米国株の損出しをせずに節税する方法②「殺し屋銘柄の候補」

投資全般

パート1の続き

 

損出しをせずに節税する方法の概要

前回のおさらいですが、米国株の損出しをせずに節税する方法、流れは以下です。

① 事前に安くドル転しておく(年間配当額の2倍から10倍くらいが目安)

② 過去3年間のドル円レンジでドル高の時に、ボラティリティが低い米国株や債券などを買う

③ ドル安になったら②を売り、税制上の損を出して利益と相殺(確定申告)する

以上です。

 

今回は、税制上損出しする銘柄の候補と、この手法のデメリットについて説明します。

 

損出し銘柄候補

前回は、税制上損出しする銘柄=利益を殺す銘柄(殺し屋)の例としてBNDで説明しましたが、他にも候補はあります。

私が候補として考えているのは「ボラティリティ(値動きの幅)が低いこと」

 

以下銘柄です。

  1. MMF:ブラックロック・スーパー・マネー・マーケット・ファンド
  2. VGSH:バンガード米国短期国債ETF
  3. VCSH:バンガード米国短期社債ETF
  4. BSV:バンガード米国短期債券ETF
  5. AGG:iシェアーズ・コア米国総合債券市場ETF
  6. SPAB:SPDRポートフォリオ米国総合債券ETF
  7. BND:バンガード米国トータル債券市場ETF
  8. PFF:iシェアーズ優先株式&インカム証券ETF
  9. ARCC:エイリス・キャピタル

 

7番目くらいまでは「ふーん、なるほど」と思うかもしれませんが、8、9番目に突然毛色の違うやつらが登場しています。

 

銘柄候補には両輪のバランスが大切

先ほど言ったように私が重視するのはボラティリティが低い(小さい)こと。

なぜなら、ドル安になるまで潜伏する間、本体のポートフォリオに迷惑をかけてほしくないからです。

 

殺し屋は黒子。

上がりもせず、下がりもせず、ただ黙ってドル安を待ちます。

 

そして来るべきその時に利益を殺し、自分も死ぬ。

基本はそういう地味な動きができる銘柄がベターです。

 

ただ、それは車で言うと片輪の話。

あくまで最低限の仕事です。

 

ある程度大金を投じて殺し屋になってもらう以上、その銘柄単体でも利益を出してもらわねばなりません。

仮に500万円くらい突っ込むとして、その500万円も利子なり配当なり、何かを生み出さなければ効率が悪いからです。

そう、もう1つの車輪は「配当金」です。

 

ボラティリティの低さと配当金による自立があってこそ、もしかしたら数年におよぶかもしれない戦いに勝利できるのです。(損失繰越は3年間)

 

ただ、勘のいい人は気付いたかもしれませんが、ボラティリティが低い銘柄は配当率も低く、逆にボラティリティが高い銘柄は配当率も高いんです。

銘柄候補には両輪のバランスを取ることが大切ですが、これは各人のリスク許容レベルや好みに左右されるでしょう。

 

銘柄候補のボラティリティと配当率

下の表は、先ほど挙げた候補銘柄のボラティリティと配当率を示しています。

 

ボラティリティは、リーマンショック後の高値-安値で計算し「騰落率」と表記しています。

配当率は2019年3月現在のYAHOO! FINANCEデータより記載。

下図は騰落率の低い順で並んでいます。

銘柄 配当率 騰落率 安値 高値
BS・MMF 2.07%
VGSH 1.90% 2.85% 59.6 61.3
VCSH 2.65% 4.00% 77.5 80.6
BSV 2.04% 4.49% 78 81.5
AGG 2.73% 7.69% 104 112
SPAB 2.98% 8.03% 27.4 29.6
BND 2.80% 8.97% 78 85
PFF 7.66% 18.42% 34.2 40.5
ARCC 9.31% 33.09% 13.6 18.1

 

(※BSMMF=ブラックロック・スーパー・マネー・マーケット・ファンド)

 

せっかくドル安になったのに、殺し屋本体が値下がりしていたらトータル損益に関わってきます。

だからボラティリティは低いほうがいい。

しかし、値下がりリスクがあるからこそ、高配当銘柄で譲渡損失をカバーするという考え方もできます。

 

ぱたるのおすすめはAGGとPFF

私のおすすめはズバリ、「AGG」と「PFF」

私の気質はハイリスクハイリターンなので、2%程度の配当率では満足できません。

それにこの手法は長期戦も覚悟しなきゃいけません。

大金がダラダラと2%程度の配当しか出さないなら、FXでもやっていたほうがマシです。(気分的にね。実際はともかく)

 

AGGは「バランス」に優れています。

配当は2.73%と、まともな債券の中では高レベル。騰落率は7.69%と低い。

 

え? 7.69%が低いどうか分からないって?

 

例えば、S&P500の騰落率が大体159%

ダンシングボーイのエヌビディアはなんと1323%

7%台なら非常に安定していることが分かりますね。

例えば8%なら、中間にいるとして、+-4%

上に4%動くかもしれないし、下に4%動くかもしれないってこと。

 

下はAGGの設定来チャート。リーマン時もあまり下がってない。

 

あ、こうやって見るとSPABも悪くないな。このあたりは好みでOK。

 

もう1つのおすすめはPFF。

こちらは「攻撃力」を生かして、守りはなんとかなるだろう作戦(笑)

配当率は7.66%でAGGの約3倍。

長期戦になれば配当金がゴンゴン積み上がっていくので、むしろ殺し屋どころかポートフォリオのメインになれるポテンシャルを秘めています。

 

下はPFFの設定来チャート。リーマン時に大きく下がっていますが、他は安定。

 

エイリス・キャピタル(ARCC)は破滅への堕天使か?爆益の使いか?

もう1つ気になっているのがエイリス・キャピタル(ARCC)

候補中唯一の個別株で、BDC(Business Development Company)と呼ばれる、REITに似ている仕組みで高配当が実現できる特殊銘柄です。

 

騰落率は33.09%とプチロデオ。

しかし配当率が9.31%と魅力的。価格も、長い目で見ると安定している。

 

下はARCCの設定来チャート。PFFと比べて、リーマン時に大きく下がり、安定度も下がる。

 

う~ん、悩むな~。

頭の声は「PFF」って言ってるんだけど、ハートの声から「ARCC」とも聞こえてくる(笑)

 

ま、しばらく考えるか。

 

税制損出し節税法のデメリット

この節税法のいいネーミングが思いつかないが、とりあえず「税制損出し節税法」としておこう。

 

税制損出し節税法はメリットばかりではありません。デメリットもあります。

当然ですね。そんなうまい話もない。

 

しかし残念ながらパート2はここまでです。

別にもったいぶってるわけじゃないんですが、デメリットがまとまりきっていません。

 

でもデメリットはあります。あんなことやこんなことが・・・

 

次回、パート3へ続く。

 

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