すご~~~い居心地がいい会社でも、社会保険がないなら超ブラックだ

ー あれ?この会社って保険無いの? ー

 

社長を含めて2名の零細企業で働くことになった斉藤久美さん(28歳女性)の物語

 

・・・

 

知り合いに紹介してもらい、半年前から小さなデザイン事務所で働くことになった。

給料は手取りで月18万円。

絵を描くことだけが取り得の、ブスで暗くて引きこもりがちだった私を雇ってくれた社長にはとっても感謝している。

 

若い頃はイケメンだったと思われるロマンスグレーの社長は、いつも私を褒めてくれる。

「クミちゃん、そのデザインいいね」

「クミちゃん、髪切った?いいじゃん、それ」

「クミちゃん、そのノートかわいい、センスいいね」

 

名前で呼んでくれるのも嬉しい。

今まで男の人に名前で呼ばれたのは、死んだお父さんと小学6年生の担任の先生だけだ。

社長に対して恋愛感情はないけど、やっぱり名前で呼ばれるとほっこりした気持ちになるのだ。

 

原稿の納期が近いと帰りは遅くなるけど、最近少しずつ仕事を任せてくれるのでやりがいを感じている。

まあ、残業代は出ないけど、小さな会社だからしょうがないのかな。

 

それと、お母さんが聞けってしつこいから「あれを」社長に聞いてみよう。

 

「あの・・・社長、ちょっと聞きたいんですけど・・・」

「なんだい、クミちゃん?」

「はい、あの、うちの会社って保険とかあるんでしょうか?」

「・・んあー・・・社会保険のことかな?」

「はい」

「今、社会労務士の先生や、税理士の先生に確認しているところなんだ」

「あ、そうなんですね!」

「うん、でもまだまだ売上や利益が少なくてね。もう少し時間がかかるって言われたんだよ」

「そうですか」

「クミちゃんは会社の保険に入りたい?」

「え?う~ん、母が気にしてるみたいで、それで・・・」

「そうか、親御さんは心配するよね」

「ええまあ」

「でもねクミちゃん、社会保険に入ると今より手取り減っちゃうよ」

「え?そうなんですか?」

「社会保険に入ると、給料から天引きされるは28,000円くらいだね」

「そんなに!」

「うん、クミちゃんの家は○○市だっけ?」

「はい」

「なら国民健康保険なら16,000円ちょっとじゃないかな」

「ええ、たしかそのくらいだったかと」

「国民年金も払ってるの?」

「え?実は私、少し前まで病気がちで、収入が無かったので払ってないんです(ホントは引きこもってただけだけど)」

「そうか、日本の年金は出るか出ないか分からない、なんて言われてるよね?」

「はい」

「そう、だから今の若い人は手取りが減る社会保険をあまり望んでない、なんて何かの本に書いてたな~」

「なるほどですね~、分かりました(そうだ、手取りが減ったら好きなバンドの追っかけ費用にも影響する・・・お母さんにはうまくごまかしておこう)」

 

・・・

 

(この物語は95%くらいフィクションです)

 

$$$

 

さて、社会保険未加入の会社は、昔より減っていると言われていますが、まだまだ日本中にあります。

 

物語の社長のトークのようにうまく丸め込まれる人がいるかもしれませんが、はっきり言ってクミちゃんにメリットはありません。

正確に言うと、クミちゃんは若くして死なない限りメリットはありません。

 

社会保険のほうが本人負担は少ない

クミちゃんが払っているのは国民健康保険。これは、市区町村によって金額はまちまちですが、国民健康保険料の支払いだけであれば、社会保険料を上回ることはありません。

 

しかし、国民健康保険に加入する場合は、「国民年金」も合わせて加入する必要があり、国民年金の保険料は月額16,340円(平成31年3月まで確定額)です。

つまり、クミちゃんは国保と年金両方に加入したら、社会保険料の天引き額より高くなってしまうんです。

 

