世間一般のイメージはそうでしょう。他にも投資信託や不動産投資などもありますが、やっぱり投資と言ったら株、株と言ったら個別株。
それは「ETF」が知られてないから、株=個別株になっているのかもしれません。
「個別株とETFはどっちがいいか?」の主張は、本やネット記事でよく見ます。
大きく派閥を分けると、
の3タイプに分けられるでしょう。
結論からいうと、私はETF派です。現在、個別株は持っておらず、ポートフォリオに占めるETFの割合は約9割。
なぜ私は個別株を買わないのか? なぜETFを買うのか?
その前に、ETFを簡単に解説。ETFとは、Exchange Traded Fund(エクスチェンジ・トレード・ファンド)の略です。
簡単に言うと、株のように指値や成行注文で買える投資信託で、別名「上場投資信託」と呼ばれることもあります。
例えば、アップルとか、グーグルとかの株が、100社とか1000社とか集まって「一つのセット商品」になったものがETFと考えてください。
米国ETFとは、「ニューヨーク証券取引所」や「ナスダック」などに上場しているETFです。
近年、ETFの認知度が上がって、ETF全体の市場は大きくなっているようです。
現在、私が持っているETFは、「HDV」や「PFF」などの5銘柄で、内訳は全て「米国株」です。ですので、今回お伝えするETFや個別株のメリット、デメリットは基本的に米国株をイメージして書いています。
しかし、米国独自の理由を含んだメリット、デメリットは基本的に書いていないつもりなので、日本株のETFなど、他の地域、債券など他のアセットでも共通する事由かと思います。
ETFのメリットは以下です。
順番に説明します。
ETFが最も素晴らしい理由、メリットは「1と2」だと思っていますが、1は強調されることが少ない気がするのでまず1からお伝えしましょう。
ETFの真骨頂とも言えるメリット、「成績の悪い株は良さそうな株と入れ替えられる」を説明します。
意味はそのまま、「成績が落ちかけの企業の株は、優良株に適宜入れ替えられる!」ということです。
「ふ~ん。あ、そう」
と思った方、もし個別株投資をしていた場合で想像して下さい。
株の天才でもない限り、基本の投資スタンスは分散投資になるでしょう。人によるでしょうが、保有数は8~20銘柄くらいかな。
以下、個別株で構成された、チーム「コベッティ」を運営するオーナーの物語として読んでください。
仮に、個別株の銘柄数を10銘柄としましょう。チームスポーツで例えるなら10人の優秀(候補)選手です。金額は1人1万ドルと仮定。(1ドル100円なら100万円)
はじめのうちは10人をバイ&ホールドで考えています。例えるならドラフト前から注目し、ドラフトで獲得。順調に成長して5年後にはオールスター。10年後「レジェンド」になっていたらいいな、みたいな。
現実は違います。
オールスターは2人だけ。6人は悪くないがそこまでいいわけでもない。残り2人に至ってはマイナスの状態。怪我をしたのたか?モチベーションが下がったのか?
そんな選手は放り出したいが、価値が下がっているのでトレードできる選手も安い選手になってしまう。良さげな選手を取るには別途お金を積まないといけない。でも損するから売りたくない。
そんなこんなで2年経った。「故障者入り」していた2名はやっとプラスマイナスゼロまで漕ぎ着けた。そして売った。
やっと元の1万ドルが戻ってきた。しかしこの2年間でチームに全く貢献していないどころか足を引っぱっていた。
そしてオーナーはつぶやいた
「よーし。いい勉強になったな。今度は早めの損切りで対応していこう」
以上です。
「?」を感じるところがいくつかあります。
このように、投資方針がぶれたり、自分の都合のいいように解釈して運用したりすることは投資でよくあることなんです。
上記のような疑問は、「んなもんは、やる前から織り込み済みだよ」という人もいると思います。
実際に良く聞く例として、2~3割の優良銘柄がバツグンのパフォーマンスを上げていて、多少マイナス銘柄もあるけど、「トータル」で市場平均を超えていると。
結果としてトータルリターンが多ければそれで問題ないですが、個別株で落ち目の銘柄はいつか必ず出てきます。
個別株を売る際の流れは、
ダメそうな銘柄がある
↓
株価が徐々に下がっていく
↓
損切りして売却
↓
他の有望株を買う
という流れになります。
長期投資をしていく中で、買った当時自分が期待していた、「元有望選手」のクビをその都度切っていきます。
それって、どのくらいの頻度だろうか・・・?
