『塩漬けは債券に使う言葉じゃない』
と、ツッコミが入るでしょうが、今世界中の債券利回りの低下=債券価格の上昇は危険水域です。
なぜ、メディアはこのことをあまり伝えないんだろう?
債券は安全資産だとでも思っているんだろうか?
債券は低リスク資産ではありません。
ちょっと前まで中リスク資産でしたが、2019年9月現在は中の上リスク資産に変わろうとしています。
それは、債券価格は今が天井の可能性があり、今後リスクオンの流れがきたときに債券を売って株式を買う場合、利回りが上昇して価格が下落していく債券は損が出るため売りづらくなるんです。
最近買った場合はすでに遅いですが、これから債券の購入を検討している場合はよく考えたほうがいいです。
今債券を買う潮目じゃないことはこちらでも伝えています。
米国債の利回り低下が止まらない米国債の利回りがゴンゴンと下がっています。 こちらは米国10年債のチャート。2016年以来の低利回りです。 こちらは米国2年債のチャート。こちらも低い。2017年以来の低利回りです。 私は、今数億円持ってなければ、ポートフォリオに債券は不要だと思っています。 世界中の資金が債券市場に集まっている今の世界経済はふわふわとした景気なので、良くも悪くもありません。なので、先日の関税ショックなど単発案件は別として、世界株安に陥っているわけではありません。(アメリカや... 今、1億円持ってないなら債券は要らない - 2024年にFIREするぱたるの米国株ブログ |
現在、世界中の10年国債の多くがマイナス金利です。
プラスなのはアメリカ。他にはイタリア、カナダくらい。
各国の国債は30年債とか50年債とか、期間の長い債券を買ってもらおうとしているようです。
こちらはアメリカ10年国債利回りの10年チャート。
過去最低の利回り水準です。
なぜ今債券価格は天井に近いのか?
単純な話です。
それは、狩る利回り(イールド・ハンティング)の魅力が無くなれば、いずれ限界が来るからです。
現在、世界中でお金はじゃぶじゃぶに余っています。
米中摩擦を中心とした株式不安があるので、しょうがなく債券にお金が流れているだけです。
投資家が高齢化してきているから、好不況にかかわらず債券人気が高まっているという報道も一部にあるようですが、いくらなんでも偏りすぎている。
債券以外ではREITやゴールドなどにも一部資金が入っているようですが、あくまでペーパーアセットの本流は株式と債券。その他コモディティなどは支流です。
債券ETFの中でも人気の「BND」や「AGG」の価格も上昇しています。
青:BND
赤:AGG
AGGは高値を更新中。BNDもほぼ最高値圏内です。
ここからまだまだ上がるでしょうか?
・・・
上がるかもしれませんが、天井はそう遠くないラインにあると思います。
『そもそもなんで債券を買うのか?』
人それぞれでしょうが、株式メインか、株式債券半々くらいのアセットアロケーションであれば、「ボラティリティを抑える」のが目的ではないでしょうか。
その考え自体は全く間違っていません。
しかし、冒頭に言ったように今の債券利回りの低下=債券価格の上昇は危険水域であり、今から債券をガッツリ用意するのは危険です。
それと、債券はインフレに弱いことも忘れがち。
『リセッションが来るから債券を持っておいたほうがいい』
という理由で持つ場合もあるようですが、いずれにしても買うなら昨年ごろがベターだった。
今からいそいそと抱え込むのはもう危険です。
そもそも、リセッション(景気後退)はいずれ必ず来ます。
言葉の通りいずれ来るものであり、来そうだからと債券を用意するなら、好景気に仕込んでおかないと効果は薄くなります。
まず大前提として、アメリカ以外の先進国経済はゆっくりと鈍化していくものです。人口動態や成熟企業の多さからいってそれは普通のことです。例えば日本とかドイツがそうです。
他には中国も景気は落ちていますが、オーストラリアやインドネシア、インドなどは絶好調と言っていいでしょう。もちろんアメリカもです。
米中摩擦などはたしかに不安要因ですが、いつか必ず来るけど、いつになるか分からないリセッションに備えて今債券を買うのは超悪手といっていいでしょう。
『だって逆イールドの発生や解消現象が景気後退を示してるじゃん』
という意見もありますが、過去に3回当たったとかアノマリーとも言えない内容です。
その内の1回はジャンク債の格付け不適合によるサブプライム問題に端を発しています。つまり、市場が『大丈夫大丈夫、余裕~♪』っていう空気が高まれば何かしらの反動は来ます。
要は「行き過ぎた好景気」のあとは不景気は来やすいわけです。(私がブログでしょっちゅう金利据え置きを主張しているのもそれが理由の一部)
それを逆イールドのタイミングと被せて論じてもナンセンスな話なんです。
「逆イールドによるリセッション論」とは例えるなら、「血液型占い」とか「動物占い」と同じレベルです。
あれって、ちょっと違う回答しても何割かは自分に当てはまるようにできてますよね? それと同じです。つまり当たるんだけど、別に逆イールドは関係ないってこと。
海外メディアだとどのくらいだろう? 半分くらいの人が「逆イールドによるリセッション論」を語っているかな?
もしそうなら多すぎです。
え?
間違っているのはお前のほうだって?
・・・
そうかもしれませんね。
ただ、今まで信頼性の高いアナリストっていましたか? 多分いません。それが1つの答えです。
メディアの情報は参考にしつつ、自分の頭で考えないとまた狸ツイッターなんかでオロオロすることになります。
『債券がダメなら何したらいいのさ?』って?
バフェットも言っています。野球と違って、投資家はバットを振らなくてもいいと。
つまり何もしなくていいんです。ただ、ドルや円を持っていればいいんです。そう遠くない時期に使うときが来るでしょう。
もう1つ。
これは私だけかもしれませんが、今のアメリカ経済は堅調な割に、米中摩擦のおかげで米国株にはちょうどいい不安感が漂っており、「隠れリスクオン相場」だと思っています。間違ってるかもしれないけどね。
こちらにも書きましたが、ぱたる的には今米国株は買いどきです。
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もちろん、積極的でもなく消極的でもなく、「いつも通りドルコスト平均法で買い増していく」のも正解です。自分が信じた銘柄ならね。
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