「投資をするなら、しっかりと納得できた商品を選ぶべき」という旨を、当ブログではことあるごとに言っています。
それは間違ってないんですが、反面、検討しすぎて良いのか悪いのか分からずに、「こんなに考えても分からないなら投資をやめよう」というように一歩踏み出さないことはままあります。
そんな時私は、「良さげであれば少額から始めちゃえ!」というノリで始めることもあり、今回の「グローバル3倍3分法ファンド」を始めたのもそんな経緯からです。
グローバル3倍3分法ファンドとは、2018年10月に設定されたばかりの新しいファンドで、下図のようなアセットを組み入れたファンドです。
債券が3分の2も占め、債権不要派の私にとって一見魅力はなさそうです。
しかしこれは、変身前(?)の仮の姿。
・・・
これが本当の姿です。
ババ~ン。
先物を使って、各アセットに3倍のレバレッジをかけて運用するのが、グローバル3倍3分法ファンドなんです。
レバレッジファンドで有名なのは、S&P500の3倍リターンを目指す「SPXL」ですが、グローバル3倍3分法ファンドは、
債券 200%
株式 60%
REIT 40%
合計300%の「分散レバレッジファンド」です。
これにより、債券が高い防御壁となって株価の下落を押し止め、上昇局面でも3倍株式と3倍REITが大貢献してくれるんじゃないか?、と思って積立を始めたファンドなんです。
グローバル3倍3分法ファンドについてはこちらでも紹介しています。
最近一部のブログで広がり始めたグローバル3倍3分法ファンドは、一言で言うと「最強の矛と最強の盾」の可能性があるレバレッジファンドです。(投資信託) レバレッジファンドで有名なのは、S&P500の3倍リターンを目指す「SPXL」ですが、グローバル3倍3分法ファンドは、債券 200%株式 60%REIT 40%合計300%の「分散レバレッジファンド」です。 2018年10月に設定されたばかりの新しいファンドなので、長期の比較はできませんが、以下S&P500連動のiFree S&P500インデックスと比較したチャートです。 オレン... グローバル3倍3分法ファンドは、鉄壁の守備と3倍の攻撃力がある - 2024年にFIREするぱたるの米国株ブログ |
良さそうだと思って始めたグローバル3倍3分法ファンドですが、1つ懸念もありました。
それは、債券が多めならボラティリティ(値動きの幅)は小さく抑えられても、強い上昇は望めない。結局、「ただのバランスファンドと大差ないんじゃないか?」と。
もしそうなら、信託報酬が安い「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」でいいという話で終わります。
信託報酬を比較すると、
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型) 0.1512%
グローバル3倍3分法ファンド 0.4752%
0.324%も違いがありますね。
ただ、これは何百万、何千万と投資した場合に違いが分かるもの。少額であれば違いは微々たるものなので気にする必要はありません。それに0.5%未満なので悪い数値でもありません。
それよりもパフォーマンスがいいかどうかが重要です。
相場が下がる時はバランスファンドより下げず、上がる時もバランスファンドより上がる。
その上でボラティリティの安定という、S&P500と違ったメリットを見出せるかどうか、それがこのファンドの存在価値(と私は思っている)なのです。
ファンドが生まれたのが2018年10月ですから、たった8ヶ月で論じても意味がないという意見もあるでしょうが、実際の値動きをチャートで検証してみましょう。
比較するのは、
この3つ。
下落局面、上昇局面のいずれか、または両方でグローバル3倍3分法ファンドは活躍したか?、見てみましょう。
2018年12月下旬は、ここ2~3年の下落の中でも最も大きい下げ幅でした。
その時のチャートはこちら。
オレンジ グローバル3倍3分法ファンド
水色 iFree S&P500インデックス(S&P500代表)
茶色 eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)
うん、いい感じ。グローバル3倍3分法ファンドは下がる時は他より下げず、上がる時は他より上がっていますね。
グローバル3倍3分法ファンドをパフォーマンス順位で表すと、
下落時:1位
上昇時:1位
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)は、この世界同時株安があった前も後も含めてなだらかなラインを描いており、バランスファンドの真骨頂を見せてくれています。
S&P500はガツンと下がっています。
次は6ヶ月チャート。
オレンジ グローバル3倍3分法ファンド
水色 iFree S&P500インデックス(S&P500代表)
茶色 eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)
下落時:2位(ほぼ同率1位)
上昇時:1位
こちらも上出来。
最後は3ヶ月チャート。5月6日、トランプさんの中国への関税引き上げツイートから始まり、5月は世界株安の流れでした。
オレンジ グローバル3倍3分法ファンド
水色 iFree S&P500インデックス(S&P500代表)
茶色 eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)
下落時:1位
上昇時:1位
チャート右側の5/13のあたりで、水色のS&P500が大きく鋭角に下げていますが、グローバル3倍3分法ファンドはなだらかかつ、ラインも上にありますね。
バランスファンドにも勝っているし、短期とはいえなかなか良いパフォーマンスを見せています。
まとめると、グローバル3倍3分法ファンドは、
「プチショックや暴落では一番マシかもしれない」
「普通のバランスファンドには勝てそうだ」
「ボラティリティの小ささはS&P500に勝るメリットだ」
「上昇相場ではS&P500に勝てるか不透明(多分無理だと思う)」
こんなところでしょうか。
グローバル3倍3分法ファンドが向いているのはこんな人かもしれません。
上記のような人に向いていると仮定した場合、こんなポートフォリオはいかがでしょうか?
50% グローバル3倍3分法ファンド
50% eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)
ポイントは、グローバル3倍3分法ファンドの評価が定まってないうちは、Slimバランスと50%ずつの様子見で積立していくこと。
数年様子を見てから比率を変えてもいいでしょう。
100% グローバル3倍3分法ファンド
「バランスファンドの上位互換があるならやればいいじゃん」というシンプル志向の人向けです。
私が考えるバランスファンドの立ち位置とは、それ1本で完結し、他のペーパーアセットはやらないことが理想だと思います。
そうでなければ、何のためにバランスファンドを選んでいるのかよく分からなくなるからです。
反面、違うファンドを実際に保有することにより、「持っているからこそ分かる下落時の痛み」を体験し、自分に合っているファンドを探していく過程で複数ファンドを持つことはむしろいいことだと思います。
70% グローバル3倍3分法ファンド
30% eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
リスクを抑え目にする時のポートフォリオでよく言われるのが、
債券:7
株式:3
です。
ポートフォリオCはそのコンセプトを生かしつつ、債権よりもよいパフォーマンスを目指そうという内容です。
グローバル3倍3分法ファンドには、信託報酬が安くないという他にも、10年償還(かも)リスクのデメリットがあります。
詳しくはこちらから。
それに出来てからの日も浅い。
最低でも2~3年以上経たないと、ある程度の評価は出来ないでしょう。
良さげな雰囲気は感じてもらえたと思いますが、良く考えて、自分に合っているか確認してから購入しましょう。
もちろん、私みたいにノリと勘で少額からスタートするのも悪くないと思います。
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