損切りする頻度と数を、仮に2年に1回1銘柄としましょう。長期投資をしたらその後どうなるのか? 設定は以下。
株価が20%減で100万円から80万円に下がり、そこで損切りしたので20万円の損失です。
2年に一回20万円の損失がでるとして、10年で100万円、20年で200万円です。他の株でリターンは稼いでいるのでしょうが、損失も大きいと思いませんか?
「オレは違うね、だって損切り早いもん」
という人で、かつ、トータルリターンを上げ続けていれば全く問題ありません。
しかし、損切りが早い=バイ&ホールドを基本にしていない、という定義になるかと思うので、そういった人は、長期投資ではなく、短中期のキャピタルゲインを狙った投資手法になるかと思います。
「オレは塩漬けされても持ち続けるから関係ないよ。減るとはいえ配当金も入ってくるしね。そ、それに、米国株だから大丈夫さ。きっとまた上がるよ、そうきっと・・・」
こういう人は意外に多いと思います。ただ、管理画面にいつも出てくる「マイナスの数字」を見続けることによって、今後の投資判断に狂いが出てくるリスクがあります。
「いや、オレはグロース株(成長株)メインのキャピタルゲイン投資だからそれでいいんだ」
という人の場合、そもそも成績が悪い銘柄が2年で1銘柄では済まないと思います。2~3銘柄塩漬けとか、もっとハイリスクハイリターン投資になる可能性があります。
少なくてもバリュー株(割安株)投資よりアップダウンが多いのは間違いありません。
さて、改めて最初に戻ります。
メリット1の「成績の悪い株は良さそうな株と入れ替えられる」を考えると、メリットがハッキリと見えてきたのではないでしょうか?
前述の「個別株を損切りする頻度と銘柄数は?」でお伝えしましたが、個別株は悪い株を切り捨てるコストに20年間で200万円かかるという説明でした。
はい、もうわかりますね?
ETFは、ダメ株を良さげ株と「無料」で入れ替えられるぅんです!!
大事なことなのでもう一回、
「無料」で入れ替えられるぅんーーです!!
「HDVとかガンガン銘柄入れ替えているけど、それっていいの? 仮に問題ないとして、実はひっそり投資家がコスト払わされてるんじゃないの?」
と、思う人がいるかもしれませんね。実は私もそう思っていました。
ただ、調べていくにしたがって、「どうやらなさそうだし、あっても投資家の実害はわからないな」と考えています。
投資家の実害がないと考えた理由は、運用会社はETFの組入銘柄=個別株の売買をしていないからなんです。
運用会社とは、
この3社で世界のETF市場の7割以上を占めています。
私ははじめ、ETF運用会社が株を売り買いしてETFの割合調整をしていると思っていて、
「何千もの銘柄捌いていくのも大変だし、販売しているETFの種類も何十種類もあるはずだから、人的コスト、システムコストっていくらかかってるんだろう? よく経費率0.04%でまわせるな~」
と、のんきに思っていました。
実際は「指定参加者」と呼ばれる業者が実際の株の売買を行っており、複数株式の集まり=株式バスケットを売ります。代わりに運用会社はETF証券を発行して、「指定参加者」は証券取引所に売ります。
以下、ETFの仕組み
ざっくりの説明なのですべて説明しきれていませんが、ポイントは、理論価格と市場価格が乖離しないように調整する過程で、金額に歪みが生じます。その歪みから生まれる「薄い利ざや」を得るのが「指定参加者の目的」なんです。
つまり、ブラックロックなどの運用会社には、銘柄入れ替えによる特別なコストはほとんどかかっていないはずなんです。(銘柄を入れ替える基準のための銘柄分析、市場分析など、人的およびシステムリソースのコストはかかると思います。)
ただ、これは銘柄入れ替えによる投資家のコスト負担を感じないからという根拠を元に、私が推測しているだけで、実際にそうだと裏づけ確認をしたわけではありませんので念のため。
いずれにしても、売買金額が大きくなることにより、「指定参加者」の利ざやの「額」は増えますし、運用会社の経費率も下げられます。
先ほど、チーム「コベッティ」を運営するオーナーの物語で、「故障者入りの選手(ダメ株)」を損切りしたと話しました。