社会保険とは保険や年金をまとめた呼び方

社会保険と言っても色々あります。

  1. 健康保険
  2. 年金保険
  3. 介護保険
  4. 雇用保険
  5. 労災保険

以上をまとめて社会保険と呼んでいます。

今回は特に、2番の「年金保険=厚生年金」にフォーカスして説明します。

 

クミちゃんが取るべき行動は国民年金に入ることじゃない

国民年金を払ってないクミちゃんは、このままでは老後に悲惨な目に合うでしょう。

 

普通に考えたら、今すぐ最低でも国民年金に入る必要があります。

ただ、それは普通に考えた場合です。

 

クミちゃんが取るべき行動は「今すぐ転職活動をすること」なんです。

 

クミちゃんは不器用でなかなか就職できないタイプなのかもしれません。

引きこもりがちだったところ、縁があって就職できた。

他人から見たら労働環境は悪いが、世間ずれしているクミちゃんはよく分かってないし、自分の「存在価値」を認めてくれる社長のおかげで、会社は居心地がいい場所と思っている。

 

これはブラック企業で働いているのに、その認識が薄いあるある例の1つです。

クミちゃんは、心理学者マズローが言う「承認欲求」を満たされているので、お母さんの助言は耳に入らないかもしれません。

 

一般的な例外として、社会保険がない会社で働いている人で、社会保険の加入について社長と穏やかかつ前向きに話すことができて、実現の期限も設けられた場合はすぐに辞めなくてもいいかもしれませんね。

 

ちなみに、パートであっても要件を満たせば社保に加入する資格はあります。

詳しくは下の、政府広報オンラインを参照ください。

 

クミちゃんに話を戻しますが、うるさく言うお母さんの助言に耳を傾け、冷静に考える必要があります。

まず、年金の未払いは論外。

仮にすぐ辞めることが出来なくても、とりあえず国民年金は絶対に払ったほうがいいです。

 

将来年金が出ないなんて都市伝説

『俺たちの世代では将来年金は出ない』という論調がありますね。

これは「ツチノコはいる」と同じくらいの都市伝説と思ってください。

 

ネットの掲示板などで議論されている「年金出ない派」には、出ないという根拠が薄く、あっても「少子化で年金を積み立てる人数よりもらう人数が増えるから」とか、「これ以上消費税は上げられないから」などといった無理のある論法を多く見かけます。

 

なので、今年金を払っていないクミちゃんは、将来生活保護を受けるレールに片足を乗せて生きている状態です。

 

厚生年金には2倍のパワーがある

次に国民年金と厚生年金の違いですが、簡単に言うと厚生年金は会社側が、本人が払っている金額と同等の金額を負担しているため、将来にもらえる金額も倍近く多いんです。

 

クミちゃんの年齢や年収を加味して、将来もらえる金額を月額にすると、

国民年金 : 6万円

厚生年金 : 12万円

このようなイメージです。

12万円だって暮らしていけるか不安な額なのに、6万円で暮らすには、農業などをやりながら半自給自足で生活しなきゃいけないくらいの金額です。

 

『今の職場は居心地がいいから、社会保険とかなくてもそれ以上のメリットがある』

なんて今思っていても後できっと後悔するでしょう。

 

情弱&就弱はもっともっとネットで検索しよう

クミちゃんは、厚生年金がいかにいい制度か分かっていませんし、さらに国民年金にも加入していません。

これは情報弱者と言えます。

 

また、物語では「ブスで暗くて引きこもりがちだった・・・」とクミちゃんを形容しているので、きっと就職弱者でもあるのでしょう。

ダブル弱者のクミちゃんが、ナイスミドルの社長から承認欲求を持ち上げられたら舞い上がってしまう気持ちは分かります。

 

でも、今はネットで「深く掘り下げて検索」すればある程度自分の間違いに気付ける時代です。

 

『それが出来ないから情弱なんだよ』

と言われればそれでオシマイですが、「自分は間違っているかも?」と仮定して検索していけば、世界は広がるはずです。

 

 

社会保険がない会社で働いている人は、

「いつかはうちの会社も社保に入ってくれるかな~」

なんて暢気に考えてないで今すぐ転職を考えよう!

 

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