iDeCoおすすめ商品ランキング4位~5位 ③iDeCoはつみたてNISAから選ぶ

老後資金

前回の内容は、既存投信の社会への浸透状況や、iDeCoとつみたてNISAという、立場の違う管轄省庁での思惑の違い、そして、つみたてNISAで採用されている商品ならいい商品だから、iDeCoにも同じ商品があるならそこから選んではいかが?という旨をお伝えしました。

前回記事

 

つみたてNISAの商品数145本の中からどれ選ぶ?

さて、つみたてNISA商品ラインナップは全145本あります(2018年3月19日現在 金融庁資料より)

 

金融庁 つみたてNISAのリンク

 

145本の内訳はインデックス投資信託が127本、アクティブ運用投資信託が15本です。ETFが3本です。(ETFはiDeCoで利用不可)

この中でiDeCo(イデコ)と共通の投信は数多くありますが、良い商品だけに絞る必要があります。

 

ぱたる式スクリーニングでiDeCoをあぶり出し

そこで、「ぱたる式スクリーニング」を使った以下の条件でふるいに掛けます。

 

  1. iDeCoの月額手数料が無条件で無料の金融機関
  2. 信託報酬は0.25%未満

 

検索条件は以上です。

まず1からですが、全83社の金融機関のうち、無条件で無料なのは以下6社です。

 

  • イオン銀行
  • 大和証券
  • 松井証券
  • マネックス証券
  • 楽天証券
  • SBI証券

 

私たちは株高に貢献できません。私たちができるのことのひとつは低コストを選択することなので、手数料有料の金融機関はもちろん除外。

(国民年金基金連合会と信託銀行への手数料「月額167円」はすべての金融機関で必ずかかります)

 

ひふみを除外するのか!?

2の「信託報酬は0.25%未満」は迷いました。なぜなら、つみたてNISAとiDeCo共通の「ひふみ年金」は「利回りがいいのに」コスト0.25%未満をはるかに超えているからです。(コスト0.82%)

私は特定口座でひふみプラス(ひふみ年金と同じ)を積み立てていますが、他の投信が大きく下がるときも下げ幅は少ない印象です。SBI証券でもずーと人気ナンバーワン!

 

・・・ むむむ ・・・ どうしようか? ・・・

 

やはり、「信託報酬は0.25%未満」は必須条件にします。

理由は、ひふみが未来のナンバーワンだという根拠は示せませんし、そうなってくると物をいうのはコストです。

500万円運用していたら年間コストは41,000円。1000万円で82,000円。やはり高いですね。つまり、アクティブファンドはすべて除外されることになります。

 

以上で絞り込むと、意外と少ないことが分かりました。結果は、

 

  • SBI証券 : 63本中4本
  • 楽天証券 : 30本中5本
  • マネックス証券 : 21本中5本

 

の3社のiDeCoから抽出します。本数は、iDeCo本数中つみたてNISA本数。

 

実は、イオン銀行にも「たわらノーロード先進国株式(0.22%)」があるのですが、条件に合うのはその1本だけなので今回のリストからは独断で除外とします。その投信は楽天にもありますし。

 

実はまだいた隠れキャラ「ニューヨーク・ダウ!」

さーて、条件も出揃ったし、抽出だー! と思ったら隠れキャラが潜んでいました。

なんと、厳選されているはずのつみたてNISAに入っていない合格条件ファンドがいたのです。(金融庁の厳選法=コスト0.5%以下で、「株式」が含まれている投資信託)

 

以下6つです。%は信託報酬

 

  • iFree NYダウ・インデックス 0.24%
  • たわらノーロード NYダウ 0.24%
  • DCインデックスバランス(株式20) 0.18%
  • DCインデックスバランス(株式40) 0.19%
  • DCインデックスバランス(株式60) 0.21%
  • DCインデックスバランス(株式80) 0.22%

 

たわらノーロード NYダウがマネックス証券、それ以外はすべてSBI証券です。上2つのNYダウのファンドは優良ファンドなので外せません。

下4つのバランスファンドは株式の割合を後ろの数字で示しています。客の細かなニーズに合わせようとする意図を感じます。

 

「ぱたるスクリーニング改」でリストアップ

前項の6つを加えた、「ぱたるスクリーニング改」で以下表を作りました。

 

赤字は、各カテゴリの信託報酬が安い商品。(信託報酬の%は小数点第3位以下を四捨五入して計算)

