投資の初心者が「絶対にやってはいけない投資」前編

投資全般

日本人は投資に否定的

当ブログでは、投資経験者と共に、特に「投資の初心者」に向けても解りやすく情報を発信していきたいという意図があります。

 

「でもどうしたら初心者に解りやすく伝えられるだろう?」

「そもそも多くの日本人は投資に不安感を持っていて、何かをお勧めする以前に心にシャッターが降りているのでないか?・・・」

「でも、このサイトにたどり着いている時点で積極的な人か?・・・うーん、どうなんだろう?」

そんなことを考えていました。

 

感情に壁があるから理論が通らない

「いい商品」や「いい手法」を紹介する前に、「心(印象や感情)と頭(理論や道理)」を近づける作業が必要なのかな?と思いました。

 

・・・ ・・・

 

日本人の多くは貯蓄にはポジティブで、投資には恐怖心、猜疑心を持っていると私は思っていますが、原因は以下ではないでしょうか。

  1. まわりの人に成功体験をしている人がいない(もしくは耳に入ってこない)
  2. マスメディアによる偏った情報発信

リスクを嫌う「国民性」もあるかもしれませんが、上記がなければ、投資の文化がかなり根付いていても不思議ではありません。

 

以前、テレビ番組で投資に対する街頭アンケートを取っていましたが、多かった意見は、

  1. 怖い
  2. 元本が減る
  3. よくわからない
  4. 難しそう

このあたりです。1~2でひとグループ、3~4でもうひとグループの分け方ができそうです。

 

つまり投資に対する悪い印象と、実際の道理を繋げて考える道筋がないため、「デメリットのほうが多そうだからやる必要ないな」というマインドになっていると思います。

アンケートの理由を見ていて、私も同じようなマインドだったら到底投資をする気にはなれないな、と感じました。

 

やることを決めるのではなく、「やらないことを決める」

上記のアンケート結果のようになるのは、正しい情報が人々に伝わっていないからです。

 

金融庁や各証券会社は「良い商品」や「良い手法」などを紹介して、世の中に投資を広めようとしています。(つみたてNISAや長期分散手法など)

しかし、思うように広まらない・・・

 

そこで、今回の企画は逆のアプローチをすることを考えました。

つまり良い投資を紹介するのではなく、「悪い投資」、「やってはいけない投資」だけを紹介しようと思います。

紹介するのはズバリ、「悪の投資ランキング」

 

理由は、世界中にある投資の商品が増えたり、制度変更により商品の中身が変わったりして、「何が良い投資がわかりづらい」からです。

多様な価値観と選択肢の多い現代の世の中で、物事を単純に白黒つけるのは難しいことです。

しかし、ここはあえて投資先、金融機関、手法など、運営者ぱたる独自の基準により、「悪の投資」を決定します!

 

ですので、投資の経験者で、さらに自身の投資手法に自信を持っている方は、「何で俺の投資手法が悪になってるんだ!」と憤慨するかもしれませんが、あくまで投資に興味を持っている初心者の方や、投資に対して恐怖心、猜疑心を持っている方に向けたものだとご承知おきください。

 

悪の投資を格付け

では悪の投資ランキングを「格付け」順に上位から紹介します。

Sランク【魔王】

Aランク【悪魔】

Bランク【鬼】

Cランク【殺人鬼】

Dランク【ヤクザ】

Eランク【ザイル】

 

どうでしょうか? なんとなくダークでポップ(笑)な雰囲気が漂ってきます!(ザイル?)

 

では出し惜しみ無くランクSから順番に発表します!

