インドネシアは人口が2.6億人で世界第4位の国。
若年層が多いですが、30~40代の購買力がある年代も増えてきており、近年内需が伸びています。
以前の記事で、ここ半年のインドネシア・ジャカルタ総合指数(JCI=代表的な指数)はS&P500の3倍良いと紹介しました。
過去記事
「2019年は新興国のインデックス投資をやってみるか」と近頃呟いていたぱたるです。 新興国のナンバーワンは誰もが認める中国。GDP第2位のこの国を新興国と呼ぶのも変な感じですが、かと言って先進国じゃないしな。 ただ、検討しているのは中国ではなく、インド、インドネシア、このあたりです。 インドネシアの株価指数は最近堅調特に期待はインドネシア。インドネシアの代表的な株価指数は「ジャカルタ総合指数(JCI)」と言います。(時価総額加重平均型) 早速JCIとS&P500、ついでに新興国全体と比較した... ここ半年のインドネシア・ジャカルタ総合指数はS&P500の3倍良い - 2024年にFIREするぱたるの米国株ブログ |
株価指数の商品と言えば、
ETF
投資信託
になりますが、今回は「ETF編」です。
SBI証券、楽天証券、マネックス証券で共通して買えるインドネシアETFは以下の2つです。
始めはEIDOから。
名称 : iシェアーズ MSCI インドネシア ETF
ティッカー : EIDO
経費率 : 0.59%
設定日 : 2010年5月5日
純資産額 : 6.66億ドル
運用会社 : ブラックロック
指数 : MSCI インドネシア・インベスタブル・マーケット指数
市場 : NYSE Arca
銘柄数 : 76
決算 : 年2回(6月、12月)
配当利回り : 1.98%(2018年12月現在)
概要 : MSCI インドネシア・インベスタブル・マーケット指数は、インドネシアの株式全般で構成される指数と同等の投資成果を目指す。
・・・
ぱっと目に付くのは経費率の高さ。0.59%は低くないがマイナーETFならこんなものか。
ただ、最近まで0.62%、その前ももう少し高かったようなので、徐々に下がっているところは好感出来ます。
2010年から設定されて、純資産額は6.66億ドル(円で700億円くらい)と悪くないし、徐々に増えています。
運用会社がブラックロックで安心感もある。
銘柄数は76で、75のHDVと近い数。
「MSCI インドネシア・インベスタブル・マーケット指数は、インドネシアの株式全般で構成される指数と同等の投資成果を目指す」となっていますが、その割りに76銘柄は少なすぎですね。
「インドネシアの株式全般で構成される・・・」の意味は、最も有名なジャカルタ総合指数(JCI)のことを指していると思います。
しかし、JCIはインドネシア全体の株式の時価総額加重平均型なので、たった76銘柄ではかなり誤差がでそうです。
あ、でも上位76銘柄だとしたらほとんど近似値になる可能性があるな。
たったの76銘柄でも、インドネシア株全体の8割くらいの時価総額があるかもしれませんね。
3000銘柄とか集めると経費率が高くなるから銘柄数を抑えているのかも。
この指数は有名なMSCI コクサイと同じブランドなので、インデックスからの乖離率も低いことを期待したい。
こちらはセクター比率。
金融が多めですが、それ以外のバランスは良さそう。
こちらは上位10銘柄とそのセクター。
全てインドネシア企業ですが、1つも知らない!
セクターはやはり金融が多め。
次はIDX。
名称 : ヴァンエックベクトル インドネシア インデックス ETF
ティッカー :IDX
経費率 : 0.57%
設定日 : 2009年1月15日
純資産額 : 0.49億ドル
運用会社 : ヴァン・エック・グローバル
指数 : MVIS・インドネシア・インデックス
市場 : NYSE Arca
銘柄数 : 43
決算 : 年1回
配当利回り : 2.55%(1月25日現在)
概要 : MVISインドネシア・インデックス(MVIDX)にできるだけ連動する運用実績を目指す。当インデックスは、インドネシアに本社を置き、主にインドネシアの取引所に上場している、あるいはインドネシアでの収益が全収益の50%以上を占める、上場企業へのエクスポージャーを提供する。
・・・
こちらは、経費率が0.57%とEIDOより少し低いのはいいですが、設定日が2009年とまずまず古いのに純資産額が0.49億ドルと少ないこと。EIDOの13分の1。
しかも2015年の目論見書には純資産額1.71億ドルと書いていたので、大幅に減っています。
この時点で、どんなに成績が良くてもこのファンドに投資することはないことが決定しました(笑)
つまり、純資産が減っているファンドは繰上償還と言って、上場廃止になる可能性があるのです。
運用会社はヴァン・エック・グローバル。う~ん、初めて聞いたぞ。
概要に「あるいはインドネシアでの収益が全収益の50%以上を占める・・・」とありますが、構成されている銘柄でインドネシアの企業は64%しかありません。
こちらは国別とセクター別のグラフ。
中国が19%も入っています。
これはインドネシアETFと呼んでいいのだろうか・・・
翻訳機能で「財務」がセクター1位になっていますが、これは「金融」のことです。
EIDOとIDXの取引市場は共にNYSE Arca(アーカ)という市場です。
NYSE(ニューヨーク証券取引所)、俗称「メインボード」と呼ばれる市場とは別の市場です。
以下、マネックス証券サイトより
NYSE(ニューヨーク証券取引所)
言わずと知れた世界最大の証券取引所であり、多くのグローバル企業が上場している。個別企業株を中心に、3,200超の銘柄が上場している。NYSE Arca、NYSE MKTと区別するため、メインボード(Main board)と呼ぶことがある。
NYSE Arca(旧アーキペラーゴ)
1997年に認可を受けたアメリカ初の電子証券取引所(ECN)であるアーキペラゴが前身 2006年にNYSEにより買収された後、NYSE Arcaと改称してNYSEからは独立して運営されている。NYSEとは上場基準が異なるため、新興企業が中心に上場している。
出典:マネックス証券サイト
この他にもNYSE MKTやNASDAQなどがあります。
EIDOとIDXの取引市場は共にNYSE Arcaのため、米国株扱いになりETF売買手数料がかかります。
2018年1月現在、SBI証券、楽天証券、マネックス証券でのETF売買手数料は以下になります。
約定代金の0.45%(税込0.486%)
最低手数料:5ドル(税込5.4ドル)
上限手数料:20ドル(税込21.6ドル)
※追記 2019年7月22日より、ネット大手3社の最低手数料は0ドルになりました!