スマホは横向きにすると右列も見られます。

 
アセット・指数 SBI コスト 楽天 コスト マネックス コスト
CRSP USトータルマーケット・インデックス     楽天・全米株式インデックス・ファンド 0.17%    
NYダウ iFree NYダウ・インデックス 0.24%     たわらノーロード NYダウ 0.24%
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス     楽天・全世界株式インデックス・ファンド 0.23%    
MSCI エマージング・マーケットインデックス         eMAXIS Slim 新興国株式インデックス 0.20%
MSCIコクサイインデックス DCニッセイ外国株式インデックス 0.15%        
        eMAXIS Slim 先進国株式インデックス 0.11%
    たわらノーロード先進国株式 0.22%    
TOPIX 三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド 0.17% 三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド 0.17%    
JPX日経インデックス400         iFree JPX日経400インデックス 0.21%
日経平均株価     たわらノーロード 日経225 0.18%    
DCニッセイ日経225インデックスファンドA 0.18%     DCニッセイ日経225インデックスファンドA 0.18%
バランス型  DCインデックスバランス(株式20)  0.18%        
DCインデックスバランス(株式40) 0.19%        
DCインデックスバランス(株式60) 0.21%        
DCインデックスバランス(株式80) 0.22%        
iFree 8資産バランス 0.24%     eMAXIS Slim バランス(8資産均等型) 0.1512% 

 

 

各社の本数は以下。

 

  • SBI証券 : 9本
  • 楽天証券 : 5本
  • マネックス証券 : 6本

 

さて、肝心の商品選びですが、基準は、

 

  • 日本株を重視するか?
  • 米国メインで先進国を重視するか?
  • バランスファンドにするか?
  • 上記をミックスして自分なりのポートフォリオを作るか?

 

このあたりの視点で分類できるのではないでしょうか。

 

ぱたる的iDeCo商品ランキング

さあ、では前述の視点を踏まえたうえで、「ぱたる的iDeCoランキング5位~1位」を発表します。

 

と言っておきながら、5位の前に惜しくも漏れてしまった「次点」から発表します。(%は信託報酬)

 

次点 SBI証券

  • 三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド 0.17% 70%
  • ひふみ年金 0.82% 30%

 

突っ込みどころが多くあります(笑)

いきなり2つあり、しかも除外したはずのアクティブファンド「ひふみ年金」が入っています(爆)

「ひふみをランキングには入れられない、しかし無視もできない・・・じゃあ次点ということでひとつよしなに。」

カオスってすみません。

 

やはり、ひふみ年金は人気ナンバーワン。低コストは重要と頭で解っていてもハートがついていきません。皆さんの中にもひそかにココロにひふみを刻んでいたのに、このリストになくてモヤモヤした人もいたのではないでしょうか?

 

そこで、裏技を使ってコストを下げます。

iDeCoの場合、複数の投信を自分好みの比率を1%刻みで決めることができます。今回は上記2つを70%、30%ずつで設定(途中で商品変更もできます)

日本株のほうを70%、ひふみを30%にすると、平均コストは「0.37%」。まだ高いですが、金融庁の基準は「0.5%以下」なので許容範囲でしょうか。

 

ファンドの紹介ですが、まず70%は「三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド」。指数はTOPIX。海外では日経225よりTOPIXがポピュラーな指数であり、より分散もされています。日経225ではファーストリテイリングがなぜか8%も指数の重みになっています。KDDI、ファナック、ソフトバンクグループと4社合わせて20%を占めているので非常に偏りのある指数です。私は日経225よりTOPIXをオススメします。しかも、信託報酬が0.2%未満!

 

そして残り30%は「ひふみ年金」。市場平均を上回ることを目指すアクティブファンドですね。信託報酬は0.82%。500万円投資すると、年間41,000円取られます。含み損のときも。うーん、高いですね。しかし、SBI証券のiDeCo(イデコ)ランキングではずーと1位の大人気商品です。

私も楽天の特定口座でひふみプラス(内容はひふみ年金と同じ)を積立していますが、他の投信と比べてもバツグンに成績いいんです。運営会社レオス・キャピタルワークスの社長、藤野さんの信念と、米国株にも着手した現実的なアプローチに信頼をよせるファンは多いはず。

2つあわせて信託報酬は0.37%平均。「日本の成長や底力を信じる」人にオススメです。

 

5位 マネックス証券 eMAXIS Slim バランス(8資産均等型) 0.1512%

 

かなり引っ張りましたが、いよいよランキング5位から発表です。

分散投資ならこれでキマリ! 今回のランキングで唯一、株以外も含んだ投信です。内訳は以下の表。

 
カテゴリ インデックス 資産比率
国内株式 TOPIX(東証株価指数) 12.5%
先進国株式 MSCI コクサイ・インデックス 12.5%
新興国株式 MSCI エマージング・マーケット・インデックス 12.5%
国内債券 NOMURA-BPI 総合 12.5%
先進国債券 シティ世界国債インデックス 12.5%
新興国債券 JPモルガン・GBI-EM Global Div 12.5%
国内REIT 東証REIT指数 12.5%
先進国REIT S&P先進国REITインデックス 12.5%

 

 

これだけ分散していて、コストは0.1512%という安さは魅力です。債権を含むとボラティリティ(値動きの幅)が小さいと言われています。運用に安定感を求めたい人にオススメ。

