【考察】投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2018(みんなオーカン好きね)
1月13日に「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2018」の結果が発表されました。
「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は初登場で3位でしたが、「実質1位」だったと思います。
そのわけとは?
2018年の結果発表
2018年の順位はこちら。
- eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
- <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- 楽天・全米株式インデックス・ファンド
- eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
- セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
- バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- 楽天・全世界株式インデックス・ファンド
- eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)
『順当だな~』
と思う順位もあれば、
『え?これがこの順位?』
と意外に思う順位もありそうです。
2017年のFund of the Year
ちなみに2017年の順位はこちら。
- 楽天・全世界株式インデックス・ファンド
- <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
- 楽天・全米株式インデックス・ファンド
- 野村つみたて外国株投信
- eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
- ひふみ投信
- eMAXIS Slim 新興国株式インデックス
- たわらノーロード 先進国株式
- バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)※1
- iFree S&P500インデックス
前回からの動き
2018年の順位が、前回2017年からどう変化したか見てみましょう。
今回 | 前回 | ファンド |
1 | 13 | eMAXIS Slim 先進国株式インデックス |
2 | 2 | ニッセイ外国株式インデックスファンド |
3 | 初 | eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) |
4 | 3 | 楽天・全米株式インデックス |
5 | 5 | eMAXIS Slim バランス(8資産均等型) |
6 | 11 | セゾン・バンガード・グローバルバランス |
7 | 初 | VT |
8 | 初 | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) |
9 | 1 | 楽天・全世界株式インデックス |
10 | 初 | eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) |
ほほ~。
昨年1位の楽天全世界が9位か。
初登場4つの内、3つが「eMAXIS Slim」ブランド。強いね~。このブランドは。
ETFは7位のVTのみで、これまた初登場。
先進国株のみが2本
アメリカ株のみが2本
全世界の株が4本
バランス型が2本
このような結果でした。
実質1位は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」
もし、上記の2018年にトップ10入りしたファンドが、すべて年初から存在していれば、多分、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」が1位だったんじゃないかな。
だってこのファンドは2018年10月31日に設定されたばかりで、Fund of the Year 2018の受付期間は、2018年11月1日から11月30日までの1ヶ月間だけだったからです。
ほぼ、数日から数週間で初登場3位に上り詰めたわけです。
今回241名(有効投票人数)のブロガーが投票しました。
私も投票しました。
ブロガー1人につき5ポイント持ち点を持っており、5点全部を1ファンドに投票してもいいですし、5ファンドに1点ずつ振り分けてもOKのルールでした。
「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」には多くのポイントが入ったからこそ、1ヶ月も評価できる期間がないのに3位だったのです。
投資信託ブロガーの傾向がはっきり出た結果
今回の結果で、どのブロガーがどのファンドに何点入れたかは公表されません。
しかし、投票の「総意」はある程度はっきり出たと言えるでしょう。
そのポイントは3つ。
① 全世界に分散投資したいが、なんだかんだ日本が大好き
② 信託報酬は0.2%未満
③ ETFはマイナーで、投資信託がメジャー
上位を見ているとそう感じます。
① 全世界に分散投資したいが、なんだかんだ日本が大好き
オールカントリーと同じく初登場だった、「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」は今回10位。
やっぱりみんな日本が大好きなんです。全世界なのに日本が入っていない投資信託は嫌なんです。きっと。
1~2位は日本抜きの先進国ですが、先ほど説明した通り、設定日が早かったらオールカントリーが1位の可能性はあったと思います。
② 信託報酬は0.2%未満
これもはっきり意思を示した部分ではないでしょうか。
信託報酬の比較をしてみます。
3位 eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 0.15536%
9位 楽天・全世界株式インデックス 0.2196%
先行して人気を得た楽天全世界(通称楽天VT)は1位から9位に転落。
かたや、Slim オール・カントリーは初登場3位。
楽天VTは隠れコストが高いとも言われているので、ブロガーの皆さんは楽天VTに「NO」を示したわけです。
今や、人気ファンドの地位を得るには「信託報酬は0.2%未満」が常識になっているようです。
まあ、楽天VTがセゾン・バランスやSlim バランスにまで負けたのはびっくりしましたが。
③ ETFはマイナーで、投資信託がメジャー
これはしょうがいない部分もあります。
企画運営委員会のサイトにはこう書いています。
対象となる投資信託
2018年10月31日までに設定された投資信託(ETF含む)。
海外籍ETFについては、日本の証券会社を通じて買付可能なものを対象とします。
はっきりと「投資信託」と書いています。ETFは括弧扱い・・・。
こうだったらまた違ったのか?