 

Sランク【魔王】金融機関を通さない株式・社債への投資

金融機関を通さない株式・社債への投資とは、証券会社や銀行を通さないで株などを買うことです。

魔王が地獄の釜であなたをグツグツと煮立てて、醤油だれにつけてぺロリと平らげるまでの流れを説明します。あ、やっぱり味噌だれにします。カブだけに。

 

ある日自宅に突然パンフレットが届く、もしくはメルマガから誘導されて、無料の投資セミナーに行く。

 ↓

「この会社は上場確実です」

 ↓

などと洗脳される

 ↓

投資しちゃう

 ↓

お金は1円たりとも返ってこない。

 

ぺロリ、むしゃむしゃ、ゴクンです。

「私は絶対騙されない」と思っている人に限って騙されるようです。

 

実は私も騙されかけました。以前いた会社の仕事で会った、「中国の野菜を安く仕入れる会社」の社長です。

  • 業界での圧倒的な優位性
  • 売上高の推移
  • 高い営業利益率

などの根拠を見せられ、投資を勧められました。

なんとなく乗り気がしなかったので投資はしませんでしたが、相手のクロージングが上手ければ騙されていたかもしれません。

 

2010年以降、国内の証券会社にはすべて信託保全が義務付けられました。つまり、証券会社が潰れても預けた資産は守られます。

普通の会社から直接株を買うのとは、安全度と信用度が全く違います。IPO(新規公開株)が買いたければ証券会社を通しましょう。

 

Aランク【悪魔】投資額がマイナスになる投資

投資額がマイナスになる投資とは以下になります。

・信用取引

・先物取引

・FX

・CFD

・その他レバレッジ投資

・借金での投資

 

上の魔王に比べれば、収支がプラスになる可能性は秘めているものの、初心者は絶対に手を出してはいけません。

 

よくドラマや漫画で「投資で失敗して夜逃げ」とか、「株が下がって自殺した」というエピソードがありますよね?

あれは、投資した金額以上を負けるリスクがある「レバレッジ投資」をしているからなんです。

 

例えば、「普通の株」を「余剰資金で」1000万円分買ってその会社が倒産したとします。株は紙くずになります。すごく悔しいです。数週間は茫然自失になるかも。仕事でもミスばっかりしそう・・・

 

しかし、余剰資金が無くなっただけでまた普通に働いて生活すればいいだけです。夜逃げも自殺もする必要はありません。(自己嫌悪になって自殺するのは別として)

特にダメなのが「信用取引」。数万円で買える株が少ないため、追証(追加の証拠金を入金要求されること)が入るときは大金を失っている可能性が高いです。

理性を失って、また同じ信用取引で前の損を取り替えそうして失敗する人もいるようです。

 

このパターンは、

  • 自己破産
  • 離婚
  • 横領
  • 自殺

など、最悪の結末になる可能性があります。

 

FXやCFDは少しマシな気がするが・・・

FXやCFDはまだ、数百円、数千円からもできるので、株の信用取引と比べると少しマシな気はしますが、レバレッジ投資をしている以上、急激な値動きがある場合に追証になるケースはあります。

為替にはストップ安なんかありません。目を疑うような凄まじい値動きにより管理画面の数字がどんどんマイナスになっていくのは恐怖です。

スワップポイント(金利)狙いのFXも、為替の変動リスクの前では、スワップポイントの数百円、数千円は1日で消し飛ぶことはざらにあります。特にトルコリラとか南アフリカランド。やめましょう。

スワップをコツコツ貯めた利益が数日で消し飛んだ経験者が今この記事を書いています(笑)

 

レバレッジなしの場合

仮想通貨は、レバレッジ取引するなら【悪魔の投資】に該当します。「1倍取引」を、余剰資金の10分の1以下で試すなら悪の投資には該当しません。まあ、あまりオススメもしませんが。

同様に、FXやCFDも「レバレッジなし」なら悪の投資になりません。

 

あと、S&P500の過去数十年の右肩上がりのグラフを見て、「こりゃ100%値上がりするから借金してでもやってみっぺ~!」というのももちろんアウト。

 

Bランク【鬼】金融機関の「窓口や営業マン」からの投資

金融機関の「窓口や営業マン」からの投資とは以下になります。

・ネット専業以外の銀行

・ネット専業以外の証券会社

・すべての郵便局

・すべての信用金庫

 

さあ、やってきました。ここの解説は非常に長くなります(笑)

 

なぜなら「鬼」というランクで上から3番目ですが、実は、ここが魔王を超える大魔王「SSランクのサタン」だからです。

 

日本証券業協会が行ったアンケートの統計によると、1000万円以上の投資をしている内の60%は60歳以上。高齢者で億単位の投資している人も多いでしょう。

 