反面、運用が長期になればなるほど、債権は株に勝てないと言われていますので、15年~20年以上運用する場合は、他の選択肢を検討してもいいかも。

ちなみに、SBI証券の「iFree 8資産バランス」も同様のファンドで、コストは0.24%とeMAXIS Slim バランスと0.01%しか変わらないのでこちらでもアリです。

若干違うのは、新興国株の構成で、eMAXIS Slimでは韓国の比率が15%と、高い比率で入っていますが、iFreeのほうは、「FTSEエマージング・インデックス」という指数で、投資国にそもそも韓国が入っていません。今後、何かの機会に比較してみたいと思います。サムスンはスマホの世界シェアで上位にいます。韓国に魅力を感じるならなおさらeMAXIS Slim バランスがいいでしょう。

 

他にも以下のバランスファンドがあります。

 

  • DCインデックスバランス(株式20)0.18%
  • DCインデックスバランス(株式40)0.19%
  • DCインデックスバランス(株式60)0.21%
  • DCインデックスバランス(株式80)0.22%

 

株式の割合が後ろの数字で表されています。信託報酬もすごく安くて全然悪くないのですが、日本株の割合が高いのがひっかかりました。先進国と逆だったら評価できたので今回は落選とします。eMAXIS Slimは解りやすさが高評価だったのでランクインです。

 

4位 楽天証券 楽天・全世界株式インデックス・ファンド 0.2196%

 

詳しい方なら、「4位!? 順位低くね? もっと上だろ?」と思うかもしれません。訳は後ほど。

 

通称「楽天VT」です(バンガード社のETF「VT」の投信版なので)

先進国から新興国まで、会社の規模も大・中・小あり、世界47カ国、なんと約8,000銘柄の株式で構成されています。これは、全世界で投資できる株の時価総額98%以上をカバーしていることになります。

 

割合のトップ3は、

 

  1. アメリカ 53.3%
  2. 日本 8.0%
  3. イギリス 6.0%

 

そのあと、カナダ、フランス、ドイツと続きます。先進国の割合が多いので安心感もあります。2位の日本が誇らしげでナショナリズムをくすぐります。

 

「長期投資なら株が有利」

その株の「究極の分散投資」と言っていいのではないでしょうか。

さらに! 198人の目利き投資ブロガーによる、【投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2017】で見事「1位!」になりました!(ぱたるは入っていません・・・)

 

ここでもし、「投資ブロガー? ふーん それってスゴイの? ただの素人でしょ?(鼻ほじほじ or お尻ぽりぽり)」

もし、このような認識でしたら、自分が荒れ狂う航海で小船をハンドリングしていると想像して下さい。

そんなとき欲しいですよね?「羅針盤」が。

 

私は、日本人の投資に対するリテラシーは高くないのでは?と常々疑っています。たまに投資の話になると、親であれ、友人、知人であれ、大概は「投資って怖いよね」とか、「リスクがあることはやめなさい!キー!」とか、「よく分からないから特に行動しない」と多くの人が言います。

経済番組は例外で、その他テレビ番組で投資に関する感想をコメンテーターに振っても、「元本割れのリスクがあるなら私はやらない」、などと言っています(やってる人は変人扱いされないように黙ってるだけかも)

信用取引やFXが投資の代表格と信じている人も多いかもしれません。

このような世間認識で、優良な投資先を見つけるには骨がおれます。本もどれを買ったらいいか分からない・・・

そんなとき、投資ブロガーのブログが「海図」 や「星」といった航海の指針になってくれるのです。

例えば、賢者の良書を分かりやすく解説してくれたり、体験談を紹介してくれたり、投資方針の根拠を示してくれたりします。

テレビに出てくる経済学者の何倍も説得力があると思います。

 

では、そんなお墨付きの、いい商品をなぜ私は1位に選ばないどころか4位なのか?

一言でいうと、「分散しすぎているから」です。

8000社もあり、新興国も混じっているとなると、どこをポイントに見ていいか分からなくなってしまいます。

 

たしかに、「これは良さそうだ」となんとなくは思います。

しかし、仮に何百万、何千万円投資して、大きく値下がりしたとき、「これは◯◯の理由で大丈夫な投信だから買い続けていこう」という確固たる考えを持てるか疑問が湧いてきました。

その訳を自己分析してみましたが、結局よく解らず、「8000社の分散はだめだけど、5000社ならいい」とかの明快な基準はなさそうです(笑)

しいて言うと新興国株含め、構成銘柄が多すぎるせいで信託報酬がやや高いのは気になります。

ですが、楽天VTは少額ながら特定口座で積立てていますので、全く否定しているわけではありません。

「全世界の株ってわかりやすくてスゲーいいじゃん!」と思ったあなたには楽天VTはオススメです。

 

さあ、残り、3位~1位は何なのか?

 

次回はこちら「最終回」へ続きます。

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