HDV銘柄入れ替え「AT&Tが帰還、MRK、PMが除外」2019年9月
”キング”AT&Tのご帰還
2019年9月、HDVの組入銘柄の入れ替えがありました。(3・6・9・12月に定期入れ替えあり)
新しくトップ20にランクインしたのが、
- AT&T ⇒ 過去の出戻り銘柄
- シスコシステムズ ⇒ 過去の出戻り銘柄
- ユナイテッド・パーセル・サービス ⇒ 過去の出戻り銘柄
- ブラックロック ⇒ 初登場
やっと、待望のAT&Tが復活しました。
外れたのが、
- メルク ⇒ 除外
- フィリップモリス ⇒ 除外
- ロッキード・マーティン ⇒ 除外
- フィリップス66 ⇒ 20位から21位にランクダウン
前回入れ替えの6月に私はこんなことを言っていた。
配当率は改善されそう
ディフェンシブ性は少し改善されそう
リターンは前より悪くなるかもと言いましたが、やっぱりそんな感じになりそうな気がする。
それを踏まえて再度言いますが、「HDVよ、お前はいつまでAT&Tを無視するんだ?」
確かにAT&Tの株価は大して上がっていません。ただ、大きく下がってもいません。ここ1年は上下しつつ穏やかな推移です。そして配当率は6.26%と高い。
何も以前みたいにトップ3に組み込めとは言いません。8位くらいに入れてあげてよ。
あと、2011年に組み込まれていた「サザン(SO)」も悪くない。これの復活も検討してよ。
ふむふむ、まずは復活して良かったぞ。
こちらはAT&Tの6ヶ月チャート。
いい感じ。
最近、「物言う株主」として知られる米ファンドのエリオット・マネジメントがAT&Tの経営戦略の転換を求めており、ディレクTVの売却を主張しているという報道もあったけど、まあまあポジティブに受け止められたみたい。
前回6月の入れ替え記事はこちら。
新旧トップ20銘柄
下の表は左列が新銘柄含むトップ20とその比率(%)。右列が旧銘柄。
順位 | 比率 | 2019年9月 | 2019年6月 |
1 | 9.66 | エクソンモービル | エクソンモービル |
2 | 9.55 | AT&T | ジョンソン&ジョンソン |
3 | 6.63 | ジョンソン&ジョンソン | ベライゾン |
4 | 6.54 | ベライゾン | シェブロン |
5 | 6.09 | シェブロン | ファイザー |
6 | 5.38 | ウェルズ・ファーゴ | P&G |
7 | 5.14 | ファイザー | ウェルズ・ファーゴ |
8 | 4.94 | P&G | コカコーラ |
9 | 3.96 | コカコーラ | メルク |
10 | 3.89 | シスコシステムズ | フィリップモリス |
11 | 3.46 | ペプシコ | ペプシコ |
12 | 2.33 | アムジェン | アムジェン |
13 | 2.16 | 3M | 3M |
14 | 1.86 | テキサス・インスツルメンツ | シュルンベルジェ |
15 | 1.82 | デューク・エナジー | テキサス・インスツルメンツ |
16 | 1.81 | シュルンベルジェ | デューク・エナジー |
17 | 1.73 | ユナイテッド・パーセル・サービス | ロッキード・マーティン |
18 | 1.44 | U.S.バンコープ | U.S.バンコープ |
19 | 1.19 | ウィリアムズ | ウィリアムズ |
20 | 1.06 | ブラックロック | フィリップス66 |
80.6 | 合計 |
左列の赤字がランクイン銘柄。右列の青字がランクアウト銘柄。
ランクイン銘柄詳細
以下、ランクイン銘柄の詳細です。(配当率は2019年9月YAHOO! FINANCEデータより)
順位 | 銘柄 | ティッカー | 配当率 | セクター |
2 | AT&T | T | 5.38% | 通信 |
10 | シスコシステムズ | CSCO | 2.38% | テクノロジー |
17 | ユナイテッド・パーセル・サービス | UPS | 3.18% | 資本財 |
20 | ブラックロック | BLK | 2.97% | 金融 |
配当率は、出戻りのAT&Tが5.38%と高いが、他がイマイチ。
初登場のブラックロックはご存知HDVの運用会社。自社の株をETFにぶっこんでくるとは。
配当率もイマイチだし、これ以上金融はいらん。
毎度言っていますが、HDVは入れ替えが多いと言われていますが、実は多いのはランク外の比率が低い銘柄で、トップ20はそれほど多くはありません。
ランクアウト銘柄詳細
以下、ランクアウト銘柄の詳細です。(配当率は2019年9月YAHOO! FINANCEデータより)
順位 | 銘柄 | ティッカー | 配当率 | セクター |
9 | メルク | MRK | 2.58% | ヘルスケア |
10 | フィリップモリス | PM | 6.57% | 生活必需品 |
17 | ロッキード・マーティン | LMT | 2.27% | 資本財 |
20 | フィリップス66 | PSX | 3.49% | エネルギー |
配当率高いフィリップモリスの株価は下がりっぱなしです。AT&Tと替わってくれて正解。こういうところがETFのいいとこなんだよな。
フィリップス66は20位から21位にランクダウンしただけで今もいますし、他の銘柄は特に高配当でもないのでいなくなってもOK。
初登場のブラックロック
さて、初登場のブラックロックの1年チャートを見てみよう。
可もなく不可もなく。
ディフェンシブじゃない金融で、配当率は2.97%と低い。
ま、組み入れ比率は1.06%と低いから気にしなくていいか。
ライバルであるSPYDとVYMの配当率は?
HDVのライバルである、SPYDとVYMの配当率を比べてみましょう。(配当率は2019年9月YAHOO! FINANCEデータより)
HDV 3.48% ⇒ 3.31%
SPYD 4.49% ⇒ 4.70%
VYM 3.26% ⇒ 3.12%
左の数字は6月時点。
SPYDだけ上がっていて、他は下がっている。
セクターの新旧比較
セクター別の新旧も見てみましょう。
こちらは旧セクター比率。
ヘルスケアと生活必需品を合わせて37.6%。公益は8.15%。
こちらは新セクター比率。
ヘルスケアと生活必需品を合わせて28.2%。公益は6.53%。
う~ん、ディフェンシブ力下がったな~。大丈夫かい?
世間じゃ「バリュー株の逆襲だ」なんて騒がれているけど、そっち方向でもない。
まとめ
今回のHDVの入れ替えですが、
- 配当率は変わらず。
- ディフェンシブ性は悪くなる。
- リターンは前よりよくなるかも。(エネルギー、AT&T、テクノロジーが伸びるかも)
こんな印象です。
もう一度高配当ETFトリオの配当率を見てみよう。
HDV 3.31%
SPYD 4.70%
VYM 3.12%
ディフェンシブ力が下がって配当率も低いなら、HDVの優位性は何もないぞ。SPYDとVYMだけでいいって話になる。
ブラックロックはちゃんと考えてんのかね? 自社株入れてる場合じゃないぞ。
3月ごろのひどい時期と比べたら良くなったけど、HDVの立ち位置にいまだ安定は見られない。
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