FOMCメンバー「タカ派・ハト派」変化表[2019年9月]
次回FOMC発表は9月19日3時AM
FOMC(Federal Open Market Committee=連邦公開市場委員会)とは、アメリカの政策金利(FF金利)などの金融政策を決定する会合名であり組織名です。
次回FOMCの日程はこちら。
FOMC : 9月17日~9月18日
政策金利の発表 : 9月19日 午前3:00(日本時間)
パウエル議長の声明 : 9月19日 午前3:30(日本時間)
FOMCメンバーは計10人。
それぞれ考え方の違うタカ派とハト派、そして中立派に分かれており、その時々で強い勢力が金融政策に大きな影響を与えます。
タカ派・ハト派は少しずつ変化していく
FOMCメンバー10人には、
タカ派(猛禽類の鷹=金融引き締め派=景気に強気の見通し=金利を上げたい人)
と、
ハト派(平和の鳩=金融緩和派=景気に弱気の見通し=金利を下げたい人)
がいます。
また、上記どちらでもない中立派もいますが、その時々の雇用状況やインフレ状況、経済状況により、自分の立場を変えることがあるんです。
2019年FOMCメンバー「タカ派・ハト派」志向の変化はあったか?
では、先月8月からメンバーの志向が変わったのか? 見ていきましょう。
以下表は、9月14日現在の2019年FOMCメンバー「タカ派・ハト派」一覧表です。右列の前月とは8月までの志向を表しています。(この表は毎月更新予定)
なお変化の基準は、各人の最近の発言内容を運営者ぱたるが判断し、反映しています。赤字が変化した人。
名前 | 役職・地区 | 現在 | 前月 | |
チャールズ・エバンズ | シカゴ | ハトS | ハトS | |
ジェームズ・ブラード | セントルイス | ハトS | ハト | |
ラエル・ブレイナード | FRB理事 | ハト | ハト | |
ミシェル・ボウマン | FRB理事 | 中立 | 中立 | |
リチャード・クラリダ | FRB副議長 | 中立 | 中立 | |
ジェローム・パウエル | FRB議長 | 中立 | 中立 | |
ジョン・ウィリアムズ | ニューヨーク | 中立 | 中立 | |
ランダル・クォールズ | FRB副議長 | タカ | タカ | |
エリック・ローゼングレン | ボストン | タカS | タカS | |
エスター・ジョージ | カンザスシティ | タカS | タカS |
志向の変化は、
ジェームズ・ブラード:ハト ⇒ ハトS
発言はこちら。
9/3 ジェームズ・ブラード・セントルイス総裁 「FEDは現在よりも0.50%の利下げをすべき」
パウエル議長なんてハト派って言ってもいいんだけど、ちょいちょい中立派のフリしていい子ぶることがあります。
※ ハトS=ハト・スーパー:より強いハト派
※ タカS=タカ・スーパー:より強いタカ派
※ 地区名のあとに「○○連邦準備銀行総裁」が正式ですが、記載省略しています。(例:シカゴ連銀総裁)
※ NY以外の連銀総裁は2020年に入れ替わります。
2019年FOMCメンバー最近の発言
以下、最近のメンバーの発言です。(全て拾い上げられていない可能性があります)
8/7 チャールズ・エバンズ・シカゴ総裁 「インフレ見通しだけでも追加緩和を要する」
8/22 エスター・ジョージ・カンザスシティ総裁 「景気減速しなければ利下げ必要ない FEDは中立的、7月利下げで緩和的ですらある」
9/3 エリック・ローゼングレン・ボストン総裁 「データ順調ならFRBが直ちに行動する必要ない」
9/3 ジェームズ・ブラード・セントルイス総裁 「FEDは現在よりも0.50%の利下げをすべき」
9/4 ジョン・ウィリアムズ・NY総裁 「米経済は好ましい状況、リスクと不確実性に直面」
9/6 ジェローム・パウエル議長 「米経済は依然として順調に推移、世界経済の鈍化や不確実性、低インフレがリスク」
青はハト派。赤はタカ派。
タカ、ハト、中立がバランスよく並んでいます。
2020年FOMCメンバー「タカ派・ハト派」志向の変化はあったか?
次に、来年2020年のFOMCメンバーも見てみましょう。(2019年のメンバーは、NY連銀総裁以外は2020年に下記メンバーと入れ替わります。)
名前 | 役職・地区 | 現在 | 前回 | |
ニール・カシュカリ | ミネアポリス | ハトS | ハトS | |
ロバート・カプラン | ダラス | 中立 | 中立 | |
パトリック・ハーカー | フィラデルフィア | タカ | タカ | |
ロレッタ・メスター | クリーブランド | タカS | タカ |
志向の変化は、
ロレッタ・メスター:タカ ⇒ タカS
2020年FOMCメンバー最近の発言
8/22 パトリック・ハーカー・フィラデルフィア総裁 「状況見極めで当面様子見するべきだ」
9/4 ニール・カシュカリ・ミネアポリス総裁 「逆イールドを無視すれば危険、金融政策は貿易戦争に対抗する手段としては弱い」
9/5 ロレッタ・メスター・クリーブランド総裁 「金利モデル、利上げの必要性を示唆」
カシュカリ・ミネアポリス総裁が逆イールドに言及しています。
FOMCメンバーの注目人物、ポイントとは?
私が注目している人、ポイントは以下です。
- パウエルFRB議長
- NY連銀ジョン・ウィリアムズ総裁
- 今の金融情勢と逆の支持者(今は緩和傾向なので、タカ派の人)
- 志向と逆のときが一番サプライズ
詳しくはこちらを参照ください。
9月18日のFOMCは利下げか? 据え置きか?
さて、9月18日のFOMCは利下げか? それとも据え置きか?
Fedウォッチ(※)を見てみましょう。(※FF金利先物の値動きによるFF金利予測)
9月16日23:20現在。
1.75~2.00%へ利下げ : 70.4%
金利据え置き : 29.6%
お、据え置き確率がまた上がってる。
3割まで来たか~、こりゃひょっとするとひょっとするか。
だが、依然利下げが有力のようです。
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