GPIFが日本株で赤字だったのは「稲妻が輝く瞬間」に買わなかったせいか
GPIF年金積立金の運用益が2.3兆円
7月5日に報道されましたが、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の2018年度の年金積立金の運用実績は2兆3795億円の黒字でした。
ところが、内訳を見ると、
外国株式が3兆1411億円の黒字だったのに、
国内株式は2兆732億円の赤字でした。
これ、もしかすると、せっかく昨年末に大幅下落=「稲妻が輝いた」のに、買い増ししなかったかもしれないんです。
日経記事
以下、2018年の運用成績などについて、7月5日に報道された日経の記事です。知ってる方は読み飛ばしてください。
GPIF、18年度運用益2.3兆円 海外株回復が貢献
公的年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が5日発表した2018年度の運用実績は2兆3795億円の黒字と、3期連続で運用益を確保した。期間の損益率はプラス1.52%(前期はプラス6.90%)となった。18年10~12月期には四半期として最大の14兆円の運用損を計上したが、期末にかけて米連邦準備理事会(FRB)が利上げを打ち止めるとの観測などから海外株式相場が回復したことが貢献した。
GPIFは国民年金と厚生年金の積立金を国内外の株式や債券に分散投資している。運用資産額は19年3月末時点で159兆2154億円となり、18年3月末(156兆3832億円)に比べて増加した。このうち市場運用分は158兆3191億円で、アクティブ運用は22.00%を占めた。
資産構成別の収益の内訳(市場運用分)は外国株式が3兆1411億円、国内債券は5959億円、外国債券は6975億円のいずれも黒字だった。一方、国内株式は2兆732億円の赤字だった。
3月末時点の積立金全体の資産構成は、国内株が23.55%で、昨年12月末(23.72%)に比べて低下した。外国株は25.53%と12月末(24.29%)から上昇した。外国債券は16.95%(同17.41%)だった。国内債は26.30%(12月末は28.20%)となり、3月末としては2008年度以来最低を更新した。
外国株で+3.1兆円。
国内外の債券で+1.3兆円稼いだけど、国内株式が足を引っぱりました。
GPIFのアセットアロケーション
下図はGPIFのアセットアロケーションです。
国内株式に25%
外国株式に25%
と、共に25%ずつの割合ですね。
同じ比率なのに、外国株は+3.1兆円。国内株は-2.7兆円。その差は5.8兆円。
外国株の大半は米国株だと思いますが、2018年度の成績は日米でそんなに違いましたかね?
チャートを見てみよう。
日経平均とS&P500のチャート比較
では、日経平均とS&P500をチャートで比較してみましょう。(2018年4月から2019年3月まで)
青が日経平均。
赤がS&P500。
おや? ほとんど変わらないぞ。
そうだよな~、日経平均はほぼ米国株と連動していたイメージだもんな。
「稲妻が輝く瞬間」に買わなかったはず
このチャートから導き出される答えはひとつ。
12月をコアとした、10月から1月の計4ヶ月間で日本株をあまり買わなかったはず。
あくまで想像ですが、でないと5.8兆円も差が出る理由が分かりません。
こちらでも書いていますが、「深い谷=稲妻が輝く瞬間で積み立てる」ことが爆発的なリターンを生むんです。
これを見れば深い谷=稲妻がどれほど重要か分かると思います。
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