iDeCoおすすめ商品ランキング1位~3位 ④iDeCoはつみたてNISAから選ぶ

老後資金

前回の内容は、iDeCo(イデコ)の

  1. iDeCoの月額手数料が無条件で無料の金融機関
  2. 信託報酬は0.25%未満

の中で絞り込んだ商品の中から、「ぱたる的iDeCoランキング」の5位~4位を発表しました。

前回記事

 

気になる3位より上のiDeCoランキングは?

それでは3位から1位を発表します。(信託報酬の%は小数点第3位以下を四捨五入して計算)

 

3位 マネックス証券 eMAXIS Slim 先進国株式インデックス 0.107892%

 

これまたゴツイ奴の登場です。現在、日本の全投資信託で最安コストのなんと「0.107892%!」

1000万円投資していた場合、0.1%の違いは年間1万円です。たかが1万円、されど1万円。10年で10万円。やはりバカにできませんね。

コストの安さは相当な魅力ですが、他には先進国株で占められている点を評価します。前述にもあるように、私は新興国はサブ的な運用がいいと思っています。

 

新興国をサブにする理由は、

 

  • 株主還元の意識が低い
  • 政治が不透明
  • 経済活動の法整備が未徹底
  • 会計処理が不透明

 

上記が安定したリターンを上げない要因になるリスクを持っていると疑っているからです。

 

先進国のインデックスは、「MSCI コクサイ・インデックス」という指数で、日本は入っていませんが、アメリカ65%、その他多い順番にイギリス、フランス、カナダ、ドイツとなっています。ドイツは2位じゃないんですね。なんでだろう?楽天VTでもドイツは6位でした。日本が入っていないので寂しく感じるかもしれませんが、「絶対王者」のアメリカが65%と、比率が高いのがいいですね。アメリカ以外は高い成長を見込める国は少ないですが、「ネスレ」などヨーロッパにも優良企業はあります。

 

ライバルファンドは、

 

  • SBIの「DCニッセイ外国株式インデックス 0.1512%」
  • 楽天の「たわらノーロード先進国株式 0.22%」

 

ですが、マネックス証券ならではの、こんな超ド級タッグを組むこともできます。例えばそれは、

 

  1. eMAXIS Slim 先進国株式インデックス (コスト0.107892%) ⇒ 先進国株 85%保有
  2. eMAXIS Slim 新興国株式インデックス (コスト0.20412%) ⇒ 新興国株 15%保有

 

こんな感じ。

総コストは0.13%で、新興国の比率を低く抑え、かつ、成長をびんびんに感じ取りながら、先進国で運用を安定させる。これいいかも。

さらに先進国に日本をねじ込んでみるのも一興。マネックスにTOPIXはありませんが、JPX日経インデックス400があるのでそれを5%入れたらあら不思議、楽天VTよりコストが少なくて自分好みのポートフォリオ(金融資産の組み合わせ)ができちゃった。

JPX日経インデックス400のトップ銘柄は我らが「トヨタ自動車」で1.66%。日経225より偏りがなくて良さげです。(成績は意外に良くないが)

 

というわけで、裏3位は、

 

裏3位 マネックス証券

 

  1. eMAXIS Slim 先進国株式インデックス 0.107892% ⇒ 80%保有
  2. eMAXIS Slim 新興国株式インデックス  0.20412% ⇒ 15%保有
  3. iFree JPX日経400インデックス 0.21% ⇒ 5%保有

 

通称「マネックス・イデコ・スペシャル = MIS」と命名しました。総コストは0.14%か。エクセレント。楽天VTよりいいのではないでしょうか。

ふむ、マネックスは使い勝手がいいな・・・

あれ? これ1位よりいいかも?って一瞬思った自分がいました(笑)一瞬だけね。

 

iDeCoランキング第2位は?

続いて以下2つは同率で2位です。

 

マネックス証券 たわらノーロード NYダウ 0.24%

SBI証券 iFree NYダウ・インデックス 0.24%

 

惜しくも1位を逃しましたが、どちらも同じ「NYダウ指数」を指標としたインデックスファンドです。

日本で知名度が高いのは何と言っても「ダウ平均」。

ダウは工業株30種平均、輸送株20種平均、公共株15種平均3種類と、これらを合わせた「ダウ総合65種平均がありますが、今回の「NYダウ」は最もなじみがある「ダウ工業株30種平均」です。

 

