突然だが問題を出す。
少し難しいがぜひトライしてみてくれ。
【問1】
下図に、とあるファンド①、②、③に投資した20年チャートがある。(3商品いずれも、基準価額100円から開始)
「毎月1万円の積立投資」をした場合で、最もトータルリターンが高いチャートの順番を選びなさい。
【解答欄】
( ⇒ ⇒ )
【例】
( ① ⇒ ② ⇒ ③ )
皆さん、トライしてみましたか?
『面倒だからここに飛んできちゃった』
とか、
『なんとか考えてみたけど、合ってるかな~?』
とか、
『このチャートの形知ってる! だから答えは○だよ!』
とか、人それぞれだったと思います。
ではもう一度チャートを見てみましょう。
3商品いずれも、基準価額100円から開始していますね。
①はずっと右肩上がりで、価額は150円と当初の1.5倍に。
②は14年目まで右肩上がりで一時は①を超えていたけど、最終的に100円まで戻っています。
③は始めから6年目までは-80%とひどい落ち込みです。その後は右肩上がりで回復するものの、価額は65円までしか上がらなかった。
え? ナニナニ? 「①が一番良くて③がダメそう」だって?
ムフフ。
では答え合わせに行きましょう。
答えは、
・・・
③ ⇒ ① ⇒ ②
でした!
意外でしょ?
積立額の合計は、20年間でいずれも「240万円」です。
3商品のトータルリターンはそれぞれ、
③ ⇒ +51.9%(364.6万円)
① ⇒ +21.6%(292.0万円)
② ⇒ -20.1%(191.6万円)
③が意外に多く稼げています。
途中まで1位だった②はマイナスリターンになっちゃいました。
『③は基準価額が元の100円に戻ってない! この答えはウソだ!』
と思うかもしれませんが本当です。
秘密の鍵は、「価格が下がった時は、同じ1万円でも多くの口数が買えるから」なんです。
そしてもう1つ大切なポイントは、「最後に価格が上がっていること」
②がびっくりするほどダメだったのは最後に下がっているからなんです。
①は「理想的な展開」と思いがちですが、③よりは高く買ってしまっているので、そこそこのリターンになるわけです。
つまり、積立投資(ドルコスト平均法)をした場合は「深い谷が大チャンス!」というわけです。
もちろん、その後の見通しが明るいアセットや指数を選びたいですね。
以下のチャート(2007年~2015年)はある本物の指数の一部です。何の指数だか分かりますか?
2007年までは調子が良かったものの、2008年のリーマンショックで急落。
しかし2013年頃からやっと反発。ぐんぐん上がって2007年当時の価格を上回りました。
これは多くの日本人が見たことがあるチャートです。
そう、これは「日経平均株価」のチャートなんです。
勘の良い方は気付いたかもしれません。「あれ? さっきのチャートに似てるぞ」と。
もう一度先ほどの③のチャートを見てみましょう。
どうでしょう? 上記日経平均のチャートも③に似てますよね?
つまり、この頃から日経平均に「積立投資」をしていればしっかりリターンは取れているんです。
チャートの形だけ見たり、ツールを使ってトータルリターンを計算してくれるサイトを見たりするだけだと、積立投資の真の姿は分かりません。
ツールで計算されるのはあくまで、最初の点から最後の点までの騰落率の計算をしているだけだからです。
上記のチャートでも、積み立てじゃなく最初に一括投資した場合なら、リターンが高いのは、①⇒②⇒③の順です。
チャートの形だけ見て、「米国株は最高だけど日本株はク○だ」と言っている人がいます。それは、一括投資をした場合は確かにその通りですが、積立投資の場合、それは絶対に当てはまることではないんです。
もちろん大事なのは、「将来の見通しが明るいアセットや指数」
②のチャートは-20%と、びっくりするほどダメだったのは最後に下がっているからでしたよね。
日本については、
うーむ。
先日、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)という年金の余剰分を運用している組織が公表しましたが、前期(2018年4月から2019年3月)までの運用成績では、日本株が2.7兆円のマイナス(!)で、外国株式は3.1兆円のプラスでした。
日本株への積立投資をク○とは思いません。前述したように勝ち方があるからです。
それでも、やはり私は今後も米国株メインでいきます。だって相対的に未来は明るいもん。
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