損益確定は11月中にしたほうがいい理由
楽天・米国高配当株式インデックスファンドを売却
2018年9月、楽天・米国高配当株式インデックスファンド、通称「楽天VYM」を解約(売却)しました。
運用成績は、利回り8.20%。大変優秀でした。
楽天VYMがリリースされたのが2018年1月10日。その設定日後まもなく2月のVIX指数ショックがあり、価格は大きく下がりました。
しかし、最近はほぼ最高値圏内におり、今後も着実に値上がりするでしょう。
では、そんな楽天VYMを私はなぜ売却したのか?
私が楽天VYMを売った理由は税金対策
私が楽天VYMを売った理由は、来年の確定申告に向けた「税金対策」です。
それは、今年売却損を出した分を利用して、「他の売却益にかかる税金を減らしちゃおう!」っていう狙いなんです。
私は、会社員なので収入で一番多いのは給与です。ETFの配当金やその他副収入は給与よりまだ多くありません。そして、給与にかかる税金は源泉徴収(天引き)されています。
しかし、それでも申告の仕方によっては「還付金」が戻ってきますので、確定申告をしたいんです。
株や投資信託は、損益を平らにできる
株や投資信託は、どこかで得をして、どこかで損をしても、それを合算して利益の操作ができます。
例えば、楽天でひふみプラスを売ったら10万円の「損失」が出た。
片や、楽天でVOOを売ったら10万円の「利益」が出た。
このような場合、本来ならVOOを売った10万円の利益に対して、約2割の2万円税金を持っていかれるはずなんです。(正確には20.315%)
しかし、上記の場合、損益通算といって、損益がプラスマイナスゼロとなるため、税金は払わなくていいんです。
私達個人投資家は、利回りを「6%なら7%に、7%なら8%に」と、1%でも高みを目指して、「自分にできること」を努力します。
そんな中、実現利益の20%を税金で持っていかれるのは、「キレイに育った娘を村を治めている豪族に問答無用で奪われるような」やるせなさがあります。
なので、良い利回りの商品を選ぶことも大事なんですが、名目利回りでなく、「実質利回り」を上げる上で節税対策も非常に大事なんです。
損失は「3年間繰越控除」できる
損失の計算は「3年間繰越控除」というありがたい制度があり、損失を出した年を含めて3年間繰り越しが可能です。
しかし、それは「出来たらラッキー」くらいに考えていまして、基本は一年区切りで損益を調整したいと思っています。
このあたりの考え方は人それぞれですが、私は少数派かもしれません。
損益は11月までには確定したい
私は、FXからの習慣なんですが、11月までには当年の損益を確定したいと思っています。
理由は、12月に入ってからだと日数があまりないため、損益のコントロールがむずかしいからです。
今年はアメリカ中間選挙が11月6日にあるため、選挙前後の相場が大きく上下する可能性があります。
そうなると、10月中旬には、当年の実現損益はある程度確定したいんです。
VGSHで売却損が出ている
私は今の自分の投資ステージでは債券は不要と考えています。
しかし、以前米国債券ETFの「VGSH」を持っていて、今年それの売却損が出ているため、損益調整をしたかったんです。
「あれ? ぱたるは債券はいらない!って言ってなかったっけ?」
と覚えている人もいるかもしれませんが、たしかに基本的には債券は不要だと思っています。
過去記事 債券不要の理由とは?
VGSHを買った理由は、2017年の9月か10月ごろまで、VGSHはSBI証券のカストック(※)で金利が1%もついていたんです。
(※カストックとはSBI証券独自の「貸し株サービス」で、カストックに自分の持ち株を預けることによって、銘柄により0.01~1%ほどの金利がもらえる)
それで、「米国ETFの待機資金の置き場所として最適だ!」と思って6万ドルほど買っていました。
しかし、その後、カストックの金利が1%から0.01%といっきに100分の1に下がったため、待機資金先の需要がなくなってしまったわけです。
売却時は価格は購入時より下がってはいたものの、配当金も入っていたので損失額はそれほどでもありませんでした。
ドル安時に売却すると損失が出るのでお得!?
しかし、購入時より大幅なドル安時に売却したため、その分「損失が大きいと計算されてしまった」のです。
これ、実はとっても「お得」なんです。
なぜなら、私のような米国ETFをメインとしている投資家の場合、売却してゲットしたドルでまた他のドル建て商品を買うため、売却時にドル高だろうが、ドル安だろうが、「関係ないんです」
あくまで、円転したときに損得の違いが出るだけなんです。
なので、「損してないのに」他の金融商品の利益相殺に利用できるわけですから、とってもお得なんです。
VGSHの損を楽天VYMやその他で埋める
現在、VGSHで表面上損失が出たので、それを利用して配当金にかかる税金を無くそうと画策しています。
話は冒頭に戻りますが、そんなとき、楽天VYMも売って節税に貢献させようと考えたわけです。
では、なぜ楽天VYMを売ったのか? これはまた次回あたりにブログで紹介したいと思いますが、一言で言うと、「楽天VYMをあまり重視してないから」です。
最近になって、FANG+やi Free ナスダック100など、良い投資信託が増えているので、ノリで買ったような投資信託は精査して減らしたいと思っていたところだったんです。
FXやCFDは損益通算できない
私の基本となる投資方針はバイ&ホールドです。なので、それほど頻繁に、売却益や売却損が出る環境ではありません。
しかし、サブ投資と位置づけているFXやCFDは違います。ETFや投資信託と比べて売買頻度は多いため、都度、実現損益が確定します。
そして、非常に残念なのが、【FX・CFD】は税制が【株・ETF・投資信託】とは違うため、損益通算できないんです。
つまり、FXの損を、ETFの利益で埋められないということです。もちろん、逆も同じ。
FXは現在はやっていませんが、今年はじめに5万円ほどの損失が出ています。しかし、CFDの分でプラスになっており、FXとCFDは損益通算できるので、少しは節税できそうです。
保育所の待機児童がいる人は確定申告をしないほうがいいかも
確定申告は面倒なイメージがありますよね?
実際はそうでもないんですが、保育所の待機児童がいる人は確定申告をしないほうがいいかもしれません。
理由は、所得証明が必要になる際、確定申告したことによって、保育所に入れる基準から外れてしまうことがあるからです。
そういう人は、証券会社の特定口座の「源泉徴収あり」を選んで確定申告しないことをオススメします。
まとめ
一口に「投資」と言っても、それに関わる範囲は広いです。
例えば、10万円しか投資してない投資信託の信託報酬が0.2%だろうと、0.3%だろうと大して気にする必要もありません。
それよりも、収支を精査して家賃や食費、接待交際費などを見直すことによって、投資利回りに換算すると5%も収支が向上することがあります。無駄な保険を見直すことも同様です。
今回は節税に関わる話でしたが、以下の対策をすることで投資効率は高まります。
- 収入の増加(会社での役職アップや副業の実施)
- 家計の節約(家賃や保険など額の大きいものやスマホなどの通信費をメインに)
- アセットアロケーション(ここを外すと利回りは落ちる)
- ポートフォリオ(個別株やグロース株のリスクコントロール)
- 節税対策(損益通算や確定申告)
投資や資産運用を行う、考えるということは、上記とも密接に関わっていきます。
私は、投資や資産運用をしてないころの自分と比べると、している今の自分のほうがお金全般に賢くなってきているのを実感します。
投資をすることの副産物ですね。
ん? それともそういう人間だから節約したり、投資したりするのかな?
自己分析しましたが答えは出ませんでした(笑)