HDV銘柄入れ替え「AT&Tが復活しなかったことに失望した」2019年3月
JPモルガン・チェースがランクイン
2019年3月、HDVの組入銘柄の入れ替えがありました。
新しくトップ20にランクインしたのが、
JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー(JPM・金融)
テキサス・インスツルメンツ(TXN・テクノロジー)
U.S.バンコープ(USB・金融)
以上の3つ。
・・・
金融ねぇ・・・
・・・
テクノロジーねぇ・・・
・・・
ま、いいでしょう。
だけどこれだけは言いたい!
「なんでAT&Tが復活してないんだ!」
アルトリアグループが除外
AT&Tの話は置いといて、まずは新旧の話をしていきましょう。
トップ20から落ちましたが、まだ残っているのが、
ウィリアムズ(21位)
前回トップ20で、組入銘柄から除外されたのが、
アルトリアグループ
ブリストル・マイヤーズ スクイブ
以上の2つ。
前回の入れ替え記事はこちら。
新旧トップ20銘柄
下の表は左側が新銘柄トップ20とその比率。右側が旧銘柄。
順位 | 比率(%) | 2019年3月 | 2018年12月 |
1 | 9.35 | エクソンモービル | エクソンモービル |
2 | 6.89 | JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー | ベライゾン |
3 | 6.80 | ベライゾン | ジョンソン&ジョンソン |
4 | 6.26 | ジョンソン&ジョンソン | シェブロン |
5 | 6.05 | シェブロン | ファイザー |
6 | 5.50 | ファイザー | P&G |
7 | 4.83 | P&G | コカコーラ |
8 | 4.04 | シスコシステムズ | アルトリアグループ |
9 | 3.90 | コカコーラ | シスコシステムズ |
10 | 3.83 | メルク | ペプシコ |
11 | 3.50 | ペプシコ | メルク |
12 | 3.13 | ブロードコム | 3M |
13 | 2.26 | 3M | ブロードコム |
14 | 2.06 | テキサス・インスツルメンツ | ブリストル・マイヤーズ スクイブ |
15 | 1.84 | シュルンベルジェ | デューク・エナジー |
16 | 1.81 | ドミニオン・エナジー | シュルンベルジェ |
17 | 1.76 | ユナイテッド・パーセル・サービス | ユナイテッド・パーセル・サービス |
18 | 1.73 | デューク・エナジー | ドミニオン・エナジー |
19 | 1.43 | U.S.バンコープ | ロッキード・マーティン |
20 | 1.40 | ロッキード・マーティン | ウィリアムズ |
78.37 |
太字は入れ替え銘柄です。
OUTとINの詳細
以下はOUTとINのデータです。(配当率は2019年3月YAHOO! FINANCEデータより)
【OUT】
順位 | 銘柄 | ティッカー | 配当率 | セクター |
8 | アルトリアグループ | MO | 5.68% | 生活必需品 |
14 | ブリストル・マイヤーズ スクイブ | BMY | 3.42% | ヘルスケア |
20 | ウィリアムズ | WMB | 5.31 | エネルギー |
【IN】
順位 | 銘柄 | ティッカー | 配当率 | セクター |
2 | JPモルガン・チェース | JPM | 3.21% | 金融 |
14 | テキサス・インスツルメンツ | TXN | 2.91% | テクノロジー |
19 | U.S.バンコープ | USB | 3.08% | 金融 |
注目は、配当率が5.68%と高いアルトリアが除外されたこと。
組入順位は8位で、比率は4.32%とまあまあ多い。
HDVは75銘柄しかないので、トップ20位の影響力が非常に大きいんです。
ウィリアムズは21位に下がっただけなので健在です。
最近配当率が下がっているHDV。
もはや「高配当ETF」の看板は下ろしたほうがいいんじゃないかと言いたいくらいです。
しいて言うなら「ディフェンシブETF」か?
ただ、それすらも怪しい近頃の値動き。
・・・
さて、新銘柄にはさぞかし「高配当でディフェンシブ」な銘柄が入ったんだろうな~。
それがHDVのアイデンティティだもんな~。
・・・
(チラ)ぶぼっ!
JPモルガン・チェース 3.21% 金融
テキサス・インスツルメンツ 2.91% テクノロジー
U.S.バンコープ 3.08% 金融
下の2つはまだいいんだ。
JPMを組入2位の比率6.89%も入れるかね、フツー。
JPMの1ヶ月チャートを見てみよう。
うーん、株価は下落基調。配当率は少しは上がったのかもしれないが所詮「3.21%」と低い。
これが、「高配当かつディフェンシブ」で有名なあのHDV?
結婚3年目は倦怠期の危機
一回くらいの入れ替えで一喜一憂してもしょうがないんだけど、結婚3年目の倦怠期みたいな気分だよ。結婚はしてないが。
今株価全体がポコッと下がって押し目買いするなら、HDVは選ばないな。
SPYDとかVYMとかになるでしょう。
ライバルであるSPYDとVYMの配当率は?
HDVのライバルである、SPYDとVYMの配当率を比べてみましょう。(配当率は2019年3月YAHOO! FINANCEデータより)
HDV 3.35%
SPYD 4.29%
VYM 3.09%
SPYDとは差が広がったようです。
VYMとは大して変わらない。
これじゃ、価格の騰落率で負けるHDVのメリットはほとんどないです。
というか、ライバルのVYMに内容を寄せてきているのか?
まさかね・・・え? マジか?
スラムダンクの陵南・田岡茂一監督が、「奇策といわれるあらゆる作戦、そのほとんどは、相手のことを考えすぎて本来の自分を見失った姿にすぎない」って言ってたけど、まさかHDVもやらかしているのか?
そもそもHDVの「モーニングスター配当フォーカス指数」っていうのがよく分かんないもんな。
HDVの謎を追った記事
セクターの新旧比較
セクター別の新旧も見てみましょう。
こちらは旧セクター比率。
こちらは新セクター比率。
「盾」になるはずのヘルスケアと生活必需品の比率が下がり、前回2.93%しかなかった金融が11.30%と大幅アップ。
・・・HDVよ、お前はどこに行こうとしてるんだ?
なぜ”キング”のAT&Tを入れないんだ!
さて、一通り新旧の詳細をチェックした感想は、「驚きと失望」です。
「驚き」のほうは、前述したように、HDVのアイデンティティを見失っていることについて。
目を丸くしたんじゃなくて、眉間にシワを寄せて睨む感じの驚き。
「失望」のほうは、冒頭で言ったように高配当キングのAT&Tを復活させなかったこと。(HDVは元サヤ銘柄が多い)
2011年の設定から2018年まで、AT&Tはほぼ1位か2位に君臨していました。
2018年9月にAT&Tは外れましたが、タイムワーナー買収や、それにまつわる株価の下落が影響したのかな、と思っていました。
今のAT&Tの1ヶ月チャートはこちら。
なかなかの復活っぷり。
こちらは6ヶ月チャート
うん、まずまず。
そして気になるAT&Tの配当率はなんと、6.58%とかなりの高配当です。
私が”キング”AT&Tの帰還を切望し、そして失望した意味が分かってもらえたでしょうか。
ぱたるは今後HDVを買うのか?
私は今後、HDVを買い増すのか?
・・・
結論は様子見です。
倦怠期を乗り越えて、仲良くできる可能性もありますから。
・・・
ただ、PFFも先日指数が突然変更になり、名称も変わりました。
価格などは大きく変わっていませんが、いきなりそれをやるか?
運用会社はHDVと同じ「ブラックロック」
世界ナンバーワンのETF運用会社ですが、私はかつて笑顔で見ていたブラックロックを、今ジト目で見ています。