そして、高齢者は残念ながらITリテラシーは高くないと思われます。結果、「窓口マンや営業マンのカモ」にされやすいのです。

つまり、日本人投資家の内、「高齢の高額投資家」が危険にさらされているのです。

 

順を追って説明しましょう。

 

野村證券、大和証券など「対面式」大手の証券会社は「バカ高い手数料」と「回転売買」を促して売上を上げていきます。業界トップの野村證券の売上は1.7兆円。

野村は高い営業力を武器に電話や対面で成果を上げていきます。大和はテレビCMなども使ったバランス型か。

 

実は私は以前、野村證券のIPOで稼いだ経験があり、他の証券会社だったら権利がなかったかな?と思うこともあったので、大手証券会社の安心感は高齢の富裕層に刺さっている可能性はあります。

 

しかし、ネット専業証券と比べて手数料は20~30倍とバカ高いので、50万円程度の投資では微々たるものですが、1千万円、1億円規模になるとコストは収益に非常に大きくダメージを与えます。

 

また、回転売買といって、初めは「投資は長期で」などとセールストークしておいて、「さらにいい商品があるので(お得な株があるので)」と既存商品の売却手数料、新規の手数料とダブルで荒稼ぎしていきます。通称「地獄のメリーゴーランド」。顧客は営業マンに回され続けます。

ほとんどの優良株、優良商品はネット専業会社でも買えますので、対面式の証券会社はやめましょう。

 

極悪中の極悪、「大魔王サタン」のホントの理由

話はまだ続きます。

 

というかここからが、なぜ私が金融機関の「窓口や営業マン」からの投資を「大魔王サタン」と呼ぶかの理由の本筋です。

結論から言うと、預貯金を預けている金融機関が善人面した大魔王だということです。

 

予備知識として、銀行や郵便局は顧客の懐事情を把握しています。

以下は、顧客データから「金づるを探している」銀行員、局員の心の声です。(ぱたるの妄想含む)

 

「この5000万何だ?親の遺産だな」

「うっひょー!退職金入金確認~♪ 2000万~♪」

「この人はリボ払いしているから脇が甘い属性か・・・」

「あのばあさん、毎週通帳記帳にきてるな」

「営業員諸君、来月満期の定期預金者リストはできてるか?それを元に攻めて・・・」

 

上記のように、銀行などは攻略する(商品を売りつける)相手のデータを持っています。

そのデータという武器を引っさげて、ク○投資信託やク○保険を売りつけていきます。例えば、

 

販売手数料と信託報酬が高く、元本から分配金を支払う「タコ足投資信託(※)」

・高額療養費制度を説明せず必要ない医療保険

・すべてのリスクを説明しない外貨建て保険

・年間手数料が2%を超えるファンドラップ

・ネット銀行の50倍の手数料の外貨預金

 

(※タコ足投信=タコが自分の足を食べて生きようとするさまと同じ投信)

 

これらク○商品を顧客目線ではなく、自分たちの手数料収入のために販売員、営業員が教育され、販売していきます。

「優秀」な社内研修により販売員は良い商品を勧めていると信じていますので、トークも自信に満ちています。(指導員はもっといい商品があることを研修では絶対に教えないでしょう。)

 

さらに、ファイナンシャルプランナーという有資格者による窓口販売も増えているので益々信憑性が高まります。

ですが、ファイナンシャルプランナーは経理、会計、金融、株式、債券、保険の仕組みなどの基礎知識を持っているだけで、顧客にあった資産形成、資産運用を適切にアドバイスできるかは疑問です。(ただし、その人が身銭を切って投資を継続している人なら意見に耳を傾けてもいいでしょう)

 

投資の実践者で無い限り、彼ら「対面営業・販売」の人は収入の歩合が高い「保険と投資信託」の販売だけします。

ですので、米国ETFや信託報酬0.2%の投資信託といった素晴らしい商品を勧めてくることは絶対にありません。

 

特に注意したいのは「こちらは初心者向けの商品です」といって勧められる商品です。初心者に向いた「投資のやり方」はありますが、「初心者向け」の商品などありません。低コストの商品はベテランにもいいし、初心者にもいいでしょ?

