2020年はMSCIコクサイ逆襲の年になる

投資全般

今回は、日本人向けに作られ、日本人に人気で、だけど今までメジャーな米国株価指数には負けていた「MSCIコクサイ・インデックス」が逆襲するよっていう話をします。

 

MSCIコクサイ・インデックスとは?

MSCIコクサイ・インデックスとは、MSCI(モルガンスタンレー・キャピタル・インターナショナル)が提供する数あるMSCI指数の1つです。

 

この指数は、時価総額が多い米国株の構成比率が約68%以上と高いものの、日本を除く主要22カ国の先進国の平均株価から算出された「非常に安定感のある指数」として人気があります。

 

推測ですが、日本が除かれているのは、日本を含む先進国23カ国で構成されている「MSCIワールド・インデックス指数」と、日本のメジャー指数であるTOPIXや日経225と区別するためにできたのかもしれません。

 

こちらはMSCIコクサイを採用している「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」からの出典です。

比率はアメリカが多く、次にイギリス、フランスと続く。

 

2018年のFund of the Yearの1位にも採用されたMSCIコクサイ

MSCIコクサイ指数は日本で大人気です。

 

どのくらい人気かというと、「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2018」で、この指数が採用されている「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」と「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」が1位、2位のワンツーフィニッシュしたんです。

 

いずれも信託報酬が安いことも人気の一因ですが、指数そのものの信頼性も人気の理由でしょう。

 

ぱたるも国際分散投資に目覚めた

大人気のMSCIコクサイ。

 

人気の秘密は、政治経済が安定した先進国で占められていて、かつ、「国際分散投資」という耳障りがいいスタイルとマッチしている点だと思います。

 

かく言う私も、かつて十年前の短期投資志向から、数年前に長期投資のメリットを理解し始めたころに手に取った書籍は「国際分散投資」の本でした。

 

前述した「ニッセイ外国株式インデックスファンド」も、多くの本などにおすすめ投信として登場していたので、私も親鳥に刷り込まれたひな鳥のごとく、積み立てを始めたんです。

 

良さげな分散理論を米国株が打ち砕く

見た目だけかわいい短期投資という彼女より、地味だけど、実は才色兼備で国際分散の長期投資という伴侶を見つけた私の気分は高揚していました。

「時間はかかるが未来は明るいぞ」と。

 

・・・

 

そんな折、私の前に顕在化したのが「米国株価指数」の存在です。代表的な指数は、S&P500やダウ30ですね。

 

もちろん存在は知っていましたが、改めてMSCIコクサイを含めたいろいろな指数と比較してみると、米国株価指数は「成長性と安定感を兼ね備えている」ことが分かったんです。

 

こちらは青がS&P500。赤がMSCIコクサイを採用している「上場インデックスファンド海外先進国株式 1680」の5年チャート。

青のS&P500が上。

 

「もっといい才色兼備の伴侶がいたのか?」

 

普通のひな鳥と違って、私は親鳥を疑うという考えを持ち始めました。

 

・・・

 

「人によっては『米国株の一極集中はリスクが高い』と言っている・・・。なるほど、確かにその理論は理解できる。ただ、ダウはともかくS&P500は”グローバル企業”が含まれていて、500社もあるぞ。全部がそうではないが、十分国際分散投資になっているんじゃないだろうか」

 

そのように考え、私のポートフォリオはこちらにあるように米国株の比率が97%になっています。

 

2020年、MSCIコクサイの逆襲が始まる

そんな米国株に負けてきたMSCIコクサイですが、来年はそのライバルを蹴散らすことができるかもしれません。

 

こちらは、IMFが2019年10月に発表したMSCIコクサイに採用されている先進国22カ国+日本のGDP成長率です。右列の変化率とは2019年から2020年(予測)の変化率です。

先進国 2018 2019 2020 変化率
イタリア 0.86 0.01 0.54 4882%
香港 3.00 0.35 1.46 423%
ドイツ 1.52 0.54 1.25 229%
シンガポール 3.14 0.55 0.99 182%
スイス 2.76 0.76 1.26 166%
スウェーデン 2.32 0.94 1.46 156%
オーストラリア 2.74 1.71 2.26 132%
ノルウェイ 1.29 1.93 2.44 126%
フィンランド 1.66 1.24 1.47 118%
イギリス 1.40 1.24 1.45 117%
カナダ 1.88 1.55 1.76 114%
デンマーク 1.49 1.70 1.91 112%
ニュージーランド 2.81 2.51 2.70 108%
ベルギー 1.44 1.21 1.30 107%
オーストリア 2.75 1.61 1.70 106%
フランス 1.73 1.25 1.26 101%
イスラエル 3.44 3.13 3.07 98%
オランダ 2.60 1.77 1.64 93%
アメリカ 2.93 2.35 2.09 89%
スペイン 2.58 2.18 1.85 85%
ポルトガル 2.44 1.91 1.60 84%
アイルランド 8.30 4.25 3.50 82%
日本 0.81 0.89 0.47 52%

赤字は2020年に前年を上回る予測の国です。(成長率が高い順)

変化率1位のイタリアの4882%とは何でしょうか。2019年がボロボロだったとはいえ、こんなに変わるものか。

イスラエルとアイルランドのGDP高っ! 初めて知ったよ。小国なのに超高成長! あの国も見習ってほしい。

 

さて、注目は前年比マイナス成長でワーストに近いアメリカです。2%を割る勢いだ。

その他多くの先進国はプラス成長が期待できます。ドイツの+229%も頼もしい。

 

経済成長率=株価と正比例、というわけではありません。それにMSCIコクサイの大半は米国株が占めている。

しかし、十分逆襲が見込めるデータではないでしょうか。

 

ただ、香港の+423%はデモの影響で下方修正されるかもしれませんね。

 

ちなみに日本は・・・

前年比5割減・・・

ふー

 

結論=今まで通りで良い

以上、MSCIコクサイの逆襲話は終わりです。

 

でも、賢い皆さんはもう分かっていますね。

 

そう、○○年の成長がいいとか悪いとか、そんな短期のことはどうでもいいんです。

 

『米国株一極は私のスタイルに馴染まない』っていう人は今まで通り国際分散でOKですし、私のように米国株派も同じく粛々と買い進めていけばいいんです。

 

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経済が低迷しても株価はそれを織り込むものだ。

ぱたるのポートフォリオ。

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