ETFなら、タイミングを投資家側では決められませんが、適宜、「自動的に故障者リストの選手が消えていくんです」
なにか、魔法のような、錬金術のような、改めて考えるととってもお得なシステムがETFにはあるんです。
①で多くの文字数を使いましたが、ここから先のボリュームは少なめです(笑)
なぜなら、すでにいろいろなところでその他のメリットは語られているからです。
しかし、「1銘柄で分散投資ができる」に関しては前項の①と同じくらい重要であり、ETFがETFたらしめている所以です。
個別株が「勝とうとする投資」なら、ETFは「負けない投資」です。
ETFは数中から数千もの銘柄に分散されているので、1社くらいの株がお星様になってもファンド全体が潰れることはありません。
前述したように、お星様になる前に入れ替えられる銘柄も多いのでよりリスクが低いと言えるでしょう。
ひとくちにETFと言ってもいろいろ種類があります。例えば、
など。
セクターや指数はいろいろありますが、王道中の王道はやはり「S&P500」でしょう。NYダウも有名ですが、世界的にはS&P500が認知されているようです。
そんなS&P500を指数としたETFの代表はIVV、VOOです。過去の安定度、伸び率、配当金の割合など、総合的に見ると全ETFの基準としてみてもいいかもしれません。
名前のとおり500銘柄あるため、これを個別株で買おうと思ったらとてつもない労力と手数料がかかります。
IVV、VOOをETFの基準とて考えつつ、例えばS&P500より若干優れていると言われるVTIや、高配当ETFである、HDV、VYMなどでポートフォリオを組むのもオススメです。
個別株の天才がいたらリターンで負けるかもしれませんが、上記でバランスよくポートフォリオを組めば、個別株に負けないどころか勝つ可能性すらあると思います。
理由は、メリット①でも説明した、「個別株には必ずトータルリターンの足を引っぱる株が入っているから」です。
これも重要です。
S&P500を仮に頑張って500銘柄揃えたとしましょう。そこから指数に合わせて銘柄を入れ替えたり、組み入れ比率を考えて売買したりなんて個人には無理です。
普段の価格やチャートはヤフーファイナンスやマネーフォワードを見れば一目瞭然。仮に20個ETFを買っていてもそこまで管理の手間は多くないでしょう。
これも楽です。
私は、S&P500の500銘柄はもちろん、一押しのHDVの75銘柄ですらろくに精査していません(笑)
組入銘柄の上位10位くらいは見ますが、だからといって、
「クソっ! なんでこの銘柄が2位なんだ! 実力は1位のはず! 割合も低い! 1.5%じゃなくて1.8%はあってもいいだろうが!」
なんてことは微塵も考えません(笑)
まあ、きっと分析しちゃったら考えちゃうんでしょうが、あまり意味もないと思っているのでやりません。
ただ、そのETFが目指そうしている方向性やコンセプトなどはしっかり理解しようしますし、過去データと類似銘柄のデータも参考にします。その上で、「数十万ドル投資できるか?」を基準にして買うようにしています。
これも楽です。(さっきからこればっかり)
基本はバイ&ホールドのつもりで買うので、「損切り」とか「キャピタルゲイン」とかはあまり考えません。これが個別株であれば全く違う感覚です。普段見るニュースの受信感度も上がるでしょう。
例えば、
あまり聞かない地域で内紛があったとか、
原油が最安値を更新したとか、
どこかで大規模な自然災害があったとか、
こんなとき、VTIがメインだったら「オレの投資には関係ないな」とばかりに積極的にチャートは見ないかもしれません。
しかし、これが個別株であれば、敏感に反応してチャートや投資ニュースを見てしまうかもしれませんね。
つまり、完全ではないにせよ、だいぶ「ほったらかしにできる」のもETFのメリットです。
最後もやっぱり「楽」がキーワードです。
リバランスは、個別株と比べると圧倒期に楽でしょう。ETFを複数もっている中のリバランスならそこまで手間ではないでしょう。特に、私のように全ETFが米国株の場合、リバランスは適当です。
