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個別株は勇気を出して損切りすると、2回目が楽になる

週末12月21日、米国主要株価指数の終値は、

 

S&P 500

2,416.58

-50.84(-2.06%)

 

Dow 30

22,445.37

-414.23(-1.81%)

 

Nasdaq

6,332.99

-195.41(-2.99%)

 

いずれも大きく下げていますね。

3日連続で下げていますが、1回1回の下げが大きい。

 

今日はハイテクが大きく下げたので、NASDAQが-2.99%と大幅下落。

 

S&P500は18ヶ月ぶりの安値

調べてみたら、S&P500は2017年6月以来、18ヶ月ぶりの安値をつけました。

 

米国株投資家にとって、この3日間の心理的なインパクトは大きいのではないでしょうか。

 

自分は冷静と思っていても大概パニックになっている

きっと今の心理モードは、

 

『もういいや・・・どうにでもなれ・・・(気絶投資モードに突入)』

 

『だ、大丈夫だよ、ど、どうせまた上がるよ・・・きっと・・・(含み損-30%を見て見ぬ振り)』

 

『パウエル利上げしやがってー! トランプも批判してたじゃんか! なんでだー!(八つ当たり)』

 

『あ~ アワワワ・・・ もうだめだ~ 売ろう。決済ポチッ(損切り)』

 

これらのどれかになっているかも。

上記は一見、マシな状態やひどい状態など、個別に差がありそうですが、これらはすべて「パニック状態に陥っています」

 

まあ、確かに程度の差はありますね。八つ当たりモードの人はこれから冷静に対処する過程なのかもしれないし。

 

ただ、1つだけ言えることは、自分の資産内容とそのリスクをもう一度クリアな頭で考えることです。

 

分かりやすく言うと、「個別株は損切りを考えたほうがいい」ということです。

もし、その判断基準がないまま買い進めてしまった場合、今からでも遅くありません。

冷静になって判断基準を作ることが必要です(できればノートなど記録し、後で振り返られるようにしておく)

 

一例ですが、

グロース株 : 25%下がったら損切り

ディフェンシブ株 : 20%下がったら損切り

保有株の悪い順に下から5銘柄損切り

とか。

 

○%の○は人それぞれですし、他にも基準はあるでしょう。

例えば、エヌビディアみたいな激しくW字の株価を描くハイテクと、ジョンソン・エンド・ジョンソンを同じに比べることはできません。

 

いずれにしても、大型下落が始まる直前の株価から、20%下がったら危険ラインです。

なぜなら、そこからさらに下がって、マイナス40%になる可能性も否定できないだろうし、上がる「客観的な」見込みがなければ、「きっと上がるだろう」と思うのは希望的観測にすぎないからです。

 

もちろん、ぼんやり見えている客観的な上昇要因はあります。

『今は全体の相場が悪いだけ。上がる時はそれぞれの個別株も上がるはず』

『1月30日のFOMCでは金利据え置きになるはずだから、アナリストが据え置き予測したらすぐ株価全体が上向く』

このように考えている人がいるかもしれませんね。

 

私も同じように考えています。

ただ、「おそらくそうだろう」という読みであって、この程度の読みは半分当たればいいほうです。

 

ぱたるは損切りするのか?

私はこの週末に、CFDのNASDAQ100のポジションを、約40万円のマイナスで損切りしました。

元々が、短期に円資金を有効活用する目的で始めましたが、このような相場では素直に負けを認めます。

 

しかし、現物株は損切りしません。

なぜなら、私はETFがメインだからバイ&ホールドできるんです。

 

個別株とETFは本質が全く違う

『個別株もETFも同じじゃないのか?』

と思う人がいるかもしれませんが、この2者は全く違います。

 

仮に、HDVを10,000ドル分持っている私と、HDVと中身が同じ個別銘柄(全75銘柄分)をあなたが持っているとします。(購入手数料は無視するとして)

 

今の相場状況なら、当然2者とも同じように下がります(多少の誤差はあるでしょうが)

ここまでは同じです。

 

・・・

 

その後が違うんです。

 

HDVの場合、3、6、9、12月に組入銘柄が入れ替わります。年間では上位銘柄で10%ほど。全体では50%ほどが入れ替わります。(ETFにより時期や入れ替え率は差があります)

つまり、パフォーマンスが悪い銘柄は自動的に「無料で」入れ替わるんです。

 

ところが、個別株は違います。一頃、隆盛を誇った銘柄でもお星様になるときはなります。

GEなんかがそうでしょうか。

 

つまりそういった銘柄は損切りが必要ですが、私はそのコストは投資額の10%くらいは最低かかると思っているんです。

理由は過去記事より

投資と言えば個別株世間一般のイメージはそうでしょう。他にも投資信託や不動産投資などもありますが、やっぱり投資と言ったら株、株と言ったら個別株。それは「ETF」が知られてないから、株=個別株になっているのかもしれません。 個別株 VS ETF「個別株とETFはどっちがいいか?」の主張は、本やネット記事でよく見ます。 大きく派閥を分けると、 個別株派 ETF派 使い分け派の3タイプに分けられるでしょう。 結論からいうと、私はETF派です。現在、個別株は持っておらず、ポートフォリオに占めるETFの割合は約9割...
私が個別株でなくETFを買う5つの理由 - 2024年にFIREするぱたるの米国株ブログ

まとめると、

  • ETFは逝った株は無料で入れ替えられる
  • 個別株では分散していても損切りコストがかかる

このようになります。

 

このあたりは過去記事でも何回か主張しているポイントですが、他の本やブログで主張されているのをあまり見たことがありません。

なんでだろう?