ここで、名前と指数のおさらいです。
ジャカルタ総合指数(JCI)
iシェアーズ MSCI インドネシア ETF(EIDO)
ヴァンエックベクトル インドネシア インデックス ETF(IDX)
この3つが出てきましたね。
ジャカルタ総合指数(JCI)はインドネシアの代表的な指数で、ニュースなどでも取り上げられます。日本で言うTOPIXと同じと思ってください。銘柄数は不明ですが、インドネシア全体の株式の時価総額加重平均型なので、100や200ではきかないでしょう。
iシェアーズ MSCI インドネシア ETF(EIDO)は、インドネシアの株式全般で構成される指数と同等の成果を目指す、とあるのでJCIに近いと思いきや、銘柄数はたったの76銘柄。
ヴァンエックベクトル インドネシア インデックス ETF(IDX)はもっと異色です。インドネシアの銘柄は64%で、他には中国やシンガポール、イギリスも混じっています。その割に銘柄数は43銘柄とさらに少ない。
頭で考えるよりチャートを見たほうがイメージは湧くでしょう。
JCI、EIDO、IDXをチャートで比較してみます。
まずは5年チャート
赤がJCI
青がEIDO
紫がIDX
圧倒的に赤のJCIのリターンがいいですね。2位は微差でEIDOか。
2年チャート
こちらもJCIが良い。EIDOとIDXはほぼ同じ。
1年チャート
またまたJCIの勝ち。2018年10月に他の2つは落ちていますが、JCIはボラティリティが低いです。
そうなんだよな~。私もこのあたりを見てインドネシア良さそう、って思ったもん。
最後は6ヶ月チャート
一転、ここ3ヶ月ではEIDOとIDXが猛攻。特にEIDOがいいかな。
3つの指数を比較して見えてきたのは、
① JCIと、EIDO・IDXは指数の内容が全く違う。
② JCIはボラティリティが低いが、EIDOとIDXはそうでもない。
③ 2018年10月頃より、ボラティリティは高いが、EIDOとIDXがJCIを上回っている。
①~③の要因に、EIDOとIDXの特定の銘柄か、特定のセクターが影響している可能性が高い。
ただ、それが何なのかはまだ分析できていない。
私がJCI、ジャカルタ総合指数をウォッチするようになったのは昨年の中ごろです。
そこで気付いたのが、「世界株式と違う値動きをしている」ということ。
債券ほどではなくても、S&P500とある程度逆相関になれば分散力を発揮するな、と思ったんです。
成長しない債券と違って、インドネシア株はこれから伸びるのではないか?それで分散性が高まれば、投資戦略のアクセントになる。
メインディッシュじゃないけど、唐辛子のような、ハーブミックスのような、味付けをしっかりと整えるような役割です。
このブログの読者は米国株に関心がある人が多いと思うので、インドネシア株はあまり興味がないかもしれません。
しかし、「意外なアクセントを提案できたら面白いぞ」と、鼻歌交じりでこの企画を考えました。
結果は・・・・
・・・
しょぼくれたよ。おれっちは。
EIDOとIDXは、ボラティリティも世界株式と似ていそうだし、過去はほとんどJCIに負けている。
経費率も高め。
EIDOはマシだが、IDXはひどい代物。
・・・
まあ、でもEIDOには多少希望を持っています。
今後はJCIと共に、EIDOもウォッチリストに入れようと思いました。(丸)
あれ?作文?
ついでにその他のインドネシアETFも簡単に紹介します。
名称 : XトラッカーズMSCIインドネシア・スワップUCITS ETF
ティッカー :3099
経費率 : 0.65%
市場 : 香港
2019年1月9日に価格がついていない(?)謎現象が起きています。繰上償還されたかもしれませんが、少し調べただけでは何も出てきませんでした。過去にも人気は無さそうな感じ。
このETFはSBI証券、楽天証券にはありますが、マネックス証券にはありません。
名称 :リクソーMSCIインドネシアUCITS ETF
ティッカー :INDO
経費率 : 0.45%
市場 : フランス
これはサクソバンク証券で買えるETFです。フランスの市場なので馴染みは薄いですね。
アメリカのETFとチャート比較ができないので、いいのか悪いのか分かりません(笑)
本記事を書き始めの時は、よしまずは「ETF編」だ!と意気揚々で書いていましたが、段々気分は盛り下がってきました(笑)
次回第2弾は、新興国全体との比較、S&P500との比較をやってみるか?
「投資信託編」はまだ何も調べていませんが、信託報酬が1%を超えるのは目に見えています。(2%台もありそう)
おそらく、商品数で言ったら投資信託のほうが多そうですが、トータルリターンがイマイチかもしれませんね。
あ、JCIをベンチマークにしていて安いコストの投資信託もあるかな?
諦めないで調べてみるか~!
でも、この記事だって結構な時間をかけて作っていますが、多分アクセスは多くないと思うんだよな~(泣)
ふー