以下30社が組み入れ銘柄。スマホは横向きにすると右列も見られます。

NO, 企業名 業種
1 アップル コンピュータ
2 アメリカン・エキスプレス 金融
3 ボーイング 航空機
4 キャタピラー 重機
5 シスコシステムズ 情報・通信業
6 シェブロン 石油
7 ウォルト・ディズニー・カンパニー 娯楽・メディア
8 ダウ・デュポン 化学
9 ゼネラル・エレクトリック 総合電機・金融
10 ゴールドマン・サックス 金融
11 ホームデポ 小売業
12 アイ・ビー・エム コンピューター
13 インテル 半導体
14 ジョンソン・エンド・ジョンソン 医薬品
15 JPモルガン・チェース 金融
16 ザ コカ・コーラ カンパニー 飲料
17 マクドナルド 外食
18 スリーエム 化学
19 メルク 医薬品
20 マイクロソフト ソフトウェア
21 ナイキ その他製品
22 ファイザー 医薬品
23 プロクター・アンド・ギャンブル(P&G) 日用品
24 トラベラーズ 保険
25 ユナイテッド・ヘルス 保険
26 ユナイテッド・テクノロジーズ 航空宇宙・防衛
27 ビザ その他金融
28 ベライゾン・コミュニケーションズ 通信
29 ウォルマート・ストアーズ 小売業
30 エクソンモービル 石油

 

ひゅ~。 まさにエクセレントカンパニーがずらり。

 

「30社では少なくて分散投資にならないのでは?」という意見がありますが、私は分散数の最低は30くらいだと思っているのでぎりぎりOKでしょう。

また、栄枯盛衰の中で組み入れ銘柄は適宜入れ替えられますので、死にかけの会社が長くのさばることはありません。

ですので、世界の絶対王者アメリカの、その中から選りすぐったダウ30の商品は自信を持ってオススメできます。

 

しかし、世界的にはダウよりS&P500が一般的な指標であり、そのS&P500や後述するVTIにやや劣っている場合があります。

 

以下は2013年から2018年の過去5年間のグラフ。

黄色がダウ30(DIAで代用)

赤がS&P500(IVVで代用)

青がVTI

 

 

黄色のダウが下の場合がありますが、違う年数で見ると上回っていることもあるので、そこまで大きな差はないでしょう。

あとは、やはり組み入れ銘柄数の少なさを懸念される方もいるようですし、コストも気持ち高いか。1位とは微差ですが2位とします。

 

1位 楽天証券 楽天・全米株式インデックス・ファンド 0.1696%

栄えある第1位は、楽天・全米株式インデックス・ファンド、通称「楽天VTI」に決定です!

アメリカ企業の大型株、中型株、小型株に万遍なく分散していて、その数、約3600社!

楽天VTIはアメリカの資産運用会社、バンガード社のETF「VTI」の指数、「CRSP USトータルマーケット・インデックス」に連動した投資信託です。

 

S&P500の安い商品はまだない

有名どころの指数は「S&P500」です。

あの投資の神様と言われるウォーレン・バフェット氏は齢87歳で健在ですが、自分の死後に妻に向けて、「現金の10%を政府短期債で、残り90%はS&P500のインデックスファンドで運用」するよう指示したそうです。

バフェット氏も推奨するS&P500で低コストのiDeCo(イデコ)商品は現在まだありません。

しかし、S&P500を指数としたETFのVOOやIVVと比べてみても、VTIは決して劣っていないどころか、むしろ優れているともいえます。

 

下のチャートはVTIとIVVの2003年から2018年の株価比較です。

赤がVTI

青がIVV(S&P500と連動)

 

赤のVTIが少し上にありますね。インデックス投資では、実際の指数と比べてずれが起こることもあるので、参考程度にみてもいいかもしれません。いずれにしてもS&P500より劣っていないと言えるのではないでしょうか。

 

下の表はVTIの上位銘柄10社です。

 
上位銘柄 割合
アップル 2.9%
グーグル 2.0%
マイクロソフト 2.0%
アマゾン 1.5%
エクソン・モービル 1.4%
ジョンソン・エンド・ジョンソン 1.4%
フェイスブック 1.4%
バークシャー・ハサウェイ 1.3%
JPモルガン 1.3%
ゼネラル・エレクトリック 1.1%

 

上位には誰もが知っている超有名企業たちが並んでいますね。割合も多すぎず少なすぎずバランスがいいと思います。

先ほどのダウ30にはなかったフェイスブック(F)、アマゾン(A)、グーグル(G)=「FANG」の3社が上位にいますね。ネットフリックス(N)もその下に並んでいます。

