モメンタムは「勢い」と略されます。
なのでモメンタム株と言うと、上昇中の株ということになります。
そんなモメンタム株を集めたETFがあります。
今回紹介するのは、ブラックロック社が運用している「iシェアーズ・エッジMSCI米国モメンタム・ファクターETF」
ティッカーは「MTUM」
残念ながら、日本で買えるのは今のところサクソバンク証券だけですが、注目されているはずなので来年早々にでもネット証券「ビッグスリー」でもリリースされるのではないでしょうか。
以下、MTUMの詳細情報です。
概要 : 手数料・費用控除前のモメンタムが比較的高水準の米国中大型株の指数に連動する投資成果を目指す。
ベンチマーク指数 : MSCI米国モメンタムインデックス
設定日 : 2013年4月18日
経費率:0.15%
配当利回り : 0.90%
銘柄数 : 125銘柄
以下は組入比率の上位10銘柄。(10月26日現在)
組入銘柄 | 組入比率 | |
1 | マイクロソフト | 5.84% |
2 | アマゾン | 5.52% |
3 | ビザ | 5.29% |
4 | ボーイング | 5.26% |
5 | マスターカード | 4.79% |
6 | JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー | 4.35% |
7 | シスコシステムズ | 4.14% |
8 | インテルコーポレーション | 3.38% |
9 | アドビシステムズ | 3.10% |
10 | ネットフリックス | 3.07% |
ふむふむ。
マイクロソフトやアマゾンが10%超えしているわけではなく、銘柄や比率のバランスもいい感じ。
これは良さげな予感・・・
銘柄数が「125」という数もバランスが良くて好感が持てます。
私の場合、数千銘柄とかあるのはどうも「足を引っぱっている銘柄」があるに違いない、と思っているので、NYダウのDIAやHDV、QQQなど銘柄数が少なめのETFは好みなんです。
さて、では早速ライバルのグロースETFと比較してみましょう。
今回比較するのは以下3つのETF。
チャートは以下複数の期間で見てみましょう。
2018年10月は中間選挙を控えていますが、米国株のみならず、世界中で株安が続いています。
10月29日のNYオープンは大幅に反発、明けて10月30日終値は少し持ち直しましたが、4:00ごろは急落。
さて今後はどうなるか?
いずれにしても、今回の株安で最も大きく下げたのがIT・ネット関連株になるので、上記の3銘柄も当然他のディフェンシブ銘柄と比べると大きく落ち込んでいます。
・・・
では、短い期間順でまず1ヶ月チャートから。
赤色 : MTUM
青色 : QQQ
緑色 : SPYG
QQQ、SPYGが-10%ほど。
MTUMは-12.3%。
MTUMの負け。
次は6ヶ月チャート。
QQQ : 6.3%
SPYG : 5.0%
MTUM : -1.5%
またまたMTUMの負け。
6ヶ月なのにマイナスになっています。いけませんね~。良さげと思ったのにそうではないようです。
この時点で勝負ありかな・・・
一応、1年、2年のチャートも見てみましょう。
こちらは1年チャート。
QQQ : 12.9%
SPYG : 10.3%
MTUM : 4.6%
QQQはMTUMの3倍の成績。QQQは7月~9月にがっちり上げていたのが勝ちの要因ですね。
最後に2年チャート。
ほほ~
SPYGがずっと負けていて、最後にMTUMがお付き合いしちゃった感じですね。
MTUMは一瞬QQQを上回っている時期もあります。
こうやって見ると、悪くないと思っていたSPYGも過去はあまり良くはなく、結局「QQQの1人勝ち」という結果になりました。
経費率も改めて比較してみます。
QQQ : 0.40%
SPYG : 0.04%
MTUM : 0.15%
QQQはSPYGの10倍ですね。1000万円分で年間36000円の差か・・・高いな・・・
ただ、今は少額でしか保有していないので気にするレベルではありません。
やはり、モメンタム・グロース系ETFはQQQで決まりです。
そもそもモメンタムとグロースの違いは何なのか?