 

窓口だけじゃない、訪問営業マンも危険!

信用金庫や郵便局の営業マンも同様です。

 

高齢者の自宅を用も無く訪問し、徐々に関係を築きながら生き血を吸っていく輩もいます。

 

その営業マンと仲良くなった高齢者は、

「あの人はいつも私の話を聞いてくれる」

「銀行の人はお金のプロだから聞いておいて間違いない」

「電球も替えてくれて優しい、信頼できる」

などと言って営業マンを信じ込みます。

 

営業マンは相手の弱った心や身体に付け込んで判断を鈍らせていきます。

そんな善人面した人に「年金の足しにお勧めです!」などのトークでタコ足投信を勧められたらイチコロでしょう。

 

窓口営業からの投資は、ひとつ上のランク「悪魔のレバレッジ投資」と違って、高齢者を自殺に追い込んだり、夜逃げさせるような投資ではありません。

 

しかし、徐々にコストで削られていくのにそれを気付かせない巧妙な建付けになっているのです。

以上が裏・大魔王の解説です。

 

大魔王を野放しにしているはマスコミと「私たち」

日本の個人預金は900兆円。保有のほとんどが高齢者。その金額の多くは大手銀行に集まっているでしょう。

 

そして、その900兆円の生き血吸う大魔王をハントすべく、大魔王ハンターの金融庁が孤軍奮闘していますが、日本国民は笛吹けど踊らず。

原因は先にも挙げたマスコミに大きな責任があります。

 

特にテレビ。

高齢者はNHKをよく見ますので大魔王の城を強固に維持させているNHKに大きな責任があります。

そして大手金融機関からがっぽりとスポンサー収入を得て何も言えない民放各社もまた同罪。特にテレビ東京以外。

そして、大手の金融機関を叩けないマスコミを叩こうとしない、自分自身で勉強しようとしない私たちも同罪です。

 

金融庁の笛にマスコミは踊れない

マスコミと私たちが同罪と、前項で書きましたが、マスコミは商売なので数字が大事(視聴率など)

 

数字が取れるなら、金融会社がスポンサーじゃない番組で投資について紹介してもいいはずです。それをなぜやらないか? つまり、数字が取れないからだと思います。あくまで推測ですが。

「面白くない」とか、「分かりやすいロールモデルがいない」などの理由で番組が作れないのではないでしょうか。

マスコミは金融庁の笛に「踊りたいけど踊れない」だけなのかもしれません。少なくても今は。

 

【悪の投資】後編に続く

ここまで、

Sランク【魔王】金融機関を通さない株式・社債への投資

Aランク【悪魔】投資額がマイナスになる投資

Bランク【鬼】金融機関の「窓口や営業マン」からの投資

以上をお伝えしました。

 

後編は、

Cランク【殺人鬼】住宅不動産投資

Dランク【ヤクザ】無計画にお金を使う投資

Eランク【ザイル】分散しない投資

を紹介します。

 

※以下追記 2018年1月21日

悪い投資はほぼ網羅できたかと思っていましたが、実は漏れがありました。

私が愛読しているkaoruさんのブログで、良くない金融商品に「途中解約(売却)ができないもの」と書いてあったのです。

以下、【1級FP技能士kaoruのちょっといい話 – その投資はヤバイ!FPから見て“避けたい金融商品”って何?】より引用

例外的に再考を徹底的に促す金融商品があります。

その基準は何かというと「途中解約(売却)ができないもの」です。

ソーシャルレンディングなどが、そういった条件に当てはまりますね。

(中略)

金融商品を判断するときに、一番最初に私がチェックする項目は「途中解約(売却)の有無」です。

その理由は、これが資産保全の最終防衛ラインだからです。

途中解約ができない商品=悪い投資に入れるべき内容でした。

途中解約ができない商品はランクでいうと、Aランクですかね。

Aランクは、【悪魔】「投資額がマイナスになる投資」なので、途中解約ができない商品はこれと同じくらいの悪さがあります。

 

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