その下には中小の優良銘柄も採用されているので、収益性もいいと言われています。ちなみにバークシャー・ハサウェイという会社は日本ではなじみがないですが、前述したウォーレン・バフェット氏がCEOです。

 

アメリカはへこんでも立ち直りがどこよりも早い

ただ、皆さんのなかには、「アメリカだけの投資って偏ってない? もしアメリカに良くないことが起こったら株価が軒並み下がるんじゃないの?やっぱり楽天VTのように世界分散したほうがいいんじゃないの?」

と、思う方もいるかもしれません。しかし、2008年アメリカを震源地としたリーマンショックの場合は各国も同様のダメージを被り、しかし復活が早かったのはどこよりもアメリカだったのです。

 

下の図は2007年ごろから2018年に至る、S&P500と日経平均の比較グラフです。

赤がS&P500

青が日経平均

 

日本は5~6年停滞していますが、アメリカはそれより早く、上下しながらも復活しています。

 

先進国の中でもアメリカの優良企業は特に株式還元の意識が高く、不況時でも配当金を出します。例えば上記表にもあるジョンソン・エンド・ジョンソンは連続増配が55年続いています。他にも30年、40年増配企業はざらにあります。

日本で断トツ1位の花王でも連続増配記録は27年で、2位以下は19年ほどになるのでアメリカ企業の株主還元の実績が他国と大きく違うところです。

 

楽天VTI 対 楽天VT

4位の楽天VTとも比較してみましょう。

 

上の表は2009年から2018年のETFでのVTIとVTの比較です。

赤がVTI

青がVT

やはり、2008年リーマンショックからいち早く回復したアメリカ企業だけのVTIと、しばらく低迷した欧州、日本の株価に足を引っぱられた感のあるVTの差が見て取れます。

 

本家バンガード社のETF「VTI・VT」と、楽天投信投資顧問株式会社が運営する「楽天VTI・楽天VT」は基本は同じですが、指数ベンチマークとの乖離(トラッキングエラー)により誤差が生じる可能性があると言われています。

これは他のあらゆるインデックスファンドで言えることですが、誤差は大きくないので指数のチャートは十分参考になるデータです。

4位の楽天VTもいい投信ですが、表で比較すると楽天VTIはさらに優れていますね。

 

アメリカ=「絶対王者」

他にも理由はあります。いまだに新興国並みの成長を続けている点も、私がアメリカのことを「絶対王者」と表現する理由です。

 

百聞は一見にしかず。下記の表をご覧ください。

 

1992年からの米ドルベースGDPの実績と、2022年までの予想を組み合わせた上位8国です。IMF(国際通貨基金)のサイトから抽出したデータをグラフ化しました。上から、

  1. アメリカ
  2. 中国
  3. 日本
  4. ドイツ
  5. フランス
  6. イギリス
  7. ブラジル
  8. インド

 

2006年ごろから中国の伸びは凄まじいものがありますね。数年という短い単位で切り取ると、高度成長で飛躍した昔の日本はもちろん、今のインドやタイ、インドネシアなど多くの国で鋭角に伸びている国があります。

 

しかしアメリカは違います。短期でも中期でも長期でも安定して伸び続けています。ちなみに過去60年のグラフで見ても似たようなラインを描いています。

底力があるとか、一言で表現できないくらい他国を圧倒し続けています。野球に例えるならメジャーリーグと甲子園くらいの違いでしょうか。

 

 

以上、iDeCo(イデコ)の商品はつみたてNISAの中から選ぶ~ぱたる的ランキング5位~1位を発表しました。

 

ここまでご覧頂いて、勘のいい方はこう思ったかもしれません。

「裏3位のように細かく商品分けられるんだ。しかも商品は途中で自由に変更できるのか・・・ だったら良さげな投信が数多くある証券会社がいいな」と。

そうなんです。実は私も楽天証券でiDeCoを初期登録し、最初は「たわらノーロード先進国株式」を選んでいました(当時は楽天VTIがなかったので)その後、同じ楽天証券の「楽天VTI」に乗り換えたんです。

 

例えば、はじめはAという商品を買っていたけど、ある本を読んだらBという商品の素晴らしさに気付いてAを売ってBに乗り換えた、ということは良くあることなんですね。

ですので、低コストで商品種類が多い証券会社を選ぶのがポイントになるわけです。

しかし、SBI、楽天、マネックスのいずれもそこまで大差はありません。初心者の方は、

「私ももしかしたら、最初『バランス派』だったのが『米国派』に鞍替えするかも・・・ それとも『アクティブ派』か? うーん、どの会社に決めていいか分かんない!」と思うかも。

 

初心者にオススメのiDeCoの証券会社は?