大きく間違っているとは思えないんだよね。

 

ETFはただ単に個別株が集まった器ではなく、まるで錬金術のようにいいものだけが残っていく特別な器なんです。

しかも経費率が激安!(HDVなら0.08%、1,000万円分持っていてもたったの8,000円!)

 

私たちは「感情ちゃん」に支配されている

さて、ETFと個別株は根本的に違うものだということが分かってもらえたでしょうか。

 

ただ、損切りしなきゃいけないのが分かっていても、中々できないのが損切りです。

こればっかりは頭じゃないんです。感情なんです。

 

「感情ちゃん」がうるうると瞳を潤ませて、こちらを上目遣いに見て言ってきます。

『あたし、損したくないの』と。

 

あと、こうも言ってきます。

『損切りしたら気持ちが落ち込むよ。今のほうがマシなんだから問題は先送りにしよ?ね?』と。

 

応援もされます。

『「○○だからこの銘柄は大丈夫」っていうあなたの分析すごい!あたしも信じてる!っていうか絶対その通りだね!応援する!』

 

こんな感じでしょう。

 

ぱたるは150万円損切りした

私は日本株も米国株も、現物株ではほとんど損切りをしたことはありません。

僅かにマイナスだったのは、カストック(貸し株)のために買っていたVGSH(米国短期債ETF)くらいです。

 

しかし、FXやCFDは違います。

過去に何度も損切りをしました。

 

1回の損切り金額が一番大きかったのは、2010年ギリシャ危機の時。

その時はFXでマイナス150万円を決済しました。(ぱたるプロフィールでも触れています)

 

ギリシャで2つの政党のどちらが勝利するかで、為替は大きく変わる局面でした。

直前の世論調査では勝ち負けが「ほぼ半々」

正に「のるか、そるか」

毎日悩み、夢にも出てきましたが、私は結論の先延ばしを続けました。

 

ただ、パニック中にかすかに残っていた冷静さで損切りを決断したのです。

たしか、あのときはウイスキーのストレートを、連続で3杯くらいあおってから決済ボタン押したっけな~。

平日の昼間。天気が良かったな~。

 

・・・

 

その後為替は大きく下がり、損切りは正解でしたが、結局数ヶ月で為替は元に戻りました。

 

・・・

 

その時はしばらく放心状態でしたが、今なら分かります。

「損切りすると前に進める」と。

 

株を買う目的は儲けるためですが、そのために最低キープしなきゃいけないのは「市場から退場しないこと」なんです。

損切りはそのため方法であり、また快適にやり直すために、古い装備を捨てるようなイメージです。

 

例えば、あなたは今、険しい山を登っています。

背負っているリュックには、食べられなくなった重い食糧がぎっしり。

いつか食べられるようになるかもしれない・・・。

しかし、もしかしたら一生食べられないかもしれない・・・。

こんな状態だったら、一度重いリュックを捨てて山を走って、新しい食糧を探したほうが気持ちが楽になるのではないでしょうか。

 

わかりづらいかな?

 

個別株は勇気を出して損切りすると、2回目が楽になる

もしかしたら私だけかもしれませんが、勇気を出して1回損切りすると、2回目が楽になる気がするんです。

 

楽って言うのは言い換えると、

  1. 客観的な目で現状を判断できるようになる
  2. その上で、銘柄の損切りポイントを自分の判断で決められる
  3. 含み損を抱えているときも、以前よりか気持ちに余裕ができる
  4. 損切りした後はさっぱりした気持ちになる

こういう意味です。

 

さあ、損切り実行だ!

では、個別株を持っている人が、損切りする場合の実践編にいってみましょう。

 

方法は次のステップです。

① 重いリュックを捨て去って、ナイフ1本で野山を駆け回るイメージを持つ

 ↓

② 一番危険な銘柄を「1つだけ」ピックアップ(損切りの判断基準のメモ作成)

 ↓

③ 一番危険な銘柄を、ナイフという名の決済ボタンで叩き斬る

 ↓

④ 一番好きな飲み物で祝杯を挙げる

以上です。

 

目を瞑ってイメージして下さい。

 

・・・

 

・・・

 

ちょっとは暗い気持ちが薄くなりましたか?

 

まとめ

さあ、まとめですが、せっかくポジティブな気持ちになってきたところに「冷水」をぶっかけます。

 

いいですか~?(金八口調)

 

○%下落がどうしたとか、○○さんは損切りを推奨しているだとか、アナリストがどうだとか、そんなものは関係ないのです!

どこまでいっても、結局は「自分が決めるしかないんです」

損切りなんてものは、人からすすめられて、気持ちをほぐされてやるもんじゃないんです。

 

「おいおい、ぱたる、ズルイじゃねーか、散々煽っておいてそれかよ」

 

と思うかもしれませんね。

ふふふ、そうさ、私はズルイのさ。

 

だって、そうでしょ?

GEだってホールドしてる人がいる。

その人がアホだって100%言えますか?私には言えません。

私は絶対にGEは買わないけど、それは今買わないだけで将来は分からんもん。

 

・・・

 

だから損切りしたほうがいいか、しないほうがいいかなんて、私は知らんもん。

 

知らないよ・・・

 

知るもんか・・・

 

だけど・・・

 

 

・・・

 

 

前に進むヒントはあったんじゃないかな。

 

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