モメンタムはグロースのある側面を切り取ったものであり、グロースの一部という解釈もできます。
また、モメンタムはファンダメンタルズを全く考慮せず、チャートだけ、テクニカルだけで判断すると言われていますので、グロースの一部ではなく別物だ、という解釈も成り立つかもしれません。
モメンタム・グロース投資家であるウィリアム・オニールさんという人が提唱した、「CAN-SLIM投資手法」がひとつのガイドラインになるかもしれません。
以下CAN-SLIM(キャンスリム)投資手法の概要。
C:当期四半期の1株当たり利益
A:年間の収益増加
N:新製品・新経営陣・新高値
S:株式の需要と供給
L:主導銘柄か、停滞銘柄か
I:機関投資家による保有
M:株式市場の動向
上記は、オニールの成長株発掘法 【第4版(作者: ウィリアム・J・オニール)に書かれているようですが、私はまだ読んでいません。
と、言うか今のところ読む気が起きません(笑)
なぜなら、私はHDVやPFFといった「地味ETF」をシコシコ買うのがメインであり、QQQも持ってはいますが、あくまでサテライトの位置づけだからです。
ただ、私は自分のことを「ディフェンシブ株投資家」などと型にはめたくはありませんし、もっと言えば「米国株投資家」だとこだわるつもりもありません。
今ベターだと思うことをやっているだけなんです。
こだわりすぎるのは視野が狭くなって良い事はないと思っています。
ですから、情報は広く浅くでいいので徐々に拾っていき、先ほどのキャンスリム投資も折を見て学んでいくと思いま、・・・
な~んて言ってみたがどうだろうか?
(と、ちょっと恥ずかしい感じで語ってしまったので照れ隠ししてみる)
今のところ、日本に届けがある証券会社でモメンタムETFのMTUMを買えるのはサクソバンク証券だけです(本社はデンマーク)
他にも、「ネスレ」など気になる欧州株も多数買えるようですが、特に注目されているのはが「手数料の安さ」
以下は大手ネット証券との手数料比較です。
取扱銘柄数 | 売買手数料 | 最低手数料 | 上限手数料 | |
サクソバンク証券 | 6,000以上 | 0.20% | 5ドル | 15ドル |
SBI証券 | 約1,350 | 0.45% | 5ドル | 20ドル |
マネックス証券 | 約3,300 | 0.45% | 5ドル | 20ドル |
楽天証券 | 約1,400 | 0.45% | 5ドル | 20ドル |
ポイントは、
売買手数料 : 0.20%
上限手数料 : 15ドル
ここの違いです。
私のSBI証券での過去の売買履歴を振り返ってみると、
平均購入額 : 3300ドル
上限20ドルに達した割合 : 20%
上限15ドルに達した割合 : 30%
このような傾向が見られました。
つまり、私の場合上限に達することは少なく、サクソバンクに乗り換えた場合、売買手数料が0.45%から0.20%と半分以下になるところが大きく影響します。
しかし、年間で数千ドルも変わることはなく、サクソバンクはまだ特定口座に対応していないという決定的なデメリットがありますので、すぐに乗り換えることはありません。
ただ、いずれ特定口座にも対応するでしょうから、今後の動向が楽しみです。
SBI・マネックス・楽天もこの「外圧」に動いてほしいですね!
各社思惑があるでしょうが、すぐには値下げしないかな?
それぞれの思惑を妄想してみます。
・・・
SBI ⇒ 「ウチがトップだから動く必要なし!」
マネックス ⇒ 「値下げしてシェア奪いたいけど、下げたら2社も下げてくるよな~」
楽天 ⇒ 「うまくポイントなんかと絡めて、下げるにしても楽天だけの優位性保ちたいな」
・・・
こんなことを考えているんじゃないかと妄想してみました。
ビッグスリーたちよ! サクソバンクはいずれデメリットがなくなるんだからお前たちも下げるんだ!