「2018年10月31日までに設定されたETFや投資信託」
あまり変わらんかな。
だって、サイトの趣旨にこう書いています。
証券会社の宣伝やうたい文句にまどわされず、自分たちにとって本当によいと思える投資信託を投信ブロガーたちが投票で選び、それを広めることで「自分たちの手でよりよい投資環境を作っていこう!」というイベントです。
これは投資信託の歴史を踏まえる必要がありますが、要約すると、
『おい! 証券会社や銀行の窓口で投資信託売ってるお前たち! 素人だと思ってクズ商品を売りつけるな! お前らのような輩がいるから日本に投資が根付かないじゃねーか!
もう~いい! 俺たちでいい商品広めてやる! そうだ! やるんだ!』
要約するとこうなります。(意訳?)
なので、今までクズ投資信託を売りつけられていた過去との、決別の意思が込められている企画だと思うんです。
そうなると、
「いいETFを広めるぞ!」
ってなっても、多くの人は、
『はぁ・・・?・・・』
となってしまうんです。
だから投資信託がメインになるのは何も不思議ではないのです。
私だって、投資に興味を持っている人に説明する時に、
「俺はETFやってるよ。買い方はね・・・」
と説明して、
『うわっ、なんか大変そう!』
という反応だったら投資信託を勧めます。
ぱたるはETFをメインに投票
私は今回のFund of the Yearにどのファンドを投票したか?
前回記事でたいして引っぱるほど面白くはないのに、引っぱってしまったので答えを教えます。
前回記事
持ち点5点の内、以下のように振り分けました。
下のコメントは、投票時(昨年11月)に、何でこう振り分けたのか、メモしておいたものを記載します。(つまり過去に書いたメモ)
4点 : HDV(iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF)
「ETFはそもそも上位に来ないであろう。しかし、10~11月の世界株安でも鉄壁のディフェンスを誇り、かつ高配当のHDVは私のコア銘柄である。これを選ばずして何を選ぶというのだろう」
これは「ぱたる的」に外せません。
って、自分のコメントにコメントしている(笑)
1点 : iFree S&P500インデックス
「S&P500系、VTI系の投資信託ではこれが一番『実質リターン』がいい。私はETF派だが、日本人にベターな投資を伝道するには投資信託しかないと思っている。よって2本目はこれ。3本目以降は持ち点ゼロのためなし」
そう、信託報酬とかベンチマークとかに関係なく、「実質リターン」の違いがあるんです。
例えば、ニッセイ外国株式インデックスファンドと楽天VTIだったら、米国株オンリーの楽天VTIがいいはずなのに、実際は楽天VTIのほうが悪い。
なので、iFree S&P500インデックスと楽天VTIなら、さらに楽天VTIは悪いわけです。
これが隠れコストの影響なんだろうか?
このあたりは徐々に他のブログでも書き始めるでしょうから(もう書かれているかも)、楽天はiDeCoで苦戦するかもしれません。
iDeCoなら今はSBI証券がおすすめです。
ただ、私は現在、楽天証券のiDeCoで100%楽天VTIを選んでいますが、すぐに切り替えるつもりはありません。
こういったものは、時間と共に誤差が収束していくこともあるためです。
とりあえず、2020年頃まではこのまま楽天でいくでしょう。
241名中、米国株ブロガーは少ない
多分ですけど、有効投票241名中、米国株ブロガーの数は少ないじゃないかな。
なんとなく。
だって、多かったら上位には、
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
楽天・全米株式インデックス
バンガード・トータルストックETF(VTI)
このあたりが入っているはずなんだよね。
さっきの、iFree S&P500インデックスなんて今回17位だもん。
やっぱり、米国株はまだまだマイナー。
やっぱり、みんなオールカントリー(オーカン)好きなのね。