徐々に株高になってきた今日この頃。
しかし先月の記事でも書きましたが、最近の債券安によりグローバル3倍3分法ファンドは下落か、良くても水平を保つことしかできていません。
月間ランキングトップ5を合計しても上回る純資産額純資産を爆増させている「グローバル3倍3分法ファンド」 10月22日現在の純資産額は2314.49億円。すごい。 人気のファンドが束になってもかなわない額なんじゃないだろうか? もしやと思い、楽天証券の投資信託月間ランキングトップ5を見てみた。こちら。(10月22日現在)投資信託を買っている人なら誰もが知ってる、私なんか2位以外は全部買っている(笑)人気商品ですが、純資産をすべて足してもグローバル3倍3分法ファンドには届きません。 いや~、びっくりした。... やっぱり債券安でグローバル3倍3分法ファンドは弱かった - 2024年にFIREするぱたるの米国株ブログ |
こちらは10月のチャート。
茶色:グローバル3倍3分法ファンド
青:S&P500
オレンジ:Slim バランス8資産
この1年、あれほど他をぶっちぎっていたG3にも陰りが。
グローバル3倍3分法ファンドは債券200%、株式60%、REIT40%のレバレッジファンドです。
せっかく株高になって他のファンドがぐんぐん伸びていっても、債券安の影響をもろに受けるのがこのファンドの宿命です。
今回は、それよりもさらに悪いシナリオについて書いていきます。
最悪のシナリオを語る前に、去る10月26日、日興アセットマネジメントが主催した、「山崎元が斬る!グローバル3倍3分法」というタイトルでライブ配信が行われました。
経済評論家の山崎元さんをゲストに招き、G3の運用会社、日興アセットマネジメントの商品開発者である有賀潤一郎さんと対談していく内容でした。(まだYouTubeに上がってないみたい)
そこでグローバル3倍3分法ファンドの弱点は?との質問で、有賀さんは「バックテストではリーマンショックのような株安・債券安・ドル安のトリプル安が1番弱い」というニュアンスのことを言っており、それには山崎さんも納得していた模様。
ただ、それってごく当たり前の話で、上記のような最悪の事態には、S&P500ファンドはもちろん、NASDAQファンドやハイテク個別株なんかは真っ逆さまに落ちています。
むしろ、相対的にグローバル3倍3分法ファンドは債券が株式ほど下落しない特性を存分に発揮し、他の高リターンファンドの中では最もマシな落ち込みで済む可能性すらあります。
「山崎元が斬る!」
なんてタイトルが付いていましたが、山崎さんは斬るというより撫でた程度で、場合によってはナデナデしてたくらいでした。
例えば、
運用期間の10年間問題(強制償還される?)や、運用金額上限を1兆円問題(上限にきたら販売中止?)に関しては、有賀さんは「規則上問題ないと言えないが、期待してくれていい」と回答。
それに合わせて山崎さんも「このアセット内容なら2~3兆円も余裕だもんね」的な発言でナデナデの援護射撃(笑)
このファンドは発売に至るまで、構想から15年かかったようですが、理由は有賀さんいわく「最近債券先物指数が出てきてバックテストができるようになったから」とのこと。
バックテスト=シミュレーションと同義だと思いますが、あれこれ試した結果、良いときも悪いときもなんだかんだ悪くないじゃん、っていう結論に達したからリリースした、ということが有賀さんとのコメント全体から伝わってきました。
最近債券先物指数が出てきたことによるコスト減も信託報酬の低さにつながっているようです。
辛口で知られる山崎さんも軽く撫でた程度のグローバル3倍3分法ファンド。
「やはり不安が少ない良いファンドなのでは?」
と思えます。
一見は。
・・・
ただ、前述したトリプル安などで他の株も全滅してるなら慰めにもなりますが、ひとりだけ凹んでいたらどうですか?
かなり嫌ですよね?
有賀さんは語っていませんでしたが、私が想定するグローバル3倍3分法ファンドの最悪の地獄パターン=デメリットとは、「長い期間に渡って緩やかな債券安が続き、かつ、株式がレンジ相場になるとき」です。
確率は高くないですが、世界で景気が低迷し、それが1~3年くらい続いた場合、株価と債券価格がレンジ相場になっている可能性があります。
そのように長期間レンジ相場になったとき、このようなレバレッジファンドはどんどん価格が下落していく性質をもっているんです。
レンジ相場が続くと下図のようになります。通常の指数は青。レバレッジファンドはピンクのチャートです。
出典:ETFコラムNo.34 日経レバレッジ・インデックスに連動するETFに関する記事(日興アセットマネジメント)
これが半年くらいなら全然笑っていられます。なんせ他の上昇相場とか下落相場の期間では他のファンドに負けませんから。
しかし、
8ヶ月目あたりから顔が引きつっていきます。「これ、やばくない?」と。
12ヶ月目あたりから純資産額は増えにくくなり、売る人も出てくるはずです。
1年半から2年目あたりでは「ク○ファンド」とボロクソに叩かれている可能性があります。
ちょうど2018年のひふみ投信のように。
IMFの2020年世界経済の見通しでは、欧州はドイツを中心にV字回復が予測されています。
逆に対前年でマイナス予測は、アメリカ、中国、日本。このあたり。
グローバル3倍3分法ファンドのアセット内容を見てみましょう。
先進国株式には米国株が多く入っているので半分とすると、全300%の内、
日本株式:20%
先進国株式:10%(米国株半分計算)
日本REIT:20%
日本国債:40%
米国国債:40%
の計130%あり、さらに中国株もこれに影響します。
約4割を占めるアセットが、「最悪レンジパターン」にはまったとき、強烈な足かせになるかもしれません。
前述した地獄が続く中、他の株は上昇かレンジで踏みとどまっているのに、自分だけ下がっていたら不安になりますよね。
そんな中、多分同じく人気の普通のバランスファンド「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」はレンジか上昇していると思います。
しかも、Slim バランス8資産の信託報酬は0.15%ほどと、グローバル3倍3分法ファンドの約3分の1。
他には、「結局、おなじみの国際分散株式ファンドとか、S&P500ファンドが一番いいんだ!」という結論に至る人も多いかもしれません。
以上が、私が想定するグローバル3倍3分法ファンドの最悪パターンです。
大人気のグローバル3倍3分法ファンドですが、やはり賛否、好き嫌いが激しいファンドといったところでしょうか。
・・・
しかし、私は楽観視しています。
ファンドの純資産はどんどん増えており、2019年中に3000億円を突破しそうですが、別にそれが理由ではありません。
楽観的な理由は3つ。
と思っているからです。
私の想定も、バックテスト=シミュレーションを正しくやったわけじゃないしね。
今はもう少し債券安が続くと思うので、すぐではないですが、グローバル3倍3分法ファンドは今後大幅に買い増していく予定です。
以前もこちらでも書きましたが、レンジ相場の件やコストの高さや、あれやこれやのリスクにリターンが見合っていると思うからです。
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