米国株は円安で買い、円高で損切りすると逆に儲かることがある
2018年度の確定申告が無事完了。
申告書を作っている時、改めて「できるなら損益のコントロールって大事だな」って思ったことと、実際に損切りしたのに儲けた話を紹介します。
結論から言うと、米国ETFの売買で損益がプラスなのに「計算上24万円ほどマイナスに計算され、節税になった」っていう話なんです。
ETFを円安時に買った
順を追って説明します。
私は2017年にSBI証券でVGSH(米国短期国債ETF)を、1ドル111円の円安時に4万ドル(660口)ほど買いました。
価格は一口60.60ドル。
買う前に安くドル転していたので、実際は111円で買っていません。
その後2018年に、1ドル106円の円高時、価格は一口60.08ドルと少し下がったところで売却。
価格が下がったので344ドル(約36,000円)ほど損がでました。
表にすると以下になります。
為替 | 価格 | 660口の評価額 |
111円時に購入 | 60.60ドル | 39,996ドル |
106円時に売却 | 60.08ドル | 39,652ドル |
5円差 | 0.52ドル差 | -344ドル |
しかし、当時はSBI証券のカストックで1%の金利と、配当も1%ほどあったので、計2%のリターンを得ていました。
そのため、売却するときは344ドル以上のリターンをすでに得ていたので損益はプラスだったのです。
売ったドルで他の米国ETFを買ったため、為替損もありません。
取引報告書では24万円のマイナスと計算された
VGSHのカストック金利が0.01%と100分の1まで下がったため、私は売却したのですが、実損はなく、むしろプラスになっていました。
しかし、その後SBI証券からの取引報告書を見ると、24万円くらい損が出たことになっています。
売買時のポジションを円換算するとこうなります。
購入時111円 ⇒ 39996ドル ⇒ 円換算で約444万円
売却時106円 ⇒ 39652ドル ⇒ 円換算で約420万円
つまり、直接ドル買いもしてなければ、円転もしてないのに「為替差損」が出た計算になっていたんです。
米国株は円安で買い、円高で損切りすると儲かることがある
改めて、タイトルの「米国株は円安で買い、円高で損切りすると儲かることがある」の意味は伝わったでしょうか?
ちょっと分かりづらかったかな?
ポイントは、
事前にドル転していても、売買は円換算で計算されるということ。
もちろん円貨決済の場合も同じ。
私のように、米国高配当ETF(株)戦略の人は多いと思います。
であれば、配当金は勝手に吐き出され、源泉徴収なり、後払いなりしなければなりません。
その税金を節税するチャンスが今回の方法なんです。
現在の為替は112円前後。
もしあなたが、損切り候補の株で、112円より円安で買っていたら「必殺!仮想為替損」の技で計算上の損を増やせるかもしれませんよ。
つまり、
「配当金(譲渡益)の税金払いたくないな~」
↓
「必殺! 仮想為替損」
↓
「からの、必殺! 損益通算のコンボ完成!」(普通に申告分離課税にすればOK。総合課税では損益通算できない)
↓
「多少損も出たけど、それを上回る節税ができた!」
こんな感じ。
あと、タイミングがうまくいくか分かんないけど、損切りの可能性がある個別株はなるべく円安時に買うっていうのもありかもね。
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