年金を、自分が積み立てた分もらえるとか、もらえないとか、損とか得とかの議論があります。
それはそもそも間違いで、年金はいざというときの「保険」なんです。現に私たちが納めている年金は「年金保険料」として納めています。
自動車保険では「なかなか人を轢なかくて保険が出ないから残念」とか、火災保険で「家が燃えてくれなくて保険が出ないから残念」とか思いませんよね?
年金もそれと同じで、万が一のための保険なんです。
万が一の保険とは、
「ついつい長生きしちゃった!(てへぺろ)」
「パートナーが死んじゃった!(悲しい!&お金が・・・)」
「病気になっちゃった!(仕事ができない!)」
これらのリスクに備えるためのものなんです。
今回は、上記3番目の「障害年金」の話です。
さきほどの3つのリスクにも年金は対応しています。
「ついつい長生きしちゃった!」 ⇒ 老齢年金
「パートナーが死んじゃった!」 ⇒ 遺族年金
「病気になっちゃった!」 ⇒ 障害年金
これ以外にも「短期在留外国人の脱退一時金」、「脱退手当金」とかいろいろありますが、重要なのは上の3つです。
皆さんの中には、「老齢年金しか知らなかった」とか、「遺族年金があるのは知ってたけど障害年金はよく分かってない」という方もいるかもしれませんね。
年金は、実は多くのリスクに対応したトータル・パッケージ保険なんです。
今回は障害年金に絞って話します。
障害年金とは、厚生年金保険、国民年金、共済年金すべての人を対象に支給される年金の1つです。(共済年金は2015年に厚生年金保険に統合されました)
言葉の通り、怪我や病気で支給されます。
対象になるのは、
などが有名ですが、以下のようにまだあります。
【目・鼻・耳の障害】
白内障、緑内障
特発性難聴、メニエール病、
外傷性鼻科疾患、咽頭摘出や脳梗塞による言語機能の消失
【肢体の障害】
脳血管疾患、脳腫瘍、脳挫傷、パーキンソン病、ヘルニア、慢性関節リウマチ、アルコール性末梢神経障害
【精神の障害】
うつ病、双極性障害(躁うつ病)、統合失調症、気分障害、発達障害、アルコール依存症、ダウン症、てんかん、若年性アルツハイマー、認知症
【循環器・糖尿病の障害】
心不全、ファロー四微症、ペースメーカー装着
人工透析、腹膜透析、慢性腎不全、糖尿病性腎症、慢性腎炎、肝硬変、肝腫瘍、糖尿病
【がん・その他の障害】
悪性新生物(がん)(肝臓がん、肝細胞がん、舌がん、前立腺がん、胃がん、大腸がん、直腸がん、乳がん、子宮体がん、肛門がん、悪性リンパ腫等)、骨髄腫、脳腫瘍、HIV、ヒト免疫不全ウイルス感染症、白血病
上記のように高齢者はもちろん、若年層でもかかる可能性がある疾患も、障害年金の対象になります。
上記でもたくさんありますが、これでもまだ一部です。
健常者でも明日は我が身かも。
気になるのは支給額。
障害年金には「障害基礎年金」という金額があり、以下の「障害等級」による金額が変わります。
障害基礎年金1級 ⇒ 年間 約97.5万円(月額 約8.1万円)
障害基礎年金2級 ⇒ 年間 約78万円(月額 約6.5万円)
さらに、
に別途障害年金が加算されます。
注意点として、障害になったとしても、受給は申請から5年前までしか遡れないので、早めの手続きが大切なんです。
詳細はこちら。
障害認定日請求
初診日から1年6か月経過した日、あるいは、それ以前の「治った日」の障害の程度が障害等級に該当しており、他の要件を満たしていれば、その日以降いつでも請求手続きができることになり、障害認定日の翌月分から障害年金が受給できます。
この請求では、たとえ請求の時期が大幅に遅れても、年金は最大5年分を遡及して受給できます。
出典:NPO法人 障害年金支援ネットワーク
『自分のケースは認定されるのかな?』
『私はいくらもらえるんだろう?』
『そもそも意味が分からない』
など、不明な点があれば、日本年金機構へ相談しましょう。
日本人は外国人と比べて、自分の権利を主張するのが下手と言われています。
大昔は違っていたと思いますが、いつしか自動的な他力本願のクセがついているのかもしれません。
困っているときは自ら動く。
行政や第3セクターに相談したら、道が開けることは意外にあるものなんです。
そして、改めて言いますが年金は保険です。
フリーランスなどで、「年金なんてあてにできない」と言って払ってない方。
しっかり調べた上で、それでも払うことを私はおすすめします。
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