そこでぱたるが独断しちゃいます。それは、

 

楽天VTI(VT)の魅力が絶大な「楽天証券でキマリ!」 です。

 

このブログは米国株、特にVTIやS&P500を推奨しているのでやはりこうなっちゃいます。

 

各商品のバランスがいいマネックスも悪くないですよ。マネックスならどれを選んでも失敗しないでしょう。特にS&P500の安いものがでてきら勢力図は変わります。

SBIは上記2社に比べて商品数は一番多いのですがデメリットがあります。

 

SBIのiDeCoは給付方式で不利

iDeCoで積み立てたお金は、原則、60歳以上になったら受給することができます(70歳まで遅らせることもできます)

その受け取り方法は、全額一括で受け取る「一時金」と、徐々に年金のように受け取る「年金方式」、一時金と年金方式を組み合わせた方式と、3つの選択肢があります。

 

下の表は各社の受け取り方式の比較

 
給付方法 楽天証券 マネックス証券 SBI証券
一時金
年金方式 5年以上20年以下の期間 5年以上20年以下の期間 5年または10年
年金と一時金を組み合わせ ×

 

表のようにSBIは「年金方式」が他社より柔軟性がありません。他社では60歳~80歳まで1年単位で設定して受け取ることができますが、SBIでは例えば60歳支給開始だと、65歳までか、70歳までか二択を選ぶだけになります。(10年以上積立してる前提で)

「一時金」であれ、「年金方式」であれ、支給開始を最大70歳まで遅らせることができるのは3社共通です。

それと、会社から退職金をもらえる人は、退職所得控除の枠によって「一部を一時金」で受け取り、「残りを年金」で受け取ると節税対策になることがありますが、SBIではその方式は取れません(退職金がない人は関係ありません)楽天とマネックスの場合、年金と一時金の割合を10%刻みで指定できます。

 

【iDeCo総括】ダメ商品以外なら商品はゆる~く選んでもいい

話も長くなってきたので、そろそろiDeCo(イデコ)を総括します。

 

投信の中には前章でもお伝えしたように、信託報酬2%だったり、販売手数料を取ったりするダメ商品、ク○商品があり、そういった商品はハッキリと「オススメしません!」と断言します。

 

しかし、当章のランキング以外でもダメ商品でなければ好きなものを選んでいいと思います。

例えば、アクティブファンドのセゾン投信の中野社長からは、健全な投資商品を作り、健全な投資環境を築きたいというメッセージを多くのところで見聞きしますので、「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」や「セゾン資産形成の達人ファンド」は一定のファンがついているようです。コスト面を冷静に判断した上で購入もありでしょう。

レオスの「ひふみ年金(ひふみ投信)」も同様ですね。アクティブファンドを否定する方もいるようですが、私は人それぞれでいいと思います。

 

今回全く紹介せずスルーしてきた、「元本確保型」商品も私は選びませんが、

「とにかく妻(夫)が猜疑心が強いから元本確保型じゃなきゃiDeCoできない!」

という人もいると思うので、それでハッピーになれるなら元本確保型ももちろんアリです。実質利回り15%ありますし。(実質利回り15%の記事

 

証券会社の選択肢も今は楽天、マネックスの2強ですが、SBIの受給方式の件も、今までの会社の姿勢を見るといずれ改善される可能性があります。

また、厚生労働省では、「金融機関は、2018年の5月(予定)から5年間のあいだで、iDeCo(イデコ)商品を35本までに本数を厳選するように」との旨を発表しています。

 

厚生労働省サイト

確定拠出年金制度等の一部を改正する法律の主な概要(平成30年5月1日施行)

 

ルールや商品は細かく変わっていくでしょうが、途中で証券会社を変えることもできるので、まずは始めることが大切ではないでしょうか。

医学の進歩により人生100年時代の到来は案外近いかもしれませんね。

 

株価が急落しても、60歳までは「パニック売り」したくてもできない(笑)iDeCo(イデコ)はオススメです!

 

以上、シリーズ「iDeCo(イデコ)の商品はつみたてNISAの中から選ぶ」の最終章をお伝えしました。

 

過去のシリーズはこちら

 

本稿は2018年4月9日に掲載しましたが、その後、SBI証券よりいいプランが出ているので以下もご参考に。

 

50代の資産形成について

 

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