、基準価額100円から開始)
「毎月1万円の積立投資」をした場合で、最もトータルリターンが高いチャートは①、②、③の何番か分かりますか?
答えは「3番」です。
3番は始め大きく下落し、その後上がるも価格は65円と、結局元の基準額100円に戻りませんでした。それにもかかわらず、リターンが高いのは1番じゃなくて3番なんです。
上記のシミュレーションの積立額の合計は、20年間でいずれも「240万円」です。
3商品のトータルリターンの高い順は、
③ ⇒ +51.9%(364.6万円)
① ⇒ +21.6%(292.0万円)
② ⇒ -20.1%(191.6万円)
①の右肩上がりと比べて倍以上の高リターンを上げています。
これは過去記事でも書いています。
ー 右肩上がりのチャートはトータルリターンが高いとは限らない ー って聞いたら『そんなわけあるかよ』って思いますよね?個別株であれ、投資信託であれ、もし「早い時期に一括投資」できた場合は右肩上がりが最強です。 でも普通の個人投資家なら、大抵はドルコスト平均法(積立)だったり、押し目買いだったりして、数年から10年くらいのスパンで徐々に買っていくスタイルが一般的はでないでしょうか。 特にドルコスト平均法で買う場合、最もリターンが高いのはガッツリと下落したときも買い続けていた場合なんです... 右肩上がりのチャートはトータルリターンが高いとは限らない - 2024年にFIREするぱたるの米国株ブログ |
3番がいい理由は、「価格が下がった時は、同じ1万円でも多くの口数が買えるから」なんです。
そしてもう1つ大切なポイントは、「最後に価格が上がっていること」
①は「理想的な展開」と思いがちですが、③よりは高く買ってしまっているので、そこそこのリターンになるわけです。
これが2つ目のポイント、「積立の真価」なんです。
2つ目のポイント「積立の真価」には続きがあります。
それは、積立をやめたり、金額を下げたりしたらリターンは激減するということ。
あくまで、下落中でも同じか、より高い金額で積立をするからこそ、安い額で多くの口数が買えて、それが株価上昇時に爆発するわけです。
もしその銘柄が将来上がっていくならば、積立をやめたり額を下げたりするのは非常にもったいない。
これは、今回の「正しい積立投資のやり方」の中でも非常に重要なポイントです。
投資するファンドが最良の道を歩むのは、先ほどの図で言えば③です。
つまり、自分のファンドが③のように辿ることを理想としてイメージするんです。
それを、①が最良と勘違いし、過去や現在のチャートを見て、③のような銘柄を『ク○銘柄』と酷評することがままあります。
これは、積立の特性、真価を知らないからで、間違った知識が勘違いを生むんです。
また、※騰落率を調べるツールで出た値も上記の特性を反映させられないので、この間違った知識をそのままにしてしまう要因にもなっています。(※騰落率=過去のA地点からB地点までの上昇や下落の率)
ただし、1点注意があります。
それは、基準価額(株価)が上がらなければ爆益もないということ。
③はスタート地点の基準価額にすら達しなくても爆益を得られました。とはいえ、底値から上昇しています。
この上昇がなく、下落し続けたり、平坦が続くなら、さすがに爆益はありません。
長々と語ってきましたが、言いたいことは、「日本株だろうと、米国株だろうと何でもいいんですが、みんなそんな簡単に積立やめていいのかい?」ということです。
前述した正しい知識があり、かつ自分が当初思っていた成功のビジョンと全く違う状況になり、自分の頭で判断して積立をやめるのは問題ありません。
しかし、「正しい積立投資のやり方と考え方」を知らずにやめたり、金額を下げたりすることは、自分を助けるどころか自分の首を絞めることになるんです。
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