個別株のデメリットは、基本的にETFのメリットの「裏返し」になります。後は、ニュアンスの違いなどをお伝えします。
例えば、1銘柄、100万円で、10銘柄、1000万円分の個別株があるとします。
ここで2銘柄がマイナス20%で損切りしたとします。合計、40万円の損失です。悲しいです。
しかし、投資はあまり「お金=現金=使える生々しいお金」という風に考えると視界が曇ってしまいます。
40万円の損失は「ただの数字」として見たほうが前に進んでいけるのです。
ただ、これが1000万円とか2000万円の20%だと気持ちのざわつき方が変わります。2000万円の20%は400万円。
400万円損失するかもしれない恐怖の中で、日々のニュースウォッチはより過敏になる可能性があります。そして、額が高くなってくると今までできていた正しい判断ができなくなることがあるのです。
私がFXで大金をゲットできないと悟ったのが正にこれで、100万円なら勝てるのに、500万円勝とうとすると、とたんに勝率は落ちるわ、トレードルールは守らないわで、歯車が正しく回っていかないことを感じました。
「額」により投資の難易度は変わると思っています。というか、自分の器を試されるというか・・・
額が大きくなってからETFと個別株の「折衷派」にチェンジするのはあり。
仮に、個別株を20銘柄ほど管理しているとして、それだけでも大変ですが、入れ替え候補の株が安くなっていないかチェックする必要があるでしょう。
仮に候補を10銘柄くらいチェックすると、合計30銘柄のチェックになります。まあまあの手間がかかりますね。
先ほどのETFのメリットで「ほったらかしできる」とありましたが、個別株では悪いニュースで株が急落したときに、パニック売りしてしまうことがあります。
結果、株価がすぐ戻ると、「ちっ 売らなきゃ良かったな・・・ 今度はホールドしよう」
そして、別の下落のときには売らないでおくと、なぜかそのときは数年塩漬けになってしまう、なんていうことはよくあります。
そんなことがあると、今後どうしていいかわからなくなり、投資スタンスがぶれてしまうリスクがあるんです。
ETFは完璧じゃありません。当然、デメリットもあります。以下一覧。
ETF専門投資の最もデメリットはこれだと思っています。
ETFだけでも長期で運用すれば、投資力は身につきます。仮に及第点じゃなくても徐々に力はついていきます。
しかし、個別株投資と比べると、身につくスピードと量、質がETF専門投資より優れていると推測しています。
なぜ、推測かと言うと、私は10年ほど前に日本の個別株を2年ほどやっていましたが、それ以後は全くやっていないため、よくわからないからです。
株価が適正か否か?などの目利き力はETFより個別株のほうが高まると考えています。
ETFは商品により、0.03%から0.6%くらいコストがかかります。過去のトータルリターンとの兼ね合いで「適切」と思われるETFを選ぶ必要があります。
VTI、VOO、IVVあたりはコスト0.04%なので「鉄板」ですね。
ETFのメリット②「1銘柄で分散投資ができる」でも紹介しましたが、ETFの種類はたくさんあります。
中には林業だけ集めたETFもあるらしいですが、成績は悪いとか。
はじめのうちはS&P500から知見を広めていけば、いきなり特殊なETFを掴むこともないでしょう。
ん? ってことは、ダメ株が入れ替えられないETFもあるのかな? 聞いたことはないですが、もしあったら追記します。
配当率は高配当のPFFでも5.60%。個別株だったらもっと高配当の株はあります。7%とか9%(!)とか。
ただ、それらの株はハイリスクハイリターンと考えたほうがいいです。徐々に、徐々に下がっていって、気付いたら塩漬けしている「ゆでガエル(※)」状態の危険があります。
シーゲルの高配当株戦略がありますね。私もシーゲルの「赤本」は読みましたが、やはり個別株には「ゆでガエル」の危険があります。
同じ高配当でも、「HDV」なら「温まってきたカエル」は無料で廃棄、入れ替えされるのでリスクが下がります。
あれ? デメリットの項目なのに逆になっちゃった(笑)
※ゆでガエルとは?
