早くFIREしたいならインデックス投資より高配当投資がいい
今年に入ってからやけにFIRE(経済的自立による早期リタイア)の話題を耳にします。
今回は、「早くFIREしたい」ならインデックス投資より高配当投資がいい、っていう話です。
老後資金をためるならインデックス投資が最強
まず大前提として、個人投資家のすべてがFIREしたいわけじゃないですよね?
「普通に60~65歳くらいで引退し、そこから豊かな生活を送るため」に投資している人がいるはずです。いやむしろそっちのほうが多いかもしれない。
その場合なら高配当投資じゃなくてインデックス投資が最強だと思います。S&P500あたりの。
なぜなら、「配当金」+「売却益」=トータルリターンはインデックス投資のほうが高いと言われているからです。
例えば、1000万円を20年投資(あくまでイメージ)
高配当株 ⇒ 「配当金600万円」+「売却益1000万円」=「トータルリターン1600万円」
S&P500 ETF ⇒ 「配当金180万円」+「売却益2000万円」=「トータルリターン2180万円」約600万円多い。
これはどんぶり勘定ですが、だいたいこんな感じになるはずです。
なので、ネットの識者や本でインデックス投資が最もいいと言われているのはある意味正しいわけです。
早く安定してFIREしたいなら高配当株がいい
反面、「早く安定してFIREしたい」なら高配当株がいいと私は考えています。
理由は、配当金で生活費をまかなうフローだから元本が減らず、遠い未来も読みやすい、そしてより少ない投資額でFIREできるからです。
例えば高配当戦略なら資産6000万円で済むところが、もし投資信託やインデックスETFでFIREしようとすると7000万円必要になるイメージです。(あくまで参考例)
インデックス派は残り1000万円分サラリーマンなどをしながら増やす必要があるわけです。
仮に50歳でFIREするとして、上記を数字で当てはめてみると、
高配当戦略 : 6000万円を税引き後3.5%で運用する ⇒ 年間210万円のキャッシュフロー(FIREしてから死ぬまで)
インデックス戦略 : 貯まった7000万円を年間210万円取り崩していく… 50歳から100歳までの50年間で1億500万円使う(210万×50年)
これもざっくりした計算ですが、インデックスのほうも運用は続けるのでさらに増えていき、死ぬ間際まで必要な1億500万円はきっと増やせているでしょう。
・・・
ただ、これ見て不安になりませんか?
『たった7000万円ぽっちで早めにFIREして俺(インデックス派)大丈夫か?』と。
本当に足りるのか?と。
もし途中でガツンと暴落が来ても日々の生活費はかかってしまうから、投資元本を削り続けることになる……
途中で足りなくなって慌てて働いたりするのかな……?
暴落時はマイナス3000万円は覚悟する必要がある
先ほど、インデックス派はプラス1000万円くらい多めに貯めないといけないと言いました。
皆さんの中には『ツールでシミュレートした結果そんなことはないよ』とか、『偉大な先人がインデックス投資でFIREしてるから自分も大丈夫』とか思っている人もいるかもしれません。
ただ、5000万~1億円くらいのFIRE可能額あたりまで増えた(あくまで含み益が増えた)ときに、もしも暴落が来たら資産の管理画面にマイナス3000万円くらいの数字が映っているのを見る覚悟が必要です。
そのとき本当にFIREできるでしょうか? もしくはFIREした後だったら猛烈に不安になりませんか?
インデックス派は多めに貯める必要なんてない、と本当に言えるでしょうか?
思える人は全然OK。
思ったより長生きしちゃうのもリスクだ
不安要素はまだあります。
それは「思ったより長生きしちゃう」リスクです。『俺多分これくらいで死ぬかな~』と思って運用額をコントロールしている中、それより間違って(笑)長く生きちゃうとさらにお金が必要になるわけです。
いずれにしても、『ツールでシミュレートしたら大丈夫そうだった』とか、『あの人はうまくやっている』とかは信用しないほうがいいです。
さらに言えば、暴落時や含み損が多いときなどの自分自身も信用しないほうがいいです。
私の場合、『有事のとき、こいつ(自分自身)は絶対やらかすに決まってる!』と、あらかじめ自分を俯瞰して設定し、感情や理論ではなくシステムで機械的に「やらかしを回避=高配当戦略」する建付けにしています。
机上の理論では「インデックスでもFIREできる」と最初は思っていましたが、上記のように「読みづらく、精神のコントロールもハードになるなら私には向かないな」と思って高配当戦略に舵を切ったんです。
もちろん私はインデックス派を否定してません。自身もVOOにかなり資金を振ってますし。
高配当戦略にもデメリットはある
高配当戦略にも当然デメリットがあります。
高配当銘柄は株価が全然上がりません。エネルギー株なんてSDGs、ESG投資、シェールオイルの観点からもオワコンと言われていますし、公益株、不動産株といったその他の高配当セクターも売却益は大して望めません。
それに、上記のような暴落が来たら高配当派も無事では済みません。
ただ、その暴風(数ヶ月?数年?)を耐える配当金が支え(生活費と心=冷静な判断力)になるわけです。多少減配したとしても。
バランス戦略も悪くない
そんなことを言っている私は実は高配当株オンリーではなく、VOO、投資信託なども全体の3~4割保有しているので「高配当寄りのバランス型」の建付けになっています。
参考まで。
関連記事