SBI FXでドル現引きのやり方・メリット・デメリット

投資全般

米国株投資家なら、安くドルを仕入れて株を買いたいものです。

そのための手段の1つが「SBI証券でドルを現引きする」ことなのです。

 

現引きとは?

現引き(げんびき)とは、信用取引の決済方法の1つですが、今回説明する現引きはFXの現引きです。

FXの現引きとは、システム上のドルを、現金のドルとして証券口座に入れることです。

 

SBI証券のFX口座(SBI FX α)でドル/円ペアを買っていた場合、それはシステム上で買われているだけなので、そのドルで米国株を買うことはできません。

そこで現引き(現引)を利用することで現金のドルをゲットでき、米国株の購入資金として使えるというサービスです。

SBI FX αの口座開設は、SBI証券のWEB上から手続きし、即日利用可能です。

(※注意 グループ会社の「SBI FXトレード」は、名前が似ていますが現引きはできません)

 

ちなみに他の大手ネット証券の楽天証券、マネックス証券では現引きはできません。

 

現引きのメリット

FXで現引きするメリットは以下の2つ。

  • 為替手数料を安く出来る
  • 金利(スワップ)を稼げる

それぞれ説明します。

 

為替手数料を安く出来る

SBI証券で米国株を買う場合、

円貨決済

外貨決済

の2つの方法があります。

 

円貨決済はそのまま円で買えますが、片道25銭(往復の売買で50銭)の手数料がかかります。1万ドル買ったら往復で5000円もかかってしまいます。為替レートも基準時間により不利になるかも。

 

できれば、あらかじめドルが安い時に、安い手数料でドル転するのが理想なんです。

 

以下は、ドルの買い方を手数料の高い順で並べました。

高い:片道25銭 ⇒ 円貨決済(米国株を買う前提)

安い:片道4銭 ⇒ 住信SBIネット銀行でドル転(外貨普通預金)

安い:片道2銭 ⇒ 住信SBIネット銀行でドル転(外貨積立)

最安:片道0.5銭 ⇒ SBI FXα(SBI証券のFX)で現引き

 

FXでドル転すれば1万ドル買っても往復の手数料はたったの100円です。

将来、何百万円、何千万円と米国株を買う予定の人は、こういった手数料にも気を配りたいですね。

 

ただ、住信SBIネット銀行も十分安いので、それで十分だという人は無理にFXをやる必要はないでしょう。1万ドル買っても往復800円ですし。(外貨積立なら400円で済む)

 

金利(スワップ)を稼げる

2番目のメリットが「金利(スワップ)を稼げる」ことです。実は、私が現引きを使う理由はこっちが主な目的なんです。

 

FXでは金利のことを単にスワップとか、スワップポイント、スワップ金利などと呼びます。(スワップ=スワッピング(swapping)=交換=金利差)

2019年5月現在、米国の政策金利は2.25 %~2.50%です。日本はマイナス金利。米ドルを買った場合、金利の差額をもらえるわけです。

 

しかし、単純に2.5%の金利がもらえるわけではありません。2019年5月現在、住信SBIネット銀行で米ドルの普通預金は金利0.7%です。

これは、名目金利からインフレ率を引いた実質金利や、ロンドン市場での銀行間取引、各銀行の利ざやなども関係していますので、他の銀行でもドルの外貨預金で2.5%の金利をもらえるところはないでしょう。(長期の定期預金や独自のサービスを除く)

 

ところが、SBI証券のSBI FX αでドル/円のペアを1ロット(1万通貨)買った場合、1日に80~90円くらいのスワップが付きます。5月8日のスワップは1日88円です。

仮に80円だとして1年間なら、80円 × 365日 = 29,200円もスワップがもらえるわけです。

 

FXは最大25倍のレバレッジをかけられますから、最低4~5万円の資金(必要証拠金)で1ロット(1万通貨)買えます。

ただ、相場の急落でロスカット(強制売却)されることもあるので、証拠金は多めに10~20万円は用意したいですね。

仮に20万円の証拠金で1年経ったら、金利はなんと14.6%計算です。これがスワップ金利の魅力なんです。

 

現引きのデメリット

メリットばかりではありません。デメリットもあります。

それは、コツコツ貯めたスワップ金利なんて、ちょっとした為替の急落であっと言う間にマイナスになるんです。

 

例えば、80円のスワップをコツコツ貯めて、10日後に800円になったとします。

ところが為替が一転。

50銭のドル安に動いてしまいました。1日で50銭動くのはよくあること。

すると、管理画面にこう表示されています。

建玉損益 -5,000円

スワップ損益 +800円

トータル損益 -4,200円

10日間の頑張りが1日(場合によっては一瞬)でマイナスに。

以上がデメリットです。

 

もちろん、レンジ相場や上昇相場が続けば、為替損益もスワップも両方プラスになります。

ただ、為替は読めないものなので、損切りを計算するか、長期に渡るスワップ狙いの戦略をきちんと立ててスタートするのがいいでしょう。

 

現引きの流れ

現引きの流れを簡単に説明します。

 

下の図はSBI証券の管理画面です。証券内でお金を行き来させるための画面で、右の列にFXや先物など、サービスごとで口座が分かれています。

 

赤四角で囲った右上に「FX口座」がありますね。その後の流れは、

証券総合口座からFX口座へ資金の振替

 ↓

FX口座でまず「ドル/円」を1ロット買う(最低1ロット=1万通貨から)

 ↓

そしてFX口座で「現引」をかける

 ↓

「証券総合口座」のほうに1万ドルが入金される

以上が流れです。

 

こちらはSBI FX αの画面。赤丸で囲った「現引」をクリックして進めていきます。

 

14:00まで現引きが完了したら、その日の14:30以降に証券総合口座に入金されます。

 

SBI FX α 現引きの概要

下表はSBI証券のサイトより、現引きの概要を表記します。

<現引き注文の概要>

対象通貨 米ドル-日本円
※ミニFXで取引された米ドル/日本円は対象外
注文時に必要な余力 取引数量×新規建単価×105%
注文可能チャネル FX取引サイトのみ
※モバイル、アプリからは発注できません。
注文可能時間 月曜日:夏時間冬時間ともに7:00~14:00
火曜日~金曜日:夏時間6:00(冬時間7:00)~14:00
※土日祝日は注文不可
現引きレート 注文日の14:30以降の当社の定めるレート
注文取消 現引き注文の取消しはできません。

出典:SBI証券

 

注意点は赤字の部分。

ミニドル/円は現引きできません。(ミニFXとは1ロット1000通貨と、10分の1単位で買えるサービス)

 

円は実際の金額より105%と多めに入金する必要があります。

例えば、1ドル110.0円だとして、110.0万円ではなく、115.5万円必要です。

 

時間については、その日の内に現引きしたいなら14時まで設定しましょう。

 

ぱたるの活用法

ちなみに私は、

「スワップ用」でミニドル/円

「ドル転用、為替差益orドル転どっちに転んでもいい用」に通常ドル/円

を分けて買っています。

 

購買単価を平均化するため、ドルコスト平均法に近い形でミニドルを買い、大きく下がったときに通常ドルを買っています。

参考まで。

 

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