『2匹のカエルを用意し、一方は熱湯に入れ、もう一方は緩やかに昇温する冷水に入れる。すると、前者は直ちに飛び跳ね脱出・生存するのに対し、後者は水温の上昇を知覚できずに死亡する』
Wikipediaより
「オレはアップルの株主になったどー!」のような高揚感がないのが物足りないという人がいました。
ETFだと「間接的」に株主になっている感がデメリットと感じる人がいるかもしれません。
ETFデメリットの最後はこれ。
そう、ETF投資はすーんごい退屈なんです。バイ&ホールドが基本なので、買ったらとりあえず終わり。投資信託も同じですね。やはり、分散している安心感があるので、反面ドキドキ感は薄れます。
この、「退屈という名の悪魔」にやられて個別株を始める人って意外に多い気がします。
ただ、私の場合、ドル安と株安を狙って押し目買いできるようにしているので、チャートは毎日見ています。
今はまだマシですが、11月の第1月曜日から冬時間が始まるので、NY証券取引所のオープンは22:30から23:30からと1時間も遅くなります。これのせいで寝不足になっちゃうんだよな~。
「ETFが優れているのはわかったけど、小額で個別株も試したい」という人は以下3つの方法がオススメです。
SBI証券などで、5万円ほど買います(1ドル110だと454ドル)
手数料が最低の5ドルかかるので1.1%と、通常の0.45%より高くつきますが、「小額で実際に売買してみる」ことでしかわからないことがあります。多少の手数料負けはOKでしょう。
ただ、短期売買なら往復の手数料が繰り返されるので収益が上がりません。
※追記 2019年7月22日より、ネット大手3社の最低手数料は0ドルになりました!
CFDなら5000円ほどの証拠金でアップルの個別株が買えます。
オススメ証券はGMOクリック証券。個別株の銘柄数は約90銘柄
レバレッジは最大で5倍。
「1000円からはじめられる」のキャッチコピーで今話題のサービスです。
私も口座開設は申し込んだのですが、まだ開設が完了していません。
多少手数料が高くても1000円で試せるならありですね。
上記、小額投資のやり方を説明しましたが、個別株投資は、インデックスの成績を超えるために行うもので、それを目指さないならはじめからやる意味はありません。
そこでキモになるのは「率」ではなく「額」です。
仮に、インデックス投資のトータルリターンが「5%」と仮定します。
個別株投資では「9%」を目指した場合、重要なのは率より額です。
例えば、100万円投資して、リターンが5%の105万円だとしても、9%の109万円だとしても大して変わりません。
たったの4万円しか変わらないのに、大きなリスクを取ったのは投資行動としてむしろマイナスかもしれません。
あくまで、500万円とか数千万円とか、差引リターン4%分の収益額がそれなりの高さを目指さないなら個別株をやる意味が薄れてしまいます。
私は今のところ個別株はやっていません。
理由は、ETFのメリットと、個別株のデメリットの差が大きいことがわかっていたからです。
今回、自分で頭を整理しながら記事を書いてみると、以前思っていたよりもさらに差が大きいことがわかりました。
つまり、ETFが最適解だと、強く再認識したわけです。しかし、
「じゃあ、ぱたるは今後も個別株はやらないんだね?」
と、言われると「え? や、やるかも・・・」
さんざんETFがいいと言っておきながら、ビックリするかもしれませんが、私は個別株をやる可能性はあります。理由は、
「リスクを負っても市場平均を上回りたいから」です。
おそらく、元来「ハイリスクハイリターンを好む気質」が私にはあるようで、小さい火傷を負いながら、大きいリターンを取っていきたいんだと思います。
しかし、ここでひとつ問題があります。
ぱたるを俯瞰しているもう一人のぱたる=「投資ぱたる」というヤツが頭の上にいて、 利回りやリスクなどの合理性だけを見て指示してくるんです。
そいつは感情を排して判断します。
以下、投資ぱたる(略してとうぱた)とのやりとり。
・・・ ・・・
ぱたる「おい、とうぱた、あのさ~ オレ、いつか個別株やろうかな~ なんて思っててさ~」
とうぱた「リスクに見合わないリターンだからやめろ以上」
「んなもん、やってみなきゃわかんねーじゃねーか」
「10年で100万円損が出るのを忘れたのか? その理論にお前も納得してただろう?」
「いや、損切りは早めに10%減でする。10銘柄あったら残りの9銘柄でトータルリターン10%を超えられたら、損失分をいれても8%のリターンが出せる」
「10%で損切りは売買差益を狙った短期投資になるはずじゃなかったのか? それでプロでも難しい短期売買でお前が成功できるとでも思っているのか?」
「いや違う。基本はあくまでバイ&ホールドだ。その勝ちパターンを見つけるためにはまず小額からトライする必要があるんだ」
「お前はFXで高額ポジションでは勝率が低かった。今度も同じだ。手法じゃない、メンタルの問題だ」
「そうとは限らないぜ。まず、為替と株じゃチャートの動きがまったく違うだろ?」
「・・・」
「為替はテクニカル8割、勘2割が重要だった。たぶん株は平時はファンダメンタルズに重きを置いて、ボラティリティが高くなったらテクニカルを混ぜていくことになるんだと思う」
「それで?」
「投資方針は全く決まってないよ。グロースとバリューの割合だとか、セクターの割合だとか、まあ、他にもいろいろありそうだが、調べながらトライアル&エラーをやっていくしかないと思ってるよ」
「個別株をやる以上、収益は率より額だ。最終的にいくらつっこむつもりだ?」
「え? 500万円? くらいかな・・」
「少ない。2千万、と言いたいところだが、最低1千万だ。目指すリターンは13%以上。そのくらい目指さないと含み損抱えた株の穴埋めはできんし、収益額も少ないからやる意味もない」
「・・・ ああ、そうだな」
「トライアル&エラーの軍資金を50万円やろう。それで結果を出せ」
「本当か? いいのか?」
「勿論。これで結果が出ればそれはそれで良し・・・。もし結果が出なければ、今回の失敗という刻印をお前の頭に刻み込んで、今後もお前をよりコントロールしやすくなるからな」
「・・・ お、おう ・・・ (怖っ!)」
※上記はフィクションであり、ぱたるはとうぱたが本当にいると思い込んでいませんので念のため。
さて、小話は置いといて本題の続き。
私は、現時点でETFがベターな投資先と思っているので、本格的に個別株を始める予定はありません。
ただ、小額からトライアル&エラーを行いたい考えもあり、それは前述した「平均を超える」ためのステップで必要だからです。
それと、70、80代のヨボヨボの爺さまになってから個別株を始めると、小さい火傷からのジャンプを高く飛べない気がしていて、頭がハッキリしているうちに始めたいという気持ちもあります。考えすぎかな?
私は、投資における自分自身のメンタルが強くないことが解っているので、メンタルではなく、システムによりエラーが出にくい仕組みを作りたいと思っています。
それにはETFという器はぴったりであり、投資信託より売買の手間はかかりますが、初心者から、投資数十年のベテランにも、ETFをオススメします。特に